金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

18

新聞購読のお申込み

笹山勝社長に聞く SAIMS247が目指すこと【ササヤマ challenge!Next50】

新中期経営計画「SAIMS247」。その狙い、そして目的は。笹山勝社長に聞いた。

「短納期」を強みに、海外での競争に打ち勝つ

ササヤマ社長 笹山勝(ささやま・まさる)氏
1968年生まれ、鳥取県出身。92年石川島システムテクノロジー(現IHIエスキューブ)に入社し物流システムのソフトウェア開発に携わる。97年ササヤマ入社。2002年開発課課長、06年取締役営業部長、07年専務取締役、11年代表取締役。

SAIMS247の3カ年の目標は金型の製作期間半減。その真の狙いは金型の競争力の再強化です。当社が得意とするのは塑性変形の予測が難しいウルトラハイテン材用のプレス金型。経験とノウハウが必要で今なお世界をリードしている。工期を半分にしてそのリードをさらに広げようと考えています。

その目的は海外での競争に打ち勝つためです。経験やノウハウが要るとはいえ韓国や中国、東南アジアの金型メーカーも力をつけている。豊富な資金力や最新技術により短期間でその差を縮められることもあり得る。そうなる前に「短納期」という強みを生かし数歩前を走ろうと思っています。

背景にあるのは自動車業界の大きな変化です。脱炭素化の動きが世界で広がりEV化が加速。自動車や部品メーカーを取り巻く世界地図がどんどん変わっている。そうした中でこれまでと同じことを続けていては競争から振り落とされるかもしれない。新しいチャレンジが必要です。

当社は創業期に生活家電、そして電子レンジ、テレビ、自動車部品と約10年のスパンで手掛ける金型を変化してきました。まさに時代のニーズの変化とともに。自らを変えるのはリスクが伴い、エネルギーや勇気が要ります。しかしこれまでの変化が無ければ当社の今もありませんでした。

そして今、まさにその10年の節目を迎えていると感じています。次に取り組むテーマは海外市場での海外金型メーカーとの競争。それに勝てる力をSAIMS247で身につけて自動車業界の変化のうねりの中で打ち勝っていきたい。

当社は前期で設立50年を迎えました。しかし現状に甘んじ変化への挑戦をやめたら次の50年も存続しているか分からない。会社と社員の未来を切り開くため、次の50年に向けてチャレンジしていきます。

ササヤマ50年の軌跡
売上高・従業員数の推移

会社概要

  • 創業:1969年(設立:1972年)
  • 代表者:笹山勝社長
  • 従業員数:67人
  • 本社:鳥取市河原町布袋530-1
  • 電話:0858-85-3380
  • Sasayama USA Corp.:米国テネシー州マーフリーズボロ市
  • 事業内容:自動車のシートやドア、ボディ骨格、足回り部品などの精密プレス金型設計製作
  • 得意な金型:大型順送金型、トランスファー金型
  • 売上高:11億2200万円(2022年7月期)

金型新聞 2023年4月10日

関連記事

デジタル技術を活用し工法の最適化、人材育成、新製品開発に挑む熱間鍛造金型メーカー【金型の底力】

伊藤製作所(愛知県弥富市)は熱間鍛造金型やダイセットを主力とし、クランクシャフトなどの自動車向けや建機・重機、免振装置、航空機といった幅広い市場で活躍する。特に大型の金型やダイセットが得意で、ダイセットは500~6300…

EV化が進む中、金型メーカーはどう動くか?【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化はダイカスト業界に大きな変化をもたらし始めている。バッテリーEVが増えるとエンジン関連の金型の減少は必至だ。一方で、バッテリーケースのアルミ化や、シャシーなどを一体造形する「メガキャスト」などで金型の大型化…

直彫加工のニーズに応え、横型の微細加工機を開発 塚田良彦氏(東洋機械製作所 取締役Th事業部長)【この人に聞く】

長年、工作機械や放電加工機メーカーのOEMやODMを手掛けてきた東洋機械製作所。鋳造から機械設計、製作、塗装、組立までを手掛ける能力の高さから多く機械メーカーの製品の設計や製造を請け負ってきた。そんな同社が35年ぶりに自…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –アジア–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

藤木孝弘専務に聞く 新中期計画のもう一つの目的 【ササヤマ challenge!Next50

「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…

トピックス

関連サイト