金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

12

新聞購読のお申込み

IoT金型でサブスク型ビジネスモデルを構築 IBUKI【特集:利益を生むDX】

DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。

IoT×特許で価値創造

開発したIoT金型

繁閑の波が激しい中で、いかに売上を安定させるか、金型メーカーにとって大きな課題だ。加飾技術に強みを持つIBUKIはセンサを内蔵したIoT金型を活用し、成形数に応じて利益をもらうサブスクリプション(定額課金型)や、特許による知財戦略で収益の安定化を図っている。

同社では7年前から、金型内にセンサを取り付け、不良現象の数値化や不良時に警告を出すIoT金型を手掛けていた。サブスクを考えたのは「加飾技術を使いたい」という中国企業からの要望がきっかけ。「タッグを組むなら金型販売にとどまらず、技術や指導料も含んだ形にできないか」(中東秀喜社長)とサブスクを検討した。

特許とIoTで攻守揃ったビジネスモデルを目指す

加飾技術を盛り込んだIoT金型の販売費に加え「IoT金型で成形数を数え、その製品1個当たりの利益に対して一定割合の金額を頂く」(中東社長)2段階で収益に貢献する形にした。

ただ、両社でこのビジネスモデルは合意しているものの、完成に至っていない。「中国では無形のサブスクに対して会計や税務の解釈が難しい」からだ。中東社長は「中国でやり方を再考する一方、(サブスクで利益還元しやすい)欧米でも検討したい」という。

一方、国内でもIoT金型は浸透し始めている。金型費は1・2倍~1・5倍になるそうだが、「金型内の見える化によって、不良要因の早期特定や不良率の低減に繋がったなどの評価を頂いている」。売上全体の1割程度をIoT金型にしたいという。

IoTで収益化を模索する、もう一つが特許による知財戦略だ。これまで「技術流出は止められないため、特許を積極的に取得していなかった」という。しかし、「特許とIoTを活用すれば、守りや攻めにも生かせるのではないか」と考え、特許取得を進めている。

想定するのが次のような形だ。例えば、サブスク契約したIoT金型で成形を管理できれば金型技術を悪用されにくい。また「特許を取得していれば、特許料やIoT使用料など別の形でお金を頂戴することも可能ではないか」という。こちらのビジネスはまだ検討段階だが、「IoT×特許」で新たな収益モデル構築を目指す考えだ。

会社概要

  • 本社: 山形県西村山郡河北町谷地字真木160-2
  • 代表者:中東秀喜社長
  • 設立: 1956年
  • 従業員: 61人
  • 事業内容:射出成形用の金型の設計・製造、各種プラスチックの成形品の試作及び量産。

金型新聞2023年2月10日

関連記事

笹山勝社長に聞く SAIMS247が目指すこと【ササヤマ challenge!Next50】

新中期経営計画「SAIMS247」。その狙い、そして目的は。笹山勝社長に聞いた。 「短納期」を強みに、海外での競争に打ち勝つ SAIMS247の3カ年の目標は金型の製作期間半減。その真の狙いは金型の競争力の再強化です。当…

明石プラスチック工業が兵庫県・フレッシュミモザ企業に認定

プラスチック金型及び成形を行う明石プラスチック工業(兵庫県明石市、078・936・1601)は『女性活躍』をテーマに女性の採用を強化。産休・育休制度に加え、キャリアアップ制度など女性が安心して長く働ける環境を整えたことで…

東亜成型 『金型何でも屋』 のサービス開始

新規事業・アイデアなどサポート 自動車シートのウレタン発泡型やアルミ鋳造を手掛ける東亜成型(大阪市西淀川区、06・6474・5688)はこのほど、日本一相談しやすい金型屋を目指し、新規事業や新規製品の開発に取り組む企業の…

日本流のギガ確立へ【特集:ギガキャストの現在地】

自動車の構造部品を大型のダイカストマシンで一体鋳造する「ギガキャスト」。部品点数の減少など、金型づくりに大きく影響する可能性があることから注目を集めている。すでにトヨタ自動車を始め、複数の自動車や部品メーカーらが参入を表…

三共精機 EQ教育を提案

挑戦する心を鍛える 行動変化を促す力へ 測定機や切削工具などを販売する機械工具商社の三共精機(京都市南区、075-681-5711)は教育ソリューション事業を立ち上げ、教育コンテンツ開発を手掛けるジャパンラーニング(東京…

トピックス

関連サイト