機械や工具の最新情報など金型業界の今をお届けする「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

05

新聞購読のお申込み

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外の金型市場に活路
capable 河原社長1_R
半導体金型でファブレス、設計・営業に特化

 海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河原洋逸社長)だ。自社で金型設計と営業を行い、製造は日本の金型メーカーに委託。高い技術を持ちながら、海外展開の苦手な金型メーカーの代わりに営業し、金型市場の拡大をめざす。

 2012年、大手商社出身で、半導体封止装置メーカーで社長も務めた河原氏が創業した。金型メーカーとの付き合いも深く「町工場ではなく“待ち”工場の体質がある」と手厳しい反面、「技術は優秀なのに、危機にある。自分にできることはないか」と、会社を興した。
市場を求めたのは関わりの深い半導体封止装置用の金型だ。同金型は装置メーカーが内製し、装置とともにユーザーに納めるのが主流。しかし、最近は装置メーカーの金型だけでは足りず、ユーザーも金型だけを購入することも増えている。
 ただ、ユーザーは台湾や韓国などに多く、地の利からアジアで格安な金型を購入するケースが大半。このため「海外に仕事はあるが日本に回ってきていない」。一方で「安い金型の品質に不満を持っている」という。
そこに市場を求めた。「営業も設計も人材は揃っている。出来ないのは金型づくりだけで、日本の金型メーカーに仕事を委託すればビジネスは成り立つ」と判断した。

金型メーカーと協力し競争力

 創業2年で、協力先も10数社に増えたが「今期には倍増させる」考え。しかし、拙速には運ぶつもりはない。最も高品位な金型は「形状精度で2μ以内」で、どこでもできるわけではないからだ。しかも、決して「委託する金型は高くはない」と言い切る。理由は既に安い市場価格が存在しており、勝負するにはコストも重要な要素だからだ。
 委託先にも「当社への依存は抑えて欲しい。遊休設備を使わせる感覚で協力して欲しい」と正直に話している。
 今後について「今は封止装置用金型がメーンだが、他の金型分野にも広げ、日本の金型メーカーと連携し、一緒に市場を開拓していきたい」と、長期的には封止金型以外の市場拡大という大きな絵も描いている。

CAPABLE
 ▽京都市南区上鳥羽苗代町16―1、075・654・8405▽代表取締役・河原洋逸氏▽社員数23人▽半導体・LED・電子部品製造用金型の設計、製造、販売。

金型新聞 平成26年(2014年)10月20日号

関連記事

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

【この人に聞く】双葉電子工業精機事業センター長・ 河野透氏「ソフト・サービス分野へ拡大」

 双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)は昨年、2023年度(24年3月期)までの中期経営計画「Futaba Innovation Plan(フタバ・イノーベーション・プラン)2023」を策定した。金型用…

トップインタビュー 立松モールド工業 立松  宏樹社長<br>全ては人材育成のため

トップインタビュー 立松モールド工業 立松 宏樹社長
全ては人材育成のため

冶具、成形、部品… ポートフォリオ構築  今年6月に創業60周年を迎えた大型プラスチック金型を手掛ける立松モールド工業。60年を機に、事業部制を採用し、成形の強化、冶具や部品の販売など金型をコアに事業ポートフォリオを構築…

黒田彰一氏(黒田精工元社長) 死去

日本金型工業会の会長など歴任  日本金型工業会や国際金型協会(ISTMA)、アジア金型工業会協議会(FADMA)の会長などを務め、日本のみならず世界の金型産業の発展に貢献し続けた黒田彰一氏(黒田精工最高顧問)が9月30日…

【ひと】明工精機代表取締役・北原収さん リーマン後に加工メーカーを立ち上げた

リーマン後に加工メーカーを立ち上げた  「日本一の賃加工屋を目指す」。リーマンショック後の2009年、世界的な不況の真っただ中に部品加工メーカーから独立。ダイセットやモールドベースなどを手掛ける明工精機を設立した。金融機…

トピックス

関連サイト