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ミスミグループ本社 製造業マーケットプレイス開設

ユーザーと加工会社をAIでつなぐ

ミスミグループ本社はこのほど、ユーザーと部品加工メーカーを人工知能(AI)でマッチングする製造業向けのマーケットプレイスを開設した。オンライン部品調達の「Meviy(メビー)」だけでは対応しきれなかった部品加工の領域をカバーする。ユーザーにとっては協力先を探す手間を減らせるほか、部品加工メーカーも営業せずに受注機会が増えるなどのメリットがある。

開設したのは「Meviyマーケットプレイス」で、メビーの追加機能として実装する。メビーは部品の3Dデータをアップロードすれば、AIが即時見積りし、最短1日で部品を発送するオンライン機械部品調達サービス。板金や切削、溶接部品などに対応しており、顧客数は17万ユーザー、アップロード件数は累計で3000万件を超えている。

特殊な部品も注文できる

しかし「ユーザーからはメビーで対応できない『3Dプリンタや射出部品などが欲しい』などの声が上がってた」(Meviy推進本部の浅野智弘チーフディレクター)。部品加工メーカーに出店してもらうマーケットプレイスの機能を追加することで、こうしたメビーではカバーしきれなかった部品加工にも対応する。

ユーザーはメビーマーケットプレイスに3D図面データや欲しい部品の条件をアップロードすると、AIが最適な部品加工メーカーを3社に絞り表示する。その3社に対して見積もりが出せる。足りない用件などを打ち合わせるために、チャット機能を設けるなど、デジタルのみで完結できるようにした。

同社によると、ユーザーは新規で協力先を探し、取引を開始するまで480時間を要しているという。特に大手では口座開設の手間なども少なくない。メビーのIDがあれば新たな口座開設も不要で、すぐ始められるので、「新規の協力先を開拓にかかる時間を99%削減できる」(浅野氏)という。

現在、マーケットプレイスに参加する部品加工メーカーは約100社。切削、板金、3Dプリンタ部品、射出部品などに対応している。今後は製缶や架台、鋳造部品や増やしていく予定。どんな加工メーカーでも参加できるわけではなく、サービス品質を安定させるため「一定基準を設けている」(浅野氏)と言う。

パートナー企業にもメリットは大きい。品質保証と、成約時に一定の手数料をミスミに支払う必要はあるが、見積りはユーザーと直接やり取りするので、自社のコスト構造に合った見積りを提示できる。すでに参加している部品加工メーカーによると、「積極的に営業をしなくても、受注精度の高い見積り機会が得られる」、「(図面や必要な情報をもらえるので)見積りの業務を減らせる」と言った声が上がっているという。

金型新聞 2024年10月10日

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