金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

16

新聞購読のお申込み

長瀬産業 金型冷却水管の洗浄液、メンテ効率良く短時間に

化学品や電子材料など国内有数の化学専門商社の長瀬産業(大阪市西区、06・6535・2410)はアルミダイカストやプラスチック金型などのメンテナンスに最適なシリカスケール除去液「N‐SR004B」(特許出願済み)を開発した。金型の冷却水管内に堆積したシリカスケール(水垢など)を簡単に除去し、メンテナンス作業の効率化を図ることができる。

ダイカストは高温で溶融したアルミを成形するため、冷却水管にシリカスケールが堆積しやすく、メンテナンスはドリルを使用して手作業での除去、または洗浄液を使って除去するのが一般的だが、「つらい作業や従来の洗浄液だと除去するのに1~2日かかっており、労力と時間に課題を抱えていた」と先進機能材料事業部の細田賢氏は語る。

そこでダイカスト金型などを手掛ける日本精機(愛知県)と「N‐SR004B」を共同で開発。『より安全な薬液』をテーマに、電子業界で培った微細洗浄のノウハウを活かし、金型にダメージを与えず、強力にシリカスケールを除去できる洗浄液を開発した。

主な特長は①消防法非危険物・非毒劇物②常温使用(25度)で高い洗浄性能③各種金属材料へのダメージ低減④重曹との混合で中和し、一般産業廃棄物で処理可⑤繰り返し使用可能(複数回)で、金型用高熱伝導率材(HTC材)やマルエージング鋼、SKD材で製作した冷却水管に対し、60~120分で洗浄が完了。洗浄後の冷却水管の寸法変形も0・1㎜以内と金型へのダメージも少なく、メンテナンス作業の自動化や効率化を実現。

また、同社検証(ダイカスト金型・鋳造後金型温度比較)では4万ショット後に洗浄すると固定型で初期(200度)と同等の220度、可動型も初期と同等の150度まで冷却性能の回復が見られ、成形時の生産性向上や金型寿命向上に寄与。

今後について「ダイカスト金型のメンテナンスは手作業や薬液の効果が薄いなどであきらめるケースが多いと聞く。製品の認知度を高め、現場の作業時間の短縮や生産性向上、金型寿命の向上に貢献したい」と細田氏。同社は除去液だけでなく、工作機械メーカーのソディックや日本精機と共同で洗浄装置も開発。今後は展示会やセミナー、HPで認知度の向上を図り、顧客課題に寄り添いながら提案を図る。同製品の問い合わせは06・6535・2410まで。

金型しんぶん2025年5月10日号 

関連記事

寺方工作所 独自の温間プレス生かし、デザートスプーン発売

精密プレス金型やプレス加工を手掛ける寺方工作所(鳥取県北栄町、0858・36・4311)は、口から抜けるときにスッと滑るような口当たりのデザートスプーン(ステンレス製)を発売した。 底の曲面が緩やかで、楕円の半球状のスプ…

ブラザー工業 バリ取り専用マシンを発売

ダイカスト市場へ参入 小型マシニングセンタで有名なブラザー工業は新たにダイカスト素材のバリ取りに特化した専用マシン「デバリングセンター SPEEDIO DG‐1」を発売し、11月14日から開催された「j‐dec2024(…

フジ 金属AMで純タン造形、造形部位に積層可能

金型の耐久性向上 鋳造金型メーカーのフジ(埼玉県川口市、 048・224・7161)はこのほど、金属積層造形(金属AM)で純タングステンの造形に成功した。金属粉末を溶融しながら積層するDED(ダイレクト・エナジー・デポジ…

コガネイモールド ミニチュア金型を製作

成形の動きを再現 プラスチック金型メーカーのコガネイモールド(長野県佐久市、0267・68・0505)は、4月17~19日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催された「インターモールド2024」に、「ミニチュア金型」…

つながる、運ぶ、測る
広がる金型づくりのスマート化

 新しい技術を活用して製造プロセスを効率化する、金型づくりのスマート化が広まっている。IoT(モノのインターネット)技術で機械の稼働状況を監視・分析したり、様々なサービスを提供したり、無人搬送車(AGV・AIV)でワーク…

トピックス

関連サイト