加工技術者に新たな呼称 ミクロン台の誤差に収まる精度、鏡のように美しい仕上げ面—。こうした加工は、卓越した技術力と並々ならぬこだわりを持った技術者が高精度な機械を駆使して初めて実現する。この職人と呼ばれる人たちを「マシ…
海外人材の採用と育成の心得 佐藤 修一氏(東栄精工 社長)【この人に聞く】
人手不足や採用難で悩む金型メーカーは多い。対応策として海外人材や女性など多様な人材活用の重要性が指摘されている。しかし、そうした人材を生かすには職場の環境や社員の意識を変えるなど簡単ではない。プラスチック金型メーカーの東栄精工(川崎市高津区、044・811・7030)は従業員5人と小規模ながら、ベトナム人技術者を採用して社内の活性化につなげている。「次はミャンマーの方を採用してもっと多様性のある職場にしたい」と話す、佐藤修一社長に海外人材の活用のコツを聞いた。
海外人材を「戦力」として評価

1994年、家業である東栄精工に入社。96年一旦同社を離れ、11年間プラスチック金型メーカーに勤務し、超精密金型づくりに従事。2007年東栄精工復帰。19年社長。47歳、神奈川県出身。
海外人材の採用のきっかけは。
当社に限らないと思うが、中小企業では日本人にかかわらず採用は難しい。また、採用しても「これから」って時に退職してしまうケースが続いていた。そんなとき、ユーザーの成形メーカーでベトナム人技術者が戦力として頑張っている姿を見たことに加え、海外人材採用支援のワンテラス(東京都千代田区)とつながりができたことがきっかけだ。
採用に不安は。
コロナ禍で「現状維持では何も変わらない」と痛感していたので、不安より危機感のほうが強かったと思う。何より、ウェブ面談したベトナム人は現地の工科大を卒業するなど優秀な人材が多かった。また「日本で働きたい」と強く望む人や、バイタリティのある人材が多かったので、「採用してみよう」と思うことができた。
採用に当たり心がけたことは。
まず、前提として単なる労働力としてではなく、将来を担う「戦力」として採用した。だから、徹底して技術も教えるし、やったらやった分だけ、正当な評価と報酬を渡すように心掛けた。
あとは、寄り添うこと。単純に自らに置き換えて想像してみたら理解できると思う。「一人で海外に行き、言葉が通じない中で働く」ことがどれだけ不安なことか。なので、従業員を交えた食事会や、様々な行事に誘うなど、寄り添うことを意識した。
言葉の問題は。
ワンテラスで日本入国前に、教育はしてくれていたが、完璧ではない。しかし、今は翻訳アプリもあるし、さほど問題は感じない。きちんと情報共有できれば、十分に意思疎通は図れる。うまく伝わらないのは伝える側にも問題がある。確認を復唱してもらうなどの工夫が必要だ。
海外人材の採用の影響は。
向上心があって覇気のある人が一人でもいると社内の雰囲気は変わる。また、ほかの従業員も良い意味で初心を思い出させてもらうなど、社内でも刺激になっている。人手不足の状況は変わらないので、あと数名は採用したい。次はミャンマーなどの海外人材を採用して、グローバル化を図りたい。
金型新聞 2023年6月10日
関連記事
日本の金型の未来を担う人材。それは今、危機的状況を迎えています。少子化が進み、就職する学生の数が減り続けている。当社のある大阪府でも特に公立工業高校で定員割れが相次ぎ、数年後にも数校が廃校します。もの作りに興味を持つ高卒…
オートフォームジャパン(東京都港区、03・6459・0881)はスイス・オートフォーム社の日本法人として2007年に設立された。シミュレーションソフトメーカーでは後発となる同社はプレス成形に特化し、圧倒的な計算速度を強み…
厳しくなる世界各国の燃費規制に対応するため電気自動車(EV)を始めとする、次世代自動車の浸透スピードは加速している。加えて、自動運転も次世代技術として注目を集めている。こうした自動車の変化は金型にどう影響するのか。電動…
中小製造業のグループ化事業に集中できる環境を整備優れた技術守り次代につなぐ 2006年に金型ベンチャー企業から父が経営するねじメーカーの由紀精密に入社しました。そこで感じたのは企業規模が小さすぎて、あらゆる機能が無さすぎ…
