金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

01

新聞購読のお申込み

日本発条がササヤマと資本提携する理由【ササヤマ challenge!Next50】

自動車のシートなどを手掛ける日本発条は2015年、ササヤマと資本提携した。日本発条にとって技術連携のパートナーであるササヤマはどんな存在なのか。魅力、期待すること、今後取り組みたいことは。シート生産部の岡井広行氏と安田雅俊氏に聞いた。

シート生産本部管理部 岡井広行次長
シート生産本部生産技術部 安田雅俊主査

ハイテン材のプレス加工技術を蓄積し、フィードバック

岡井 提携のきっかけは当時計画していた海外戦略。世界の自動車工場にシートを供給するため米、中、インドなどに生産拠点を新設。そのため金型も調達する必要がありました。しかしそれまで調達していた韓国からだと輸送コストがかかってしまう。

安田 白羽の矢を立てたのがササヤマでした。ハイテン材用プレス金型を手掛け、シート部品の経験と実績、生産力を兼ね備える。世界戦略をともに歩むパートナーとして第三者割当増資でササヤマの株式(全株式の14・96%)を取得したのです。

岡井 世界戦略はその後、自動車業界の急変により縮小。資本提携は当初の目的と異なってしまいました。しかしその後も技術連携を続けることにより大きな成果が出ています。その一つがハイテン材のプレス加工技術の向上と蓄積です。

安田 ハイテン材は引張強度が高く、プレス加工した後スプリングバックが起こるため思い通りに加工するのが難しい。資本提携するまで当社は、検収を終えた金型を使い、問題があれば修理するだけで、不具合を根本的に解決する金型や塑性加工の知識が十分ではありませんでした。

しかし技術連携で当社の生産技術の若手技術者がササヤマの本社工場で金型のトライ工程などに立ち会ううちに少しずつ知識が身につきました。今ではその知識をフィードバックし生産活動の改善や製品設計の改良に活かしています。こうした活動で製作リードタイムを短縮し高騰を続ける型費のコスト抑制にも共に取り組んでいきたいと考えています。

自動車は燃費性能を高めるためこれからも部品の軽量化は進むでしょう。その中でシートは軽く、薄く、そして強度の高い材料の加工が求められる。そうした技術課題にチャレンジするうえでササヤマは唯一無二のパートナーです。

金型新聞 2023年4月10日

関連記事

金型ニューフロンティア 記者の目

新分野の開拓に挑む金型メーカーを取材した。各社、これまで金型で培ってきた技術を生かし、既存の顧客分野から新しい分野に進出したり、自社で独自商品を開発し、製品メーカーに転身を図ろうとしたり、その挑戦は様々だった。 その中で…

【この人に聞く】日本金型工業会 西部支部長・山中 雅仁氏「ビジネスの種見つける場」

2月17日、ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)で、2年ぶりに金型シンポジウムが開催される。「新たな社会環境・新たなステージ・新たな価値を創造 関西からの発信」をテーマに、自動車部品メーカーによる基調講演や、金型メー…

【特集】リーダーの条件

 昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…

座談会 全景

新春座談会
金型メーカー4社が語る
新時代の経営戦略

独自の力を醸成 壁を乗り越える 新時代の経営戦略 座談会出席者(50音順) 伊吹機械 伊吹宏一営業部長  事業の80%がプレス金型、20%がプレス金型組込産業機械。プレス金型はこの20年で自動車関連の仕事が大幅に増え、7…

新たなバイオ樹脂を開発、金型と素形材をつなげ新しい価値を創出する 茄子川仁氏(事業革新パートナーズ社長)【鳥瞰蟻瞰】

金型業界に特化した調査やコンサルティングを手掛けてきましたが、2018年にバイオ樹脂の一つである「ヘミセルロース」の開発や成形に乗り出しました。社名にある「革新」的なことを実現するには、コンサルティングだけでは限界がある…

トピックス

関連サイト