金型作製プロセスでは原型に熱が影響することから、原型としての材料選択肢は少ない。産業技術総合研究所では構造を高精度に保存可能な金属薄膜を40度で成膜することができる低温成膜技術を開発した。この技術で3万個以上の小さな眼で…
ナガセインテグレックス 超精密加工を自動で、軽く強い機械だから可能に【特集:金型づくりを自動化する】
スマートシステム
ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズのような運動特性や繰り返し再現性、S/N比が高い超精密研削盤だからこそ実現できる。

まず「スマートサーフアップ」。真直・平面・テーパ・凹凸などの任意形状を、自在に創成することができる。
「スマートアングルアップ」は、専用治具を用いることなく3面の直角面加工が可能。機上計測の結果に基づき、直角加工を完成させる。
そして「スマートアンジュレーションアップ」。これも専用治具を用いることなく、ワークの歪み取り加工ができる。脱磁状態と励磁状態でワークを機上計測し、その差分を逆補正して研削加工すれば歪み取りが完成する。
「スマートエフィシェンシー」は、形状測定し、取り代の少ない箇所は送りを速く、取り代が大きい所は送り速度を抑えて加工することで省人化と高能率加工を可能にする。
さらに、「旋回砥石軸」は、大型ワークの端面や傾斜部の加工を段取り替えせずに加工できる。

これらを組み合わせることで、さらなる自動化も可能になる。例えば、ワーク面を機上計測し、砥石をドレスし、非接触センサで砥石径を測定。切込み量を導き出して自動で切り込めば、自動鏡面研削が可能になる。
新藤良太常務は「繰り返し再現性が高く、振動や温度など外的影響を受けにくい当社のマシンだからこそ可能な超高精度化・鏡面加工であり、省人化であり、高能率化だ。現在も、驚くような加工ができて、お客様のお困りごとを解決する新機能を開発中なので楽しみにして頂きたい」と自信を見せた。
「IGTARP DESIGN」は、革新的な発想で解析技術を駆使し、究極のコンパクト・軽量と、高い静剛性・動剛性を実現し、いわゆる軽くて強い研削盤を生み出した。機種によって違いはあるが、SGDでは、設置面積は、従来機比50%、機械本体の静剛性・動剛性は2倍、各軸の移動速度も1.2~4倍にアップした。
金型しんぶん 2025年6月10日号
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