金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

18

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】1.ギガキャスト

一体鋳造の流れ加速

「ギガキャスト」は今年最も注目を浴びたワードの一つ。定義は明確に決まっていないが、6000tを超える型締め力(1万6000tも発表されている)のダイカストマシンで複数の部品を一体成形する技術だ。

トヨタ自動車が今夏にギガキャストに着手すると発表して以降、リョービも6500tのマシン導入を決定するなど、金型業界でも注目を集めた。金型にとって影響が小さくないからだ。トヨタ自動車が発表した部品では、86部品33工程だったものを1部品1工程にできるため、金型点数の減少も懸念されている。

トヨタ自動車が発表したギガキャストで成形したリア部品(右)と従来品(左)

こうしたギガキャストに対応する動きも出始めている。新潟の米谷製作所と共和工業はギガ向け金型を共同開発すると発表した。ギガ向けの金型づくりを開始している。

一方、まだ明確に方向が固まっていないのも現実。テスラや中国のEVメーカーでは1万tクラスで、車全体を一体成形する動きがある。しかし、トヨタ自動車は3分割する方式を発表しているおり、実際にどれほどの大きさの型が必要とされるかは決まっていない。

吉利汽車が7200tのギガプレスで成形したリア部品

これには投資と既存設備の問題が大きい。リョービが発表した投資額は50億円と簡単に投資できない。また、国内や欧州メーカーは3000tクラスの成形機を多く持つため、これらを有効活用したいと考えるためだ。

もう一つが金型の運搬が難しいこと。道路交通法では国内で100t近くなる金型を運ぶには様々な手続きがある。

ただ、3500tのマシンで7000tサイズ成形品が造形できる低圧鋳造技術や、FSW(摩擦拡散接合)を活用し、従来部品を接合して大型化する技術なども発表されている。いずれにしても、ギガキャストの動向から目が離せない。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

自動車金型、2024年秋に需要回復か【特集:自動車金型の未来】

自動車の金型が試練の時を迎えている。半導体不足に端を発する新車開発の相次ぐ延期で受注が減少している。一方、電気自動車(EV)シフトが技術と産業構造に変革を迫る。生き残るカギは変化のうねりを見極め培ったノウハウや強みを生か…

日本発条がササヤマと資本提携する理由【ササヤマ challenge!Next50】

自動車のシートなどを手掛ける日本発条は2015年、ササヤマと資本提携した。日本発条にとって技術連携のパートナーであるササヤマはどんな存在なのか。魅力、期待すること、今後取り組みたいことは。シート生産部の岡井広行氏と安田雅…

平岡工業 精密部品加工・調達代行【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

調達の効率化サポート 自動車のウェザーストリップのゴム金型や切断折曲機などを手掛ける平岡工業のもう一つの事業が、精密部品加工・調達代行サービスだ。金型や切断折曲機で培った技術や協力企業とのネットワークを活かし様々なニーズ…

進化への岐路
2020年 日本の金型

 2020年の金型業界はコロナ禍に翻弄された年になった。自動車産業を始めとしたユーザーの生産減や開発遅延などにより、金型需要は減少し、景況は悪化した。一方で、これまでと同じような活動ができないことで、ビデオ会議システムや…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年

活路を創造、混沌に挑む  日本の金型業界にも少しずつ明るさが戻ってきた。とはいえ、受注水準はいまだリーマンショック前の8割程度だ。そんななか、日本金型工業会は「新金型産業ビジョン」を策定した。そこでは、金型業界の向かうべ…

トピックス

関連サイト