金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

08

新聞購読のお申込み

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第三部ー

人材育成の要諦

デジタルとアナログを融合

金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第二部ー

最終回となる今回のテーマは「連携」と「人材育成」。戦略云々よりも、経営者同士の感性や考え方が合った連携のほうがうまくいくようだ。人材育成では、デジタル世代の活用はもとより、アナログ人材の活かし方が差別化になると指摘。最終的には、人材育成は「愛がすべて」との意見で一致した。

座談会出席者(50音順)

▪︎連携、M&Aの考え方

司会 みなさん上手に連携されています。上手く進めるコツは何でしょうか。

小泉 好きな者同士で組んでいるだけですよ。連携しないと駄目とかではなく、気が合う者同士がお互いに仕事を分け合ったら、うまくいったというだけ。良いパートナーを見つければうまく行くけど、そうでな
ければ決裂してしまうだけだと思います。

宮城島氏 相性の良し悪しが連携のコツ

司会 何かがしたくてパートナーを探すのか、この人と決めたパートナーと何ができるのかを探すのと、どちらのケースが多いのでしょうか。

小泉 中小企業って好きか嫌いかだと思います。オーナー同士で気が合って、目指す方向性が合えば組むだろうし、合わなければそれまでというだけですね。

宮城島 テーマがあって相手を見つけるか、知り合ってからテーマを見つけるかで言うと、後者のお互い気が合ってからの方が上手くいくことが多いと思います。

司会 連携に限らず、踏み込んだM&Aなども増えていくでしょうか。

平林 お互いの価値観が合えばM&Aもあるだろうし、合わずに一匹狼でやるというケースもあると思います。お互いの意識を共有してできるかどうかだと思いますね。

▪︎人づくりについて

千葉氏 アナログの人はそのままで

司会 アナログとデジタルの過渡期にあるというお話も出ましたが、結局は重要なのは人の育成だと思います。

千葉 最近アナログの人間をデジタルにしようとしたら、辞めてしまったんです。年齢もあるので、アナログの人はそのままでいいと思います。

小泉 アナログの人は必ず必要です。ただ、今そういう人が少ないから困っているわけです。「インダストリー4・0」や「IoT」など、工場のデジタル化が進んでいますが、材料を真四角に削ったり、まっすぐに穴を開けたり基本的な技術がしっかりしていないと安定したものづくりはできないですからね。

平林氏 ベテラン活かし人材教育

平林 当社の大きな課題は、若手中心の方針でやってきたことで、若手は伸びてきているのですが、一方で中堅が一歩下がろうとする雰囲気になってしまっていることです。もっと豊富な経験やノウハウを活かして活躍して欲しいのですが。

小泉氏 ベテランからもヒーローを

小泉 若手中心にやってしまうとどうして年長者に僻みが生まれてしまいますよね。年配の従業員からもヒーローを作れば、モチベーション維持につながるはずです。そうすればみんなが良い雰囲気で仕事ができると思います。若手も自分たちが年を重ねたときに同じ扱いになるんじゃないかと感じるようになりかねないですから。

平林 そういう反省点があって、年配社員が活躍できるような企画をやっています。

司会 企画とは?

平林 年配の人にアナログ的なことを若手社員に教えてもらうために講師になってもらって、人材育成を進めています。デジタルの人はCAEなどを使って結果を出そうとしますが、それが全てではない。全てコンピュータでできてしまったら、みんな同じことができてしまいますよね。アナログの人は、自分たちの手を使って何度も試作を繰り返してきてスキルや経験を積み重ねています。失敗をしてもそれをどんどん積み重ねた先に匠の世界がある。これはいつまでもデジタル化できないと思います。そういう面を会社で研究開発費用として負担して、チャレンジできるような環境を提供しています。

小泉 結局、最後は「愛」ですよ。社員に対して、ちゃんと人として扱うことができるかが大事です。

千葉 当社も会社のあいさつの「あい」の漢字を愛情の「愛」にしていますよ。やっぱりそこが一番大事です。

平林 当社も先代の頃から、「社員は家族」というのが基盤にありますが、そこは自分の代になっても変えてない部分です。会社の方向性やビジョンは変えましたが、社員が家族という言葉だけは曲げてない。会社の文化や風土として、そういうのがちゃんと感じられるようにやっています。

司会 人や金型づくりは「愛」や「情熱」が一番大切なんですね。本日は長い時間どうもありがとうございました。

金型新聞 平成28年(2016年)3月10日号

関連記事

オーテック AI活用し、製造現場を改革【特集:デジタル活用術】

自動車のエンジン部品や排気系部品などの製造を手掛けるオーテック。6~12ミリの厚板を切削レスで完成品に近い形へ仕上げる高い冷間鍛造技術を持ち、金型も内製化している。同社は2021年からデジタル技術の活用に注力。IoTセン…

トップ年頭語録

金型工業会 小出悟会長「デジタル化へ踏み出す」  新型コロナによって、世の中が一変している。ここで考え方をまとめ、当工業会としては何かしらの指針を出していきたい。今年は「デジタル庁」創設などデジタル化の動きが活発化する年…

日新精機が繁忙期対策のために進めることとは

協力企業との連携推進 時期によって業務の量に差が生じることは少なくない。特に金型業界では、製品のモデルチェンジや更新のタイミングなどに受注が集中するため、繁忙期と閑散期で現場の稼働状況は大きく異なる。繁忙期には残業や休日…

ユニオン精機 放電を切削に置換し加工時間10日→3日【特集:工法置換で生産性向上】

利益率改善、耐久性も向上 ダイカスト金型を手掛けるユニオン精機が、放電加工を切削加工に置き換えている。テーブルを傾けられる5軸の特長を活かし、深く複雑な形状を切削で加工する。電極製作や放電加工の時間を短縮し、利益改善や金…

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

経営支える中核人材を  金型メーカーを取材すると必ずと言っていいほど話題になるのが人材育成の苦労や確保の難しさ。少子高齢化に伴う人材不足に加え、金型づくりで求められる人材像が変わってきていることも大きな理由だ。そこで、今…

トピックス

関連サイト