出展各社の見所、小出会長(日本金型工業会)がレポート 新型コロナの感染が拡大し金型関連企業も県外への外出を自主規制する動きが広がる中、インターモールド2021では初の試みとして開催初日の4月14日、展示会場の様子を撮影…
ものづくりワールド東京2025 素形材企業の新事業、新技術、DX、微細技術
第37回ものづくりワールド東京(主催:RX Japan)が2025年7月9~11の3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された。10の専門展で構成される製造業見本市で、日本企業の他、中国、台湾、韓国、タイなどの海外企業も出展した。出展者数は1,975社、来場者数は5万5,749人と盛況だった。本レポートでは、機械要素技術展、ヘルスケア・医療機器開発展、ものづくりODM/EMS展などから、金型、プレス、射出成形などの素形材に関わる展示について報告する。

新規事業
「ファインブランキング」技術によるプレス加工を得意とするアキタファインブランキング(静岡県島田市、秋田隆弘社長)は、新規事業のモータコア事業を紹介した。今年4月に高速プレス加工機や複合加工機を導入した新工場を開設し、モータコア製造に取り組んでいる。自動車の電動化によりモータ需要が増加することを見越し、参入を決めた。特に燃料電池車(FCV)向けターボチャージャーに内蔵されるモータコアなどを狙う考え。

樹研(愛知県豊橋市、松浦直樹社長)は、PEEK樹脂で射出成形した医療機器を展示。体内に埋設される機器の金属から樹脂への置き換えを提案した。PPEK樹脂の成形には高温条件が求められるため、成形難度が高い。同社では独自機構を採用した金型や専用設備を開発し、難度の高いPEEK樹脂の成形を可能としている。同社は現在、医療機器の製造に特化した専門工場を構え、金型の製造から成形、梱包出荷までを一貫生産できる体制を整えている。

中央可鍛工業(名古屋市中川区、武山豊社長)は新規事業の取り組みとして、金属3Dプリンタを活用したワークを展示。「真空ポンプローター」は、内部をラティス構造にすることで応力を分散し、強度を保った状態で20%軽量化した。ニアネットシェイプで加工工程を低減した「吸着プレート」や、一体化により接合工数を削減した「熱交換器」なども紹介した。

南海モルディ(堺市堺区、福原千里社長)は、自社で製造したマツダ「ロードスター」専用のシフトノブを展示した。シフトノブの形状はスタンダードタイプとスポーツタイプの2種類を用意。色は硬質アルマイト処理した「銀」と黒色メッキ処理した「黒」から選べる。金型事業で培った切削加工技術などを活かし、製品化を実現した。
同製品は、BtoC向けに販売する。同社は一般企業の認知度向上や金型事業以外での収益化などを狙い、BtoC向け製品の販売を7月より開始した。

新技術・新製品
有川製作所(石川県金沢市、有川富貴社長)は、「両面バリなし加工」技術を活用したワークを展示。同技術により、順送プレス2工程で製品全周にバリを残さず加工できる。バリ取り作業やバレル処理が不要となるため、生産向上やコスト削減に貢献する。

関東製作所(東京都江東区、渡邉章社長)は今年4月に発売した成形不良のサンプルプレートを展示した。射出成形時に発生するヒケや反り、ウェルドなどの不良を1枚のプレートにまとめ、教材や設計資料としての活用を想定する。PPとABSの2種類のプレートと解説資料をセットで販売する。成形不良が分かるだけでなく、ボスやリブなどの構造物による影響や、材料による違いなども比較できる。

マルナカ(群馬県伊勢崎市、中島一夫社長)は、ホットスタンピング加工に代わる新工法を開発し、展示した。従来、超高張力鋼板(ハイテン材)はブランク加工した材料を900度に熱してプレス成形する。高強度の材料が加工できる反面、サイクルタイムが長く、加工数が少ないのが課題だった。同社が開発した新工法は、300~400MPa程度の材料を冷間プレス加工し、後工程で浸炭窒化処理することで引張強度を引き上げる。ホットスタンプに比べ、10倍以上のサイクルタイムを実現し、設備や加工にかかるコストも大幅に削減できる。研究では1,600MPaまでの加工に成功しているという。

DX
三行合成樹脂(新潟県見附市、宮島拓人社長)は、デジタル化を進めた射出成形の「スマート工場」を披露。
同社工場では、射出成形機のショット数などの稼働情報を自動取得し、構築した基幹システムへ転送される。これにより、工場内の設備稼働状況、不良発生状況をリアルタイムで監視できる。
生産の進捗と突発的なトラブルなどを監視することで、正確な進捗状況の把握、不良品の未然流出防止を実現する生産体制を確立した。会場では新潟県本社工場の状況をモニターで映し、遠隔での状況確認を実施した。

微細精密
hakkai(新潟県南魚沼市、関聡彦社長)は、微細加工技術コンテスト「Expert Bisai Creators Contest2023」で優勝したワークを展示。同社の微細加工技術の高さをPRした。ワークのテーマは「海底に眠る遺産」で、高いデザイン性と微細加工技術を活かした作品。R0.01のボールエンドミルを使用し、溝幅0.03mmのレンガ模様を再現するなど、細部に工夫を凝らした。

Y-MOLD(長野県松川町、村松善太郎社長)は、直(じか)彫りによるマイクロニードルの試作型を展示した。R0.03のボールエンドミルを使用し、ニードルの高さ0.85㎜、ニードル径φ0.3㎜、ピッチ0.8㎜で加工した。従来は試作型であっても電鋳で製造していたが、リードタイムがかかっていた。直彫りが可能になることで、リードタイムやコストの削減が図れる。同社ではマスター加工も手掛けているため、マイクロニードルの試作からマスター、量産支援までが一貫して提供できるようになる。

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