「コロナ禍で航空機など需要が落ち込み、試作車市場も変化している」と語ったのは鳥羽工産の傍島聖雄社長。同社は金型製作(プレスや射出成形)から量産(少ロット)まで一貫生産体制を強みに、これまで自動車の試作型や試作車の製作、航…
AMや真空炉など積極投資 北田博治氏(アッサブジャパン社長)【この人に聞く】
ウッデホルムやボーラーブランドで知られる特殊鋼メーカーのアッサブジャパン。昨年には、日本進出70周年を迎え、金属3Dプリンタ(AM)事業の強化や、真空炉を設備投資するなど積極的に事業展開を進めている。世界中で販売するグローバルネットワークを生かした情報提供力や、サステナブルな材料を武器に、「単に材料を供給するメーカーではなく、ソリューションを提案できる企業を目指す」という、北田博治社長にAM事業や設備投資、今後の方針などを聞いた。

1965年生まれ、大阪市出身、産業能率大学卒業。日本の金型材料関連メーカーで14年にわたり海外展開に従事。2019年アッサブジャパン入社、同年社長。
ソリューション型企業目指す
AM強化や真空炉など積極的に投資している。
AM事業は設計から造形、解析までを一貫で対応できる台湾のグループ企業と連携している。日本国内の自動車メーカーやダイカスターに台湾で造形した入れ子部品を供給した実績も出ている。
真空炉は袋井工場に2台導入した。600㎏と小型の200㎏サイズで、6barという高圧に対応する。ハイエンドな材料のパフォーマンスを高めるには真空炉が欠かせない。新たな素材を採用して頂くためのテスト的な意味合いが強い。
こうした投資の狙いは。
両事業で売上を増やすことが主目的ではない。金型メーカーはこれからも顧客であり、熱処理メーカーもパートナーだ。よく例えるのだが、当社はイチゴを作っている農家。最終ユーザーがどんなイチゴを求めるのか、それを知るため小さな洋菓子店を営んでいるようなもの。顧客課題を解決するには、素材の知見だけでなく、熱処理やAMなど関連技術も重要になる。
ユーザーの海外展開が増える中、グローバルネットワークも強み。
アッサブの親会社であるフェストアルピーネは売上高約3兆円で、多様な鋼種に加え、世界中に500社の100%子会社を持つ。そこで得た情報やノウハウは惜しみなく提供する。それが日本法人の役割でもある。
具体的には。
最近注目されるギガキャスト向け金型には、当社の「DIEVAR」を始めとするダイカスト向け鋼種が広く使われている。ギガを検討するユーザーに材料や熱処理の特性などを伝えている。また、北米で医療関連の金型を供給したいという要求があった。国内には流通していない材料だったので、当社のネットワークで調達したこともある。
今後目指すところは。
世界中でサステナブルも欠かせないテーマとなっている。本社のあるオーストリアでは、発電に化石燃料を一切使わないため、サステナブルな材料として評価されることも多い。これらを数値化しており、環境面の強みも訴求していきたい。
さらに、AM事業や真空炉の投資などを強化し、材料をコアとしたソリューションを提供できる企業を目指したい。
金型新聞 2024年3月10日
関連記事
日本の金型の未来を担う人材。それは今、危機的状況を迎えています。少子化が進み、就職する学生の数が減り続けている。当社のある大阪府でも特に公立工業高校で定員割れが相次ぎ、数年後にも数校が廃校します。もの作りに興味を持つ高卒…
ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」…
順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…
金型の大型化ニーズが進んでいる。電気自動車の開発や環境規制により車の軽量化を図るため、大型部品のアルミ化や樹脂化、超高張力鋼板の採用が増加しているからだ。工作機械メーカーの中でも、金型の動向から大型加工機に注力し始めて…


