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大分県で金型のプロが技術指導、保全技能レベルの底上げを図る
大分県で操業する自動車部品メーカーの技術者が金型の保全技術を学ぶ「金型保全技術者育成講座」。熟練のノウハウを持つ金型のプロが実践さながらの保全技術を指導する。大分県ではいまも県内で金型保全を補完できる環境が整っていない。保全技能レベルの底上げを図り北部九州の自動車産業振興を目指す。


凹凸が対の2つの金属ピース。片方のエッジを部分的に傷つけ、そこをTIG溶接で肉盛りする。盛り過ぎた分だけグラインダで研磨し2つのピースがぴたりと合うように調整する。
これは金型補修技能講習で、欠けた金型を復元する実習。2つの金属ピースはプレス金型のトリム刃の上型と下型を模したもの。自動車のプレス金型メーカー明星金属工業の山崎達博さんがその技術を指導する。
山崎さんは明星金属工業で工場長も務めた熟練技能者(なにわの名工を受賞)。長年の間に培った金型の補修の経験やノウハウを生かし、効率良く肉盛り溶接する方法や、トリム刃のエッジを保つ研磨のやり方を手取り足取り指南する。


講座のコンセプトは実践で役立つ技能の習得。そのため徹底的に練習する。トリム刃に模した上型と下型がぴたりと合うまで参加者は講習時間いっぱい(9時30分~16時30分)、調整を繰り返し、仕上げていく。
2022年度の金型補修技能講座はこのTIG溶接講習(全 3 回)と絞り金型の打痕を補修するアーク溶接講習(全 3 回)の全 6 回。大分県立工科短期大学校で開かれ、自動車部品メーカーで金型保全の担当やそれに関連する技術者5人(4社)が参加した。
今年度最終日の11月26日。山崎さんは「この講座を経験すると金型補修の技能習得だけでなく、金型を作る者、補修する者の気持ちも理解できるようになる。ここで経験し、得たことをこれから実務で生かしてほしい」とエールを送った。




初めて参加した富双シートの棈松和紀さんは、「溶接の技能の領域を広げたくて参加した。その道のプロフェッショナルに直接指導して頂けることがとても勉強になり新鮮だった。この経験を仕事で役立てたい」と話した。
金型保全技術者育成講座は、金型補修技能講習に加え、プレス金型保全技術者育成講座、射出成形金型保全技術者育成講座の計3コース。プレス金型はダイハツ九州の技術者が同社の工場で、射出成形金型はダイハツ九州の技術者や大阪精密の北野綱一社長が大分県立工科短期大学校で講習する。
2022年度はプレス金型で5人(3社)、射出成形金型で4人(3社)、金型補修で6人(5社)が参加。それぞれのコースで6月から半年間、金型や補修用の機器や工具を使う実習や、座学で保全の技術を学んだ。
金型保全技術者育成講座が始まったのは2010年。ダイハツ工業が2004年に大分(中津)工場(当時ダイハツ車体・現ダイハツ九州)で自動車の生産を開始。部品メーカーも相次いで生産拠点を立地し自動車産業集積が進んでいた。
しかし部品メーカーには金型保全の経験が少なく、その修理は関西や関東の企業に依頼することが多かった。大分県内で金型を保全できる技術者が不足していた。
県下で保全できる能力を持つことが必要—。そう考えた大分県や大分県立工科短期大学校、大分県自動車関連企業会はダイハツ九州や明星金属工業、大阪精密の協力を得て講座をスタートした。
これまでの12年で延べ270人が受講し、保全の現場で活躍する。開設当初から講座の運営に携わる工科短期大学校の䑓博治校長は「金型の材料が変われば保全技術も変わる。これからも講座で保全技術者を育てていきたい」と話す。
保全技術者を育成することで目指すのは大分県をはじめ北部九州の自動車産業の成長。12月17日に開いた修了式で䑓博治校長は「この講座で学んだ保全の技術、そして講師や受講者とのネットワークを今後、それぞれの金型保全の現場で生かしてほしい」。
ダイハツ九州の日野克浩社長は「金型はプレスや射出成形、鍛造、鋳造など素形材の原点。品質の良い製品を作り続けるには金型を優れた状態に保つことが極めて大切。講座で習得した技能をぜひ実践で経験を積み上げて欲しい」と語った。
金型新聞 2022年1月10日
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