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加工プログラムを効率化する最新CAM【Breakthrough!】
多くの金型メーカーが苦慮しているのが、プログラム作成の効率化だ。ある金型メーカーの工場長は「スキルの高い技能者が必要なプログラミングは全体の3割程度。残りの7割を自動化や効率化できれば生産性が上がる」と話す。こうしたニーズに対応すべく、金型向けに強いCAMでは、プログラム作成の効率化を支援したり、自動化につながったりする機能が登場している。
PART1:NTTデータエンジニアリングシステムズ「繰り返し作業を自動化」
PART2:オープン・マインド・テクノロジーズ・ジャパン「形状加工のプログラム自動化」
PART3:コダマコーポレーション「大型金型も効率よく作業」
PART4:C&Gシステムズ「工程標準化で工数削減」
PART5:セイロジャパン「製造属性情報を自動活用」
PART6:Hexagon「操作性と豊富なツールパス」
PART7:丸紅情報システムズ「コスト抑え、自動化支援」
PART1
NTTデータエンジニアリングシステムズ「繰り返し作業を自動化」
Space-E uFeature2CAM」

「Feature2CAM」は、三次元CAM「Space-E」の加工属性を利用することで、CAMオペレータの繰り返し作業を軽減させることができる機能。熟練者のノウハウを加工データベース化し、加工パスの品質向上にもつながる。
3Dモデルの穴あけ加工やポケット加工(立ち壁や水平面)などの加工部位の認識と加工属性を設定することで、加工工程を自動で割り当てることができる。例えば、穴加工では、穴の寸法(径や深さ)だけでなく、貫通穴(止め穴)、テーパ穴、キリ穴、C面取りなどの多種多様の穴を自動認識できる。
あらかじめデータベースに登録された穴の寸法から工具条件を基に各部位に合わせた加工方法、工具選定の自動化、工作機のテーブル回転、工具軸傾斜(3.5軸機能)を考慮した多面加工の工程も自動作成できる。
PART2
オープン・マインド・テクノロジーズ・ジャパン「形状加工のプログラム自動化」
hyperMILL「AUTOMATION Center」

5軸加工に適したCAD/CAM「hyperMILL」の「AUTOMATION Center」は、ユーザー自らがプログラム作成を自動化するための支援ツール。フィーチャーやマクロ、工具データベース機能を生かし、自動化をサポートする。
信頼性の高いフィーチャー認識とマクロに保存したデータベースを活用し、穴や溝などの簡単な2次元形状だけでなく、3軸や5軸の形状加工の加工を自動化することもできる。データベース自体はユーザーが構築する必要があるが、そのための教育は同社がサポートする。
工具データベースでは、様々な種類の工具を複数の加工条件と共に登録することができる、また、同社では「主要工具メーカーからもhyperMILL用データが提供される予定」としている。
PART3
コダマコーポレーション「大型金型も効率よく作業」
TopSolid「TopSolid Mold」

自動車バンパーの金型など容量が大きく部品が多いデータでも、効率よく作業できるプラスチック金型設計支援システム。
成形品モデルのパーティングラインを自動で検出し、パーティング面を容易に作成できる。成形品の修正からキャビティ、コア分割、型構造設計、2次元図面、部品表作成の全ての工程に対応する。
フェイスやエッジ、ラインを指定するだけで分割コアを作成でき、数値を入力するだけで分割コアのツバ部を簡単にモデリングが可能。また、2プレート、3プレートなど各種のモールドベースを標準装備し、ベースに関する設計、プログラムの作業を軽減につながる。
分割コア、スライドコア、ルーズコア、複数個取りを効率よく設計できるほか、冷却水穴を3次元金型モデルに自在に配置、調整ができる。
PART4
C&Gシステムズ「工程標準化で工数削減」
CAM-Tool 「V18.1」

5軸マシニングセンタ対応のCAD/CAM「CAM-TOOL」の新版「V18.1」では、加工工程の標準化を円滑にサポートするなど、作業者の工数削減につながる操作性を強化した。
CAMでの各種工程設定データ(プロファイル)の操作を集約して表示する「ツリー」と、各プロファイルの演算工程をテーブルとして表示する「演算工程表」のプロファイル選択操作を同期できるようにした。 これにより、 対象工程を素早く特定できるようにした。
また、選択したプロファイルは、テンプレート化できるため、加工工程の標準化につながる。また、後工程で調整していたCL分割を演算工程表で、自動でできるようにした。これにより、工具寿命によるCL分割などを標準化しやすることで、作業者の工数を削減できる。
PART5
セイロジャパン「製造属性情報を自動活用」
Cimatron Ver15 「製造属性」

型設計作業時に登録した精度や公差といった製造属性情報を穴あけなどNC軌跡作成時に自動活用することができる。
型設計システムでは、ピンやブッシュなどの配置時に自動的にタップやリーマ、公差などの穴属性をつけられる。さらに、スライドなどオブジェクトの配置時には属性転送機能で色を割り付けることも可能。その後、属性や色を軌跡作成時に自動適応させることで、軌跡計算に反映させることができる。
自動ドリル機能では、穴の径や深さ、ネジやタップ、はめ合い公差などを自動認識し、適当な軌跡を作成可能。また、色やセット割り付されている面を認識し加工時に面オフセットを自動割り付けすることもできる。これらの機能で、加工ミスの削減、軌跡作成時間の短縮につなげられる。
PART6
Hexagon「操作性と豊富なツールパス」
WORKNC「AUTOMATIC AD/CAMシステム」

「WORKNC」は、PC上で簡単に高品質で信頼性の高いNCデータを作成できるCAD/CAMシステム。その操作性の良さと豊富なツールパス、加工データを自動作成する独自の技術とノウハウにより、 大幅な加工時間削減や生産性の向上を実現している。
加工工程を標準ファイルとして登録し、加工ノウハウを共有化できる機能や、3軸ツールパスを固定/同時5軸ツールパスに自動変換できる機能、異形工具のツールパス作成をサポートする機能などを搭載している。ユーザーの中には、これらの機能を駆使して、無人加工、完全自動加工を実現している加工現場もある。
さらに、「WORKNC」は2日間の講習で習得・実稼働することができる。短期間、低コストでのCAD/CAM業務立ち上げを可能にしている。
PART7
丸紅情報システムズ「コスト抑え、自動化支援」
Tebis 「エントリーパッケージ」

「Tebis」は高速、高精度な高機能CAD/CAM。このほどリリースしたV4.1では、加工のテンプレートや標準ポストなど、プログラムの効率化を支援する機能を盛り込んだ「エントリーパッケージモデル」を発表した。基本構成で255万円からと低価格に設定した。
CAMの基本機能としては、3+2軸形状加工やプロファイル加工の切削加工機能、IGESやDXFのデータ交換機能を搭載した。
プログラム作業の効率化への対応では、大物から小物までワークサイズに合わせた様々な加工テンプレートを標準装備。自社で、加工データ作成をテンプレート化する手間を削減できる。また、マシンやツール、ポストプロセッサの情報を標準装備しており、導入後すぐに運用を開始できるようにした。
金型新聞 2022年6月9日
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