業界の将来を考える新潟でシンポジウム 日本金型工業会(小出悟会長・小出製作所社長)は9月26・27日の2日間、燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市)で「第5回金型シンポジウムin新潟」を開いた。基調講演やパネルディ…
メキシコに金型長屋<池上金型工業>
プラスチック金型メーカーの池上金型工業(埼玉県加須市、0480・44・8686、池上正信社長)はメキシコでの事業を強化している。昨年末、現地法人の池上メキシコが自動車メーカーの拠点が多いバヒオ地区に金型の補修を中心とする工場を稼働させた。また、プレス型メーカーやシボ加工メーカーとも提携し、補修できる金型の種類を増やしている。池上メキシコでは将来、補修だけでなく金型メーカーらが集積し、最高品質の金型を提供できる「金型長屋」にしたい考えだ。
バヒオ地区はメキシコ中南部に位置し、マツダやホンダ、フォルクスワーゲンなど自動車メーカーや一次部品メーカーの新工場が相次いで稼働しており、金型の需要が増える可能性が高い。ただ「現地で金型を作れるインフラがなく、まだユーザー側も金型を現地調達する環境にない」(池上社長)ため、まずは補修を中心に事業を強化した。
1500㎡の敷地を確保し、日本製のマシニングセンタなど約1億2000万円を投資。8人で始め、年内には13人に増員する計画だ。月30~50型程度の金型の補修や調達、組立などができる体制とする。金型の調達は池上金型の日本や中国、韓国、台湾の金型メーカーなどを活用する。
既にプレス金型メーカーの昭和精工(木田成人社長)とシボ加工メーカーの棚沢八光社(棚沢肇社長)とも提携し、補修できる範囲と金型の種類を増やした。棚沢八光社は敷地内の一部を間借りする形で進出し、シボの補修を行う。昭和精工は工場内の設備などを借りながら、自社製の金型の補修などを行う。
池上金型は1998年にイケガミモールドメキシコを設立。アメリカに近いティファナに工場を設け、月35型近くの金型補修などをできる能力を持つ。バヒオ工場と合わせ月65~85型の能力まで引き上げる考えだ。
池上メキシコの古賀良幸バヒオ工場長は「バヒオは金型製造のインフラが整うまで時間は掛かるが、自動車産業の集積地になる。今回はプレス金型とシボメーカーだけだが、池上メキシコを中心に、他種の金型メーカーや熱処理メーカーなどと協業し、将来的にはバヒオで最高品質の金型が製造できる『金型長屋』を作りたい」としている。
金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号
関連記事
金型づくりの世界では、自動化やAM、脱炭素向けなどの最新技術が数多く登場し続けている。その進化は止まることがなく、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022でも多数の最新技術が披露され、注目を集めた。今年最後となる本特集で…
縦横無尽シリーズ ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)はこのほど、5軸加工用工具のラインアップを拡充し「縦横無尽シリーズ」として発売した。 高精度刃先交換式バレル工具「ミラーバレル」や高精度ソリッ…
新分野の開拓に挑む金型メーカーを取材した。各社、これまで金型で培ってきた技術を生かし、既存の顧客分野から新しい分野に進出したり、自社で独自商品を開発し、製品メーカーに転身を図ろうとしたり、その挑戦は様々だった。 その中で…
自動車の電動化や軽量化ニーズの高まり、短納期化、熟練作業者の減少など、プレス加工を取り巻く環境は大きく変化している。プレス加工メーカーへの要求も高度化しており、これまで以上に技術革新を進め、変化するニーズに対応することが…