金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

21

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
ドリームメイキングカンパニー 平子 頼道 社長

PDCAを徹底した型作り
★011_R
プロセスシートでノウハウ蓄積

部品点数や工程数の多さを考えると、金型は擦りあわせ作業の極みだ。徹底したPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルで、この擦りあわせを円滑に行い、最高の型づくりに挑戦しているのが、ドリームメイキングカンパニーだ。ダイセットで300㎜角の精密プラスチック金型を得意とし、車載部品や電子部品などが主力。「寸法精度は5μm以下」(平子社長)と精度に強みを持つ。
そんな同社の型づくりの根幹にあるのが、徹底したマネジメントから生み出される「プロセスシート」だ。そこには様々な情報が記されており、誰が何をいつすべきかが一目瞭然になっている。その情報量は「現場では図面を出す必要がない」ほど。また特長的なのが、加工ノウハウを分析し、かなり精度の高い加工推定時間が記されていること。しかも推論で終わらせず、加工後は実績値も記入する。その差が大きければ、徹底して理由を追究し、その改善が次回の加工に活かされる。そしてこのシートはノウハウとして蓄積されていく。
PDCAを重視する理由の一つは「スピードが不可欠」だからだ。平子社長は「高品質は当然。差別化要素はスピードしかない」という。そうした思想はあらゆる部分にも表れている。例えば治工具。ATC24本付いているマシニングセンタでも、24本丸々必要な加工などそうはない。このため、効率的な治具の外段取り化で、テーブルに複数の異なるワークを乗せて、24本をフル回転させている。プロセスシートを基に、こうした徹底した効率化を進めている。

★013_R
やり方ではなく考え方を教える

平子社長は「最高の機械と工具があれば大半の加工ができる」と話す。一方で、それを実現させるために人が不可欠とも。「機械を使いこなし、最高の加工やパフォーマンスを引き出すには人の判断が必要だから」だ。このため、人材の育成には、人一倍力を注いでいる。
その一つが「考え方の共有」だ。「やり方だけをいくら教えても根が間違っていれば同じ間違いや失敗をおこす」。同社の場合、根底にあるのはお客様の満足度を上げること。全ての行動や方法はそこに行き着くように指導している。
そうしたベクトル合わせや信頼関係があって、教育の仕組みも活きる。その一つが毎月ある課題だ。例えば、設計グループの9月の課題は「ワイヤCAMのマニュアル作成」。いつまでに誰が何を行うかが明確になっており、ここでもPDCAサイクルを回し、技術レベルの引き上げを図っている。
また前述のプロセスシートは人材育成にも活用されている。推定加工時間の裏付けとなるデータなど加工ノウハウが詰まっており、誰でもそれを使い、学ぶことができる。だから「短時間で熟練工のレベルに引き上げることができる」という。
24年前、平子社長は「自分なりのものづくりを求めたい」という夢があって会社を興した。その際に「誰にでも夢がある。みんなの夢を実現できる会社にしたかった」との願いを込めて、社名をドリームメイキングカンパニーとした。今後もその想いは不変で、徹底したPDCAサイクルを武器に、夢のあるものづくりを続けていく。


会社メモ
★平子社長_R

代表者=平子頼道社長
資本金=3800万円
売上高=約1億5,000万円
創業=1992 年
従業員数=20人
本社=福島県いわき市常磐西郷町銭田109-8
電話0246・38・7671
Fax 0246・38・7672
E-mail dmc@bz03.plala.or.jp
主な業務内容=精密プラスチック金型設計製作、各種治具製作など。
設備機械=マシニングセンタ「HS430L」(ソディック)など2台。型彫放電加工機「AP3L」(ソディック)など4台。ワイヤ放電加工機「AG400L」など3台。研削盤「TECHSTAR」(アマダマシンツール)、「PSG-63DX」(岡本工作機械製作所)など6台、CAD/CAM「SolidWorks」(ソリッドワークス社)、「DiproSOLID-Wire」(ソディック)など10台。
経営方針「成長の差は内部固め、企業の差は経営者格差、人物の差は苦労の差、実績の差は責任感、実力の差は努力」


金型新聞 平成27年(2015年)10月20日号

関連記事

JIMTOF2014 常識覆す新技術

JIMTOF2014 常識覆す新技術

機械の知能化が進化 工具は難削性能向上、ソフトは多軸に対応  工作機械や工具など生産財の進歩は金型づくりの進化を支えてきた。だからこそ、最新の機械や工具を使いこなすことが競争力の源泉になる。JIMTOFでは各メーカーが最…

本紙アンケート×統計データで読み解く金型の現況<br>金型メーカー業績回復

本紙アンケート×統計データで読み解く金型の現況
金型メーカー業績回復

需要戻り、社数減少  金型業界に激震が走ったリーマン・ショック(2008年)から約8年半経ち、金型メーカーの業績が回復している。自動車や半導体向けの需要が回復した一方で社数が減り、勝ち残った会社に仕事が集まっている。ただ…

精工技研 「型内塗装技術」を実用化、トヨタ「ハイエース」に採用

CO²排出量を60%削減 精工技研(千葉県松戸市、047-311-5111)は、東海理化(愛知県大口町)と共同開発した型内塗装技術がトヨタ自動車の「ハイエース」に採用されたと発表した。従来別々だった成形、塗装、乾燥の各工…

オートフォームジャパン 解析パッケージを発売

大幅なコスト削減を実現  オートフォームジャパン(東京都港区、03-6459-0881)はこのほど、ホワイトボディ(塗装前の車体)の組み立てやプレス成形などの工程に適したシミュレーションソフトウェアパッケージを日本で先行…

オープン・マインド・テクノロジーズ・ジャパン 切削パスを積層用に自動変換【特集:金型づくりのAM活用最前線】

hyperMILL AM 金型の肉盛溶接や異種材料の結合(バイメタル)などで活用され始めているDED(ダイレクト・エナジー・でポジション)方式のAM装置。同方式で課題の一つとなるのが積層用のパスの作成。切削とは異なる動き…

トピックス

関連サイト