金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

01

新聞購読のお申込み

榛名モールド 金型、試作、量産に対応 【金型の底力】

人材育成で競争力強化

50tから1300tまでの大小さまざまなプラスチック金型を手掛ける榛名モールド。金型の設計製作から試作、量産までを自社で行い、一貫生産体制を実現している。2023年にプラスチックトレイやケースなどを手掛けるサーモテック(群馬県太田市)のグループ企業となった同社は現在、競争力を強化するために人材育成や現場改革に取り組む。

同社は2020年に事業承継を目的として工業用手袋メーカーと資本提携。22年にプラスチック成形メーカーを富岡工場として吸収合併し、量産成形事業を開始した。50~180tの射出成形機を設備し、小物成形品の量産まで対応できる体制を整えた。

現場を2つに分け、人材教育に取り組む

23年にサーモテックが工業用手袋メーカーから事業を譲受し、現在の経営体制となった。サーモテックが手掛けるプラスチック製トレイやケースは榛名モールドの顧客である成形メーカーが製品を輸送する際に使用する。両社の顧客層が重複するため、営業面でのシナジー効果を見込み、資本提携の締結に至ったという。

榛名モールドの強みは金型の設計製作から試作、量産までの一貫生産が可能な対応力。金型工場には量産用成形機とは別に220~1300tの試作用成形機を設備し、即時トライが可能。顧客の要望に応じて金型の作り込みや調整などを行うことができる。

1300t射出成形機

また、技術力も強み。同社の手掛ける金型は7~8割が自動車関連。特に要求精度や意匠性の高い内装部品が多くを占める。成形品の肉厚精度が厳しいエアバック関連部品の金型や、ナノレベルの面粗さが求められる塗装レスや薄膜塗装の成形品など、難度の高い金型の製造を可能としている。

一方、こうした金型は高度な技能を持った人材が不可欠。同社では目下、人材育成、技能伝承に注力する。ここ数年で若手人材の積極的な採用を進め、3年連続で新卒者を採用。数年前まで20代の従業員は1人だったが、現在は6人まで増加した。

スキルマップ

生産現場では工場内を「ベテランゾーン」と「教育ゾーン」の2つに分けて、若手人材の教育を行う。「教育ゾーン」では若手とベテランがコンビを組み、教えながら仕事を進める。一方、「ベテランゾーン」では汎用機などを並べ、シニア人材が一人で金型づくりを完結できるようにしている。

現場を二分することで、シニア人材は金型づくりに専念でき、若手は迷ったらすぐにベテランに聞くことができるようになったという。「現場を分けたことによって、若手の教育を行いながら効率良く金型づくりができるようになった」(高橋成典工場長)。

渋谷 悟志 常務

また、従業員一人ひとりの保有技術・技能を可視化するためにスキルマップも作成した。このスキルマップは教育に生かすだけでなく、達成度によって昇給も行い、従業員のモチベーションアップにもつなげている。

今後は老朽化した設備を処分し、新規設備の導入に向けて準備を進めていく考え。新たな加工設備を導入し、現在海外に外注している工程を内製化し、コスト削減や納期短縮を図り、さらなる競争力強化につなげる。「顧客の安心感や満足度を上げるための取り組みを進め、当社に仕事を頼んでよかったと思ってもらえるような金型メーカーを目指したい」(渋谷悟志常務)。

会社概要

  • 本社: 群馬県高崎市箕郷町柏木沢2023
  • 電話: 027・371・5811
  • 代表者: 渋谷直樹氏
  • 創立: 1969年
  • 従業員: 66人
  • 事業内容: プラスチック金型の設計製作、射出成形品の試作、量産など。

金型新聞 2025年3月10日

関連記事

ニチダイ 鍛造型の状態可視化するダイセットを開発

センシング機能でDX推進 冷間鍛造金型を手掛けるニチダイはダイセット内に荷重や変位、振動など各種センサを組み込み、金型の状態を可視化するセンシング機能を持った『インテリジェントダイセット』を開発。これにより、型寿命や製品…

平岡工業 精密部品加工・調達代行【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

調達の効率化サポート 自動車のウェザーストリップのゴム金型や切断折曲機などを手掛ける平岡工業のもう一つの事業が、精密部品加工・調達代行サービスだ。金型や切断折曲機で培った技術や協力企業とのネットワークを活かし様々なニーズ…

鈴木 グリーンボンドに投資 持続可能な社会に貢献

鈴木(長野県須坂市)はこのほど、長野県が発行するグリーンボンドに投資したと発表した。投資額は明らかにしていないが、社内での省エネへの取り組みだけでなく、投資を通じ環境負荷低減に貢献する。 グリーンボンドは地方自治体らが、…

テラスレーザー 3社合同ウェビナーを開催

金型メンテの連携事例 レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)は4月6日、洗浄機メーカーのソマックス(大阪市東成区)と、切削研磨用工具の卸販売を行うクレステック(東京都…

黒田製作所 工程管理支援システム『Grow』 工程を見える化・情報共有

全てが一品物の自動車用プラスチック金型は、工程管理の最難関と言われる。最新鋭のCAD/CAMシステム、多種多様な工作機械など豊富な設備に加え、それを操作する若き金型エンジニア、腕の立つ職人が不可欠で、さらなる生産性向上を…

トピックス

関連サイト