金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

20

新聞購読のお申込み

井高らギガキャストイベントを開催 欧州の最新事例学ぶ

自動車メーカーら120人が参加

機械商社の井高(愛知県名古屋市)とコンサル企業のHakataInternational(神奈川県茅ケ崎市)は11月14日、愛知県名古屋市で、一体で大型部品を鋳造する「ギガキャスト」のイベントを開催した。自動車メーカーや部品メーカーら約120人が参加した。

同イベントは7月に続き2度目。今回はドイツの金型メーカーら4社がメインスピーカーとして講演。ゲストスピーカーとして、吉利汽車も自社のギガキャストの取り組みを紹介した。

吉利汽車が7200tのギガプレスで製造したリア部品

講演したシェフラー社を中核とするSFツーリンググループ(独)は、ギガキャストの金型を約20型製造したノウハウを持つ。最大では型重量で300tの金型製造の能力もある。講演では「現状では(ギガキャスト)のサイクルタイムは約100秒程度」と紹介。課題は「冷却効果の高い水管をどう配置するか」や、「(冷却回路で)型が大きくならないために、冷却の回路をどう減らすか」が課題だと述べた。また、水管内部の錆など防ぐために、冷却水の工夫についても解説した。

今後の動向について「現状、ギガキャストでリアとフロント部を製造しているが、自動車メーカーからアンダーボディを鋳造したいという要望もある」とし、「大型化に対応していく」とした。

イベントには120人以上が参加

次いで講演したブーマー社(独)は離型材の塗布や自動化に関するメーカー。シミュレーション技術を活用して、「金型のどこの部分に離型剤を噴霧すべきか」、「そのためにノズルの位置」などについて解説した。ロボットを活用して、大量の部位に離型剤を塗布できる2m角の「メガボックス」というスプレーシステムや、リアやフロント部位向けの離型剤の塗布の実績なども紹介した。鋳造後の製品を測定して、治具による補正作業も発表した。

ABK社(独)はギガキャスト向けのトリミングプレスやツールを提供するメーカー。すでにグローバルで7台の納品実績を持ち、近く日本国内にも納品するという。トリミングプレス型を製造するAulback社からは、ギガキャストに関するトリミング型の技術などを発表。一発でトリミングして、バリ取りまで行う技術を紹介した。

その後はゲストスピーカーとして、吉利汽車が講演。自社のギガキャストの取り組みを発表するとともに、7200tのダイカストマシンで58㎏まで軽量化に成功したリア部品(写真)の製造プロセスを紹介した。

ワークを見たダイカスターの技術者は「ギガキャストによるワークを継続的に調査しているが、以前に比べ湯流れが改善している」と話していた。井高の石川博常務取締役は「今後も定期的にギガキャストのイベントを開きたい」と継続した取り組みにしていくという。

金型新聞WEB限定

関連記事

インターモールド2024総集編 -金属加工プレス技術展-

高度なプレス加工技術を披露する金属プレス加工技術展。有力プレス加工メーカー45社が出展し、「微細・精密」や「複雑形状」、「効率化」など独自技術を披露した。 独自の微細技術で差別化 微細で小さなプレス部品を得意とするキョー…

2月24〜26日 東京ビッグサイトに315社が最新技術
2021東京 国際包装展

来場事前ウェブ登録開始  2021東京国際包装展(主催:日本包装技術協会、矢嶋進会長、03-3543-1189)は、2月24日㈬~26日㈮の3日間、東京ビッグサイト西館1~4、南1~2ホールで、315社・1525小間(1…

インターモールドオンライン特別企画

9月14日から仕上げ加工技術 10月以降も専門フェア インターモールド振興会は、オンライン特別企画として、テーマを絞った専門性の高いフェアを開催している。9月14日から17日までは、第4弾となる「仕上げ加工技術」をテーマ…

MF‐TOKYO2021Online 11月29日~12月3日に開催

次代の鍛圧塑性加工技術 プレス機械や板金機械などが一堂に会する鍛圧塑性加工技術の専門見本市「MF‐TOKYO2021 プレス・板金・フォーミング展 Online」が11月29日㈪10時から12月3日㈮18時まで、オンライ…

インターモールド 大阪展に先駆けオンライン展を開催

特設サイトで3月15日から インターモールド振興会(大阪市中央区、06-6944-9911)は、4月20日に開幕する金型加工技術展「インターモールド2022」(インテックス大阪)に先駆けて、2つのオンライン展を3月15日…

トピックス

関連サイト