金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

02

新聞購読のお申込み

【特集:2023年金型加工技術5大ニュース】1.ギガキャスト

一体鋳造の流れ加速

「ギガキャスト」は今年最も注目を浴びたワードの一つ。定義は明確に決まっていないが、6000tを超える型締め力(1万6000tも発表されている)のダイカストマシンで複数の部品を一体成形する技術だ。

トヨタ自動車が今夏にギガキャストに着手すると発表して以降、リョービも6500tのマシン導入を決定するなど、金型業界でも注目を集めた。金型にとって影響が小さくないからだ。トヨタ自動車が発表した部品では、86部品33工程だったものを1部品1工程にできるため、金型点数の減少も懸念されている。

トヨタ自動車が発表したギガキャストで成形したリア部品(右)と従来品(左)

こうしたギガキャストに対応する動きも出始めている。新潟の米谷製作所と共和工業はギガ向け金型を共同開発すると発表した。ギガ向けの金型づくりを開始している。

一方、まだ明確に方向が固まっていないのも現実。テスラや中国のEVメーカーでは1万tクラスで、車全体を一体成形する動きがある。しかし、トヨタ自動車は3分割する方式を発表しているおり、実際にどれほどの大きさの型が必要とされるかは決まっていない。

吉利汽車が7200tのギガプレスで成形したリア部品

これには投資と既存設備の問題が大きい。リョービが発表した投資額は50億円と簡単に投資できない。また、国内や欧州メーカーは3000tクラスの成形機を多く持つため、これらを有効活用したいと考えるためだ。

もう一つが金型の運搬が難しいこと。道路交通法では国内で100t近くなる金型を運ぶには様々な手続きがある。

ただ、3500tのマシンで7000tサイズ成形品が造形できる低圧鋳造技術や、FSW(摩擦拡散接合)を活用し、従来部品を接合して大型化する技術なども発表されている。いずれにしても、ギガキャストの動向から目が離せない。

金型新聞 2023年12月10日

関連記事

日本特殊光学樹脂 高精度・高品質の樹脂レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

支える3つのコア技術、大型機導入、 新分野の提案も フレネルレンズをはじめとする特殊なプラスチックレンズの金型製造から成形までを手掛ける日本特殊光学樹脂。同社は分解能10ピコメートル(1000億分の1メートル)の加工機を…

進化する技能伝承【特集:技能伝承最前線】

金型メーカーやプレス部品メーカーがデジタル技術や暗黙知の定量化による技能伝承にチャレンジしている。MR(複合現実)によるマニュアルで新人が経験者並みの作業をできたり、トライ結果を蓄積し改善方法を導きやすくしたり。熟練技能…

【特集】最新技術の使いこなし術

工作機械や工具、ソフトウェアなど金型づくりを支えるツールの進歩はすさまじい。こうしたツールの進化によって、加工精度は飛躍的に向上した。加工速度や微細化、自動化、計測技術なども数年前とは比較にならないほど性能や機能が進化し…

【特集】2030年の自動車と、金型と

PART1:電動化というチャンス、新たな需要が生まれるPART2:この10年を振り返るPART3:新潮流に挑むチャレンジャーたちPART4:記者の目 PART1 電動化というチャンス、新たな需要が生まれる  電子部品、モ…

JIMTOF総集編 PART2:DX、デジタルツイン
加工プログラムや解析、自動で

JIMTOF2022で次世代の技術としてひときわ注目を集めたのがデジタル技術だ。IoTやAI、クラウドなどを活用し機械の稼働状況監視や加工の不具合低減に生かす。金型づくりでもデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題…

トピックス

関連サイト