自動車のウェザーストリップなどゴム金型を手掛けるエムエス製作所(愛知県清須市)は人材育成に力を入れ、『現代の名工』や『あいちの名工』、国家検定資格の1級技能士を多数輩出している。2023年にNC旋盤工で『現代の名工』を受…
【鳥瞰蟻瞰】牧野フライス製作所プロジェクト営業部スペシャリスト・山本英彦氏「日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要」

大事なのは、自信を持つこと
日本メーカーの力が
持続可能な社会の実現には必要
1983年に牧野フライス製作所に入社してから、海外畑を歩んできました。キャリア当初は、アメリカ向け立形マシニングセンタや放電加工機の営業支援を担当し、90年代前半と2000年代前半の2度にわたって、アメリカ現地法人に駐在しました。現在は、これまでの海外経験を生かし、国内営業のサポートを行っています。
金型については、アメリカ時代に理解を深めました。当時、実務担当として、日系ユーザーを訪問していたのですが、そこでは単に機械の販売やメンテナンスだけでなく、外注先の紹介や資材調達のサポートなども求められました。
こうした要求に応えるために、現地メーカーとの関係を深め、独自のネットワークを構築していきました。現地メーカーとの交流を通じ、産業構造から金型の作り方や考え方、前後工程の重要性、使われる素材や工具などを学ぶことができました。
そこで気付いたのは、日米間では金型における考え方に大きな違いがあるということです。そもそも使われる素材や工具が違うため、作り方や考え方が異なるのは当然なのですが、アメリカを始め欧米の人たちは、「金型=量産のツール」という考えを日本以上に強く持っていると感じました。
それは、日本では金型単独で事業を形成している企業が多いのに対し、欧米では金型と量産がセットになっている場合が多いことが背景にあると考えています。量産まで考慮できるからこそ、「金型を使って生まれたものに価値がある」という考え方で、金型も合理的かつ効率的に製造できるのだと思います。
ただ、だからといって日本の金型が劣っているかというと決してそうではありません。むしろ、ばらつきの少ない高品質な金型を製造できる日本の技術力は世界でも特に優位性が高いと考えています。
現在、世界各国で取り組みが進む「SDGs(持続可能な開発目標)」。その中でも「環境負荷の低減」が大きなテーマとなっています。環境配慮のキーワードの一つに「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」という考え方がありますが、特に「リデュース(減らす)」は、日本の強みが発揮できる分野だと思います。
ばらつきが少なければ、それだけ無駄を減らすことができますし、日本の製造業に根付く「改善」という文化は、まさに無駄を減らす活動です。こうした日本メーカーが本来持っている強みを活かし、営業活動ができれば、今後も新たな需要を掘り起こしていけるのではないでしょうか。
最近では、欧米など日本以外で営業を展開している日本の金型メーカーも増えてきました。それは、日本の金型が世界中でまだまだ需要があるということの表れです。だからこそ、日本の金型メーカーには、まず自社の良さや強みを認識し、自信を持ってもらいたいと思います。当社としては、今後も金型メーカーのパートナーとして最大限のサポートを提供していくつもりです。
金型新聞 2021年6月10日
関連記事
世界一の金型メーカーへ 新本社工場が本格稼働 キヤノンモールドは移転を進めていた「本社・友部事業所」を7月から本格稼働させた。市内に分散していた工場を1か所に集約。自動化や人・モノの移動を減らすなどして、従来比で1.5倍…
コロナを好機にするには 営業など中間層の変革をICTの活用が絶対条件 コロナで金型業界は難しい状況にありますが、大変だと騒いだり、パラダイムシフトを心配したりしても何も生まれません。むしろ、やり方次第では、ピンチをチャ…
大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に 強み見つけ、競争力を強化 金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、…
デジタルマーケティングで見込客を獲得 近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件…


