金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事 「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…
がんばれ!日本の金型産業特集
イイダモールド 飯田 秀夫 社長
型設計から型メーカーへ転身
海外でも日本流を徹底
イイダモールドは今年6月、ベトナムのホーチミンで金型工場を本格稼働させた。元々金型設計事務所として創業した同社だが、ベトナム工場稼働によって、「金型メーカー」へと転身を果たす。
飯田秀夫社長は「ファブレス企業では、コスト、納期の面で融通が利かず、いずれ戦えなくなる」と競争力強化のために、かねてより金型の内製化を考えていた。とくに「金型を製造していく上で、コスト競争からは逃れられない」と、日本より生産コストが低い海外での製造の準備を進めていた。
その一つが海外人材の育成だ。2005年に日本で複数のベトナム人技術者を採用し、金型設計者の育成を開始。08年には育成した人材を中心にしてベトナムで設計事務所を開設した。
今回新設したベトナム工場は、マシニングセンタや放電加工機、研削盤など金型加工用の設備を導入。自動車や家電、生活雑貨などミクロンオーダーから外作管理することで1000tクラスの大型まで様々なプラスチック用金型を手掛ける。現在、受注した金型の約6割を国内メーカー、残りを中国などの海外メーカーに発注しているが、今後は、その内の海外分をベトナム工場に取り込む考えだ。
また、ベトナム工場では万全の品質管理体制を整える。監視システムを設備し、機械や工場の稼働状況をスマホで24時間いつでも確認できるようにしている。「『郷に入っては郷に従え』ではなく、日本流のやり方を徹底している」。海外でも日本品質の高水準な金型づくりを進める。
愛社精神持てる会社に
飯田社長は会社を設立する以前に、コネクタなど小型部品を得意とする成形メーカーの工機部門や、大型のゴム金型メーカーで勤務していた。そこで設計以外にも加工や成形など様々な工程を経験したため、小~大型の金型技術から成形技術まで幅広い知識やノウハウを持っている。
こうして飯田社長が積み重ねてきた経験は、金型技術の強化に活かされている。ベトナム工場では月に1回、社長自ら技術勉強会を開いて、現地スタッフの技術力の向上を図っている。
「人材は育てるしかない」と話す飯田社長が、最も大事にするのは、社員一人一人に愛社精神を持ってもらうことだ。そのためには、会社に魅力を持たせることと、社員とのコミュニケーションを密にして方向性を共有することが重要と考えている。毎朝の朝礼では、6つの社訓(=会社メモ参照)を唱和するほか、毎週1回、社長が最近の業界動向や、将来の展望など様々な話題を社員に話している。「単に能力が高い人よりも、この会社が好きという人の方が、苦しい時でも頑張れるし、会社が発展していくために欠かせない」。
「金型は絶対に無くならない」と、今後も金型業界での展開を進めることに変わりはない。ただ、その形は様々。これまでに500社近い企業と取引してきたネットワークを活かして、金型に特化させた受発注システムやマッチングサイトなども構想する。今後も顧客から信頼されるパートナーとしての発展を目指していく。
会社メモ
代表者=飯田 秀夫氏
創業=1995年
所在地=茨城県筑西市下野殿1028-2
資本金=1,000万円
TEL=0296-22-7256
FAX=0296-22-7419
URL=http://www.iidamold.com
従業員数=日本/ベトナム 合計40人
事業内容=金型設計・製作・加工・成形及びコンサルタント業務及び技術者派遣
社訓=▽仕事はカンニングが出来る…常に100点を目指せ▽出来ない理屈を言うな…出来る理由を先に考えろ▽目標を持って前進せよ…進むべき方向を見失うな▽今日の己に明日は勝て…明日は少しでも成長した自分であれ▽常識とはお客様が決めるもの…自分の計りで判断するな▽社会人として…企業と共に繁栄し幸福かつ豊かな社会を築く
主な設備=ベトナム工場:マシニングセンタ3台、放電加工機2台、ワイヤ放電加工機2台、研削盤2台、その他測定器具など多数。
金型新聞 平成28年(2016年)12月14日号
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