金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

27

新聞購読のお申込み

日本精機とソディック ダイカスト金型向けの大型金属3Dプリンタを共同開発

ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)とソディックは技術提携し、ダイカスト金型向けの大型金属3Dプリンタを共同で開発する。金型向けの金属3Dプリンタを手掛けるソディックと、プリンタで金型の造形実績を持つ日本精機のノウハウを融合。年内をめどに、造形が難しいとされるSKD61相当粉末材で、大型サイズの入れ子が造形できる機種の開発を目指す。ダイカスト金型でのプリンタの活用領域拡大につなげる。

日本精機がプリンタで造形したワーク。大型化でこのサイズの部品を4個取りも

共同開発するのは、敷き詰めた金属粉末をレーザーで造形していくPBF方式のプリンタ。ダイカスト金型で適用が期待されているSKD61相当の粉末材で450㎜角のサイズを造形できる大型機種を開発する。

現在ダイカスト金型では、冷却効果を高めるため、SKD61相当粉末材で造形した入れ子を採用する動きが広がりつつある。ただ「需要の拡大が期待できる450㎜角の大型サイズは割れやすく、造形が簡単ではない」(日本精機の松原雅人常務取締役)ことから、共同でこの課題に取り組む。

JIMTOFでソディックが発表した金属3Dプリンタ「LPM450」をベースに開発する。造形中のガス濃度やレーザーなど様々なパラメータをリアルタイムで監視できる機能を実装し、常に最適な状態で造形できるノウハウなどを日本精機が提供する。また、プリンタだけでなく、造形後の最適な焼入れや焼き戻し条件なども共有する。

日本精機は一昨年にGEアディティブ社の金属3Dプリンタを導入し、すでに350点以上の入れ子を造形している。造形が難しいとされる大同特殊鋼のSKD61相当材「HTC」に特化しているのが強みで、すでに240㎜角まで造形できるノウハウを持つ。「450㎜角のサイズに対応するために、協業先を探していた」(松原常務)。

一方、ソディックのプリンタは、ベースプレートに必要な部位のみを正確に造形できる位置決め機構を生かした「ハイブリッド造形」が強み。LPM450は450㎜角サイズの造形が可能で、造形中に熱処理を行う独自の「SRT工法」と、その工法に適したSKD61の改良材「SVM」を提案している。「SVMの進化に加え、金型メーカーが求める機能をさらに強化したかった」(ソディックの上席執行役員工作機械事業本部岡崎秀二副事業部長)と協業に踏み切った。

松原常務は「国内で開発やサービス体制が整うソディックと協業することで、ダイカスト金型用の大型造形を実現させたい。そして日本の金型業界が競争力を高めるために金属3Dプリンタを当たり前の技術にしていくとともに、装置の販売にも注力したい」と話す。

岡崎副事業部長は「ダイカスト金型に適した3D造形はまだ課題が多い。広く普及させるには安定した造形品質、造形技術、熱処理、仕上げ加工までの金型製造技術を確立させることが重要。経験豊富な日本精機様と協力し合うことで、3Dプリンタを使った金型製造を盛り上げていきたい」としている。

金型新聞 2023年4月10日

関連記事

日本精機 金型流路洗浄液と装置を開発

分解不要でスケール除去 ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)は、冷却水管内部のスケールや錆を除去できる洗浄液と専用装置を開発した。6月のインターモールド名古屋で発表する。高い洗浄効…

金型づくりの課題解決<br>−ヴァーチャル技術提案−

金型づくりの課題解決
−ヴァーチャル技術提案−

 金型メーカーの競争力強化に向けた積極姿勢は衰えることがない。今、新コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、インターモールドをはじめ様々な展示会・イベントが中止されているが、一方で、自動車の電動化や5G、IoT、働き方改革…

内圧上昇を防ぐ金型を流動解析で実現 プラモール精工【金型テクノラボ】

プラスチック射出成形時に大きな課題となるのがショートやバリ、ガス焼けなどの品質不良。プラモール精工のガス抜きピン「ガストース」を使ったガスベントのデータ化と、流動解析によってガス抜き位置の最適化を実現した。成形品の品質安…

長瀬産業 金型冷却水管の洗浄液、メンテ効率良く短時間に

化学品や電子材料など国内有数の化学専門商社の長瀬産業(大阪市西区、06・6535・2410)はアルミダイカストやプラスチック金型などのメンテナンスに最適なシリカスケール除去液「N‐SR004B」(特許出願済み)を開発した…

深穴座ぐりを工程短縮
ダイジェット工業

タイラードリル3D・5Dタイプ ダイジェットの公式製品紹介は、こちらから 現場の課題  金型への3L/Dや5L/Dなど深穴の座ぐりで、効率良く高精度に加工できる工具が求められていた。 提案・効果  「3Dタイプ」と「5D…

トピックス

関連サイト