金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

12

新聞購読のお申込み

パンチ工業 大連工場 研究開発部 呂 国健さん(26) 〜ひと〜

5軸MCで原寸大のシャトルを作った

 原寸大のバドミントンシャトルをアルミ合金で作り上げた。羽の厚みは0.6㎜と薄く、細い。そんな加工難度の高い形状を、5軸マシニングセンタ(MC)を駆使して加工した。その高い技術力と柔らかいものを金属で表現するという独創性が評価され、社内の技能コンテストで金賞を受賞した。

 パンチ工業の中国グループでは毎年、従業員の技術力向上を目的とした技能コンテストを開催している。今年は日本グループも参加し、過去最高の約400人が技術力の高さや独創性を競い合った。その中での栄誉に、「光栄に思いますし、会社に感謝しています」。

 5軸MCを担当し、金型部品の加工や難加工品の工法開発を手掛ける。「5軸MCは治具や工具、プログラムなど事前の準備が重要。加工前に問題点をきちんと予測して加工しないと良いものはできません」。優れた技能と仕事への高い意識を持ち、上司からは「まじめでチャンレンジ精神にあふれた人材。若い世代の重要な技術者の1人」と評される。

羽根の厚みは0.6㎜

 幼い頃から手を動かしてものを作るのが好きで、大学では機械加工を学んだ。将来は、「なんでもできる技術者になりたい」と幅広い知識とノウハウを持った技術者を目指す。さらに今後は自分だけでなく、後輩の育成にも取り組む。「次は、自分が育てた人材と一緒に金賞を目指したい」。

金型新聞 2021年1月10日

関連記事

型から成形まで一貫生産<br>コガネイモールド 村田 隆 常務

型から成形まで一貫生産
コガネイモールド 村田 隆 常務

この人に聞く2018  今年4月に樫山金型工業から社名を変更した「コガネイモールド」。携帯電話を中心としたプラスチック金型で一時代を築いた同社だったが、スマートフォンの登場によって需要が激減。しかし、一昨年に空圧機器メー…

次代の人材確保するため、地域を巻き込んで金型の魅力感じてもらう 上田幸司氏(明星金属工業 代表取締役社長)【鳥瞰蟻瞰】

日本の金型の未来を担う人材。それは今、危機的状況を迎えています。少子化が進み、就職する学生の数が減り続けている。当社のある大阪府でも特に公立工業高校で定員割れが相次ぎ、数年後にも数校が廃校します。もの作りに興味を持つ高卒…

【ひと】誠武製造部・伊澤高雄さん(44)

天職の金型磨きでコンテストを優勝した  与えられた時間は3分。その限られた時間の中で、金属を磨き、表面の精密さを競う。鏡のように輝く仕上がりにするには卓越した技能とノウハウが要る。  昨年、インターモールド2019のジー…

【鳥瞰蟻瞰】スワニー 社長・橋爪良博氏 一気通貫の体制で生産性向上

分業せずに生産性向上一人で開発から製造まで育成には失敗できる環境が大事 大企業に限らず日本の製造業の多くが分業でものづくりを行っています。複数の人員が役割を分担して行う分業という仕組みは、効率良く生産するための有効な手段…

AM技術の可能性
DMG森精機 AM部 ブルーメンシュテンゲル健太郎 部長に聞く

 金属3Dプリンタを使った金属積層技術(AM技術)は様々な分野で広がっている。代表的なものは航空宇宙、医療、自動車で、さらに多方面へ拡大することは間違いない。そこで金属3Dプリンタを活用した次世代の金型づくりの可能性を探…

トピックス

関連サイト