金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

01

新聞購読のお申込み

サンユー技研工業 ブロー金型メーカーを買収

内製能力向上でコスト削減

ダイカスト金型メーカーのサンユー技研工業(三重県津市、059・254・2200)は6月末、ブロー成形金型を手掛けるオーム技研工業(千葉県白井市、047・4914858)を買収した。買収額は非公開。金型や部品の内製能力を高め、コストダウンにつなげる。M&Aは3社目で、今後も事業の多角化を目的に積極的にM&Aを進める。

オーム技研はブロー成形用の金型を製造し、自動車部品メーカーなどを顧客に持つ。従業員は15人で、売上高は約2億円。マシニングセンタや横中ぐり盤など約15台の工作機械を所有する。自動車の電動化で燃料タンクなどの金型の仕事の減少を懸念しており、協業先を探していたという。

サンユー技研は型締め力3500tまでの大型ダイカスト金型を手掛ける。売上高は約20億円。外注先の確保に困っており、内製能力の向上によるコストダウンを模索していた。協業先を探すオーム技研と、内製能力を高めたいサンユー技研の狙いが合致した。

梅本大輔社長は「オーム技研が持つ機械の大半が償却済み。自社で複数の大型の加工機を投資するよりもコストを抑えることができる」という。

また、関東の製造拠点としても活用し、関東以北の顧客サービスの向上につなげる。

サンユー技研は23年に鋼材販売や部品加工を手掛ける坂忠鋼材商会(大阪府東大阪市)を買収。部品製作や防衛関連の事業を拡大させてきた。昨年11月には東京ベル製作所(東京都荒川区)を買収し、自転車のベルや熊よけの鈴などコンシューマー向けのビジネスにも参入している。今回の買収により、グループ全体の売上高は26億円になる。

梅本社長は「国内だけでは、ダイカスト金型の売上を伸ばすには限界がある。今後も製造業を中心に案件があれば積極的にM&Aを検討していきたい」とし、まずは30年に売上高35億円を目指す。

金型しんぶん2025年8月10日号

関連記事

稲垣金型製作所 佐藤ライトモールドに社名変更

プラスチック射出成形用金型メーカーの稲垣金型製作所(静岡市駿河区、054-281-3605)は8月1日、社名を「佐藤ライトモールド」に変更した。同社は2020年にプラスチック成形品などを手掛ける佐藤グループの東海電化工業…

三共精機 EQ教育を提案

挑戦する心を鍛える 行動変化を促す力へ 測定機や切削工具などを販売する機械工具商社の三共精機(京都市南区、075-681-5711)は教育ソリューション事業を立ち上げ、教育コンテンツ開発を手掛けるジャパンラーニング(東京…

TOWA 2020年4-12月期売上高10.2%増の207億円

TOWA 2020年4-12月期売上高10.2%増の207億円

5G向け半導体装置がけん引金型は11.8%増の62億7500万円 TOWAの2020年4-12月期の連結売上高は、前年同期比10.2%増の207億1500万円だった。次世代通信規格5G関連製品などの需要拡大に伴う半導体メ…

リョービ ギガキャスト試作始動

リョービは3月17日、菊川工場(静岡県菊川市)に導入した6500tのダイカストマシンを稼働させた。まずはギガキャスト向けの試作をメインに請け負い、砂鋳物から試作までを自動車メーカーらに提案する。金型工場も併設。当初は仕上…

冨士ダイス 車載や半導体関連が好調 22年3月期

売上18.7%増の168億円 冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の2022年3月期売上高は、18.4%増の168億7400万円だった。営業利益は11億1300万円。半導体関連の金型や、車載電池用金型、光…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト