金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

20

新聞購読のお申込み

金型が国内回帰

高付加価値の型を求めて

 金型の国内回帰を実感している金型メーカーが増加している。日本金型工業会のアンケートによると、昨年10―12月期に「海外から戻ってきた金型を作った、もしくは作ったことがある」と回答した企業が、4―9月期に比べ10%以上増えていることが分かった。ただ、円安を契機に日本で作る選択肢が増えたが、あらゆる金型が回帰しているわけではない。国内に戻る場合でも大型化したり、複雑化したりするなど、これまで以上に付加価値の高い金型作りが重要になっている。

ハイサイクル、一体化など

  日本金型工業会アンケート  

 日本金型工業会は三か月ごとに景況アンケートを実施している。昨年4月―9月の調査によると「海外から戻ってきた金型を作った、もしくは作ったことがある」と回答した企業は179社のうち22・9%の41社だった。しかし、10―12月の同じ調査では、174社中62社の35・6%に増加している。国内回帰の実感する企業は間違いなく増えてきている。

 では、どんな金型が戻ってきているのか。日本工業大学院の横田悦二郎教授は「回帰する金型は複雑化している場合が多い」と指摘する。「軽量化やユニット化などユーザーも付加価値の高い金型を求めている」とみる。

 国内で金型調達を進める、ある電機メーカーもその見方に同意する。「我々もグローバルでコスト競争にさらされている。円安で国内調達する方向にあるが、トータルで安いなら海外に出さざるを得ない。国内ではハイサイクル、一体化など付加価値の高い型を調達することになる」。つまり、日本で作るなりの理由が必要と言うわけだ。

 金型メーカーもそれを十分に実感している。松野金型製作所の松野行秀社長は「回帰している金型は間違いなく難易度が増している」と話す。ホクト精工の竹森勝彦専務も「戻ってきているものと、そうでないものを理解すべき」という。

 一方で、アンケート調査でも6割近くが「海外からの回帰はない」としているように、実感がない会社も少なくない。あるプレス金型メーカーは「自動車業界は地産地消。大きな変化はない」とみる。外需開拓に注力するプレス型メーカーは「海外の仕事を取りに行っている」ため、「戻っている実感はない」とも話す。黒田製作所の黒田隆会長は「海外に出ていかなくなっただけではないか。国内の金型の需給バランスが取れ始めたことが主な要因」と言う。

 顧客層や自社の戦略によって回帰の見方は異なるし、円安によって日本で作る選択肢が増えただけなのかもしれない。しかし、間違いないのは日本で作る金型は難易度を増しているということ。だからこそ、「付加価値の高い金型作り」に挑戦することはますます重要になる。

金型新聞 平成28年(2016年)2月10日号

関連記事

新型コロナ<br>受注、生産への対策は

新型コロナ
受注、生産への対策は

 コロナウイルスによる影響が広がる中で、金型メーカーはどう考え、どのような対策をとっているのか。新規開拓、他分野に進出、資金確保、働き方の見直しなど様々な手を打ち始めている。受注、生産面でそれぞれの対策と、今回のコロナ禍…

日鍛工 22年受注予想・4.6%増3400億円

EV、デジタル投資が活発化 日本鍛圧機械工業会(北野司会長・アイダエンジニアリング常務)はこのほど、2022年の鍛圧機械受注額が前年比4.6%増の3400億円になる見通しを発表した。半導体などの部材不足や海運混乱などの懸…

11月の金型生産実績

11月の金型生産実績

前年同月比3.5%増の281億7,700万円 プレス型は4.2%減、プラ型は15.5%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成25年11月の金型生産実績をまとめた。それによ…

2024年6月金型生産実績 前年同月比 4.1%減の249億円

プレス用金型は1.6%増、プラ用金型は5.6%減 2024年6月の金型生産は、前年同月比4.1%減の249億550万円となった。前月比では2.1%増だった。数量は前年同月比20.0%の大幅減、前月比では2.8%減の3万2…

金型が足りない?

金型が足りない?

電機など国内回帰 需要増、生産能力オーバー  2015年の工業統計(品目編)によると、金型出荷額は前年比で3・5%伸び、リーマンショック後と比べても15%増加するなど回復を示している。だが、20年間でみるとピークだった9…

トピックス

関連サイト