金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

24

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
タムラエジア 田村 知之 社長

ニーズに応える策 考え抜く
技術_R
技術力と設計開発力で提案

医療や電設用のチューブやフィルムなどのプラスチック押出金型を手掛けるタムラエジアは、高い加工技術力で顧客の信頼を得てきた会社だ。部品加工屋として創業後、ある押出機メーカーの仕事を受注してから徐々に金型加工も引き受けるようになり、15年前に押出金型に特化した。

とくに「磨き」の技術に強みをもつ。押出では、樹脂が均等に流れることが高品質な製品に繋がるため、金型の表面には高い面品位が求められる。同社では、磨き工程専用の部屋を設け、機械では追い込めない下磨きから鏡面仕上げまで幾重にも渡る工程を手作業で仕上げている。

また、もともとの部品加工屋としてのノウハウを活かして、ハステロイやインコネルなどの難削材加工ができる技術力も強みのひとつだ。

こうした高い加工技術力をもつ一方で、田村社長は「これからの時代、切粉を出しているだけでは成長できない」と危機を抱き、設計に力を入れつつある。上流工程である設計から手掛けることで、品質やコスト、スピードなどでより付加価値の高い金型を提供していく考えだ。

そのために、すべての従業員にCAD/CAMを持たせたり、三次元測定器を設備して生産管理の徹底化を図るなど、設計から組立まで一貫生産できる体制を整える。

「何を求めているか、どういうものを作れば良いかを常に考えることが大切」と話す田村社長。高い技術力と設計開発力で提案型企業を目指し、さらなるユーザーの信頼を勝ち取っていく。

人_R
エンジニアへの道は隗から

付加価値の高い金型づくりをしていくために、人材は特に重要だ。人材不足が叫ばれて久しい金型業界だが、田村社長は「人が来てくれたからありがたいではなく、しっかり選ばないといけない」と採用から力を入れる。

とくに重視するのは「コミュニケーション能力」だ。提案型企業を目指す同社にとって、ただ依頼された仕事だけをこなすのではなく、顧客とコミュニケーションを取り、最適なものを作ることが不可欠だからだ。

こうした考えは、社名にも込められている。海外で「エンジニア」といえば、プロフェッショナルな技術者の称号として位置付けられている。同社でも高い技術力はもちろん、提案力や交渉力などの高い対応力も身に付けた「エンジニア」として、従来の職人像を超えた人材の育成に取り組む。

そうした目標を持つ田村社長が、社員を指導するうえで大事にしているのは、「基本的なこと以外は教えない」ことだ。「全てを教えてしまうと言われたことだけのなりがち。たとえ遠回りになったとしても、途中の風景を見ることが確実に将来の成長に繋がる」と話す。

また、社員のレベルアップを図るために、勉強会などを積極的に行い、幅広い知識を付けさせている。たとえば、製品や素材メーカーなどを招いた講演会を開き、金型づくりのヒントとなるものを学ぶ機会を設けている。社員一人一人の成長が、会社としての成長に繋がり、金型メーカーとして発展し続けることを目指す。


会社メモ
田村知之社長_R

代表者=代表取締役 田村 知之氏
創立=1967年2月
所在地=東京都大田区東糀谷6-4-17 OTAテクノCORE101
資本金=500万円
TEL=03・5735・3501
FAX=03・5735・3502
URL=http://www.tamuraejer.com
従業員数=7人
事業内容=押出金型・異形金型・その他精密金型の設計開発、金属・非鉄金属の切削加工など
主な設備=マシニングセンタ(大阪機工など)3台、研削盤(岡本工作機械)2台、NCフライス(オークマ)1台、旋盤2台、三次元測定器(ファロー)1台など。

金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

エムエス製作所と山一ハガネ コロナ感染防ぐラップを共同開発

エムエス製作所(名古屋市、迫田邦裕社長)と山一ハガネ(名古屋市緑区、寺西基治社長)は共同でパソコンのキーボードにラップをかけコロナウイルスの感染を防ぐ「TOUCH WRAP(タッチラップ)」を開発した。 市販のラップの未…

黒田精工 モータコア金型を強化 合弁会社設立、工場増設

黒田精工(川崎市幸区、044-555-3800)がモータコア用金型などを手掛ける金型事業の強化に乗り出した。10月に伊藤忠丸紅鉄鋼グループと合弁でモータコア製造会社を設立すると発表。設立時期は2023年1月を予定。また、…

金型にも「情報管理」の波

金型にも「情報管理」の波

「技術等情報の管理認証制度」設立  IoT化やグローバル化などによって、情報流出のリスクが高まる昨今、製造業には技術などの情報の適切な管理が求められている。金型業界も例外ではなく、「顧客情報がしっかり管理、保護できている…

スワニー 耐久性高い金型、協業で製造【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

5万個の部品生産可能に 製品設計会社のスワニーは、樹脂型を3Dプリンターで製造し、量産材料で射出成形が可能な「デジタルモールド」を手掛ける。同社はこれに加え、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を岡谷…

11月の金型生産実績

11月の金型生産実績

前年同月比 5.1%増の347億7,100万円 プレス型は3.3%増、プラ型は8.9%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年10月の金型生産実績をまとめた。それによ…

トピックス

関連サイト