金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

10

新聞購読のお申込み

日本精機 AM技術でギガに挑む【特集:ギガキャストの現在地】

ソディックと共同開発、大型3Dプリンタを導入

AM技術を武器にギガキャスト向け金型で需要開拓を狙うのが、ダイカスト金型メーカーの日本精機だ。まずは、高い熱交換機能が求められるギガ向け金型で、AMで造形した入れ子部品の採用を目指す。将来は金型全体の受注も狙う。

同社では、2021年に金属3Dプリンタを導入し、ダイカスト金型の入れ子などで採用を広げている。強みは造形が難しいとされる大同特殊鋼が開発したSKD61材「HTC」で造形できること。欧州では、ギガ向けの金型で、金属3Dプリンタで造形した入れ子部品の採用が増えていることから、日本でも増えると判断し、投資を強化する。

ソディックと共同開発した大型の3Dプリンタ

その一つがソディックと共同開発した大型サイズの造形できる「LPM450」の特殊仕様機を9月にも導入する。450㎜角サイズの大型が造形できるのが特長で、造形精度や速度を高められる機能を盛り込んだ。

同装置を導入した理由について、「ギガ向けの金型では大型の入れ子が求められるため、それに対応する狙いもある。しかし、既存の部品でも大型機だと多数個取りのように複数造形できるので、生産性向上にもつながる」(松原雅人常務取締役)。また、金属3Dプリンタ以外にも、大型造形したワーク向けに大型の熱処理装置も導入した。

こうして明確に投資に踏み切ることができるのは、欧州でギガ向けの金型メーカーに入れ子を納品した実績があるからだ。松原常務は「欧州では、3Dプリンタによる入れ子はマルエージング改良鋼がメインで、HTCで造形したいという声は多く、国内でも増えてくるはず」とみる。

将来的は3Dプリンタで造形した入れ子にとどまらず、ギガ向けの金型本体の受注にも広げていく考えだ。松原常務は「日本国内でも分割型になるのが既定路線だろう。当社の現有設備でも十分キャビやコアの加工ができる」。需要を見極めながら「型合わせに必要な大型のクレーンなどの投資も考えている」。

会社概要

  • 本社:愛知県名古屋市守山区中志段味2799
  • 電話:052・736・0611
  • 代表者:代表取締役社長辻村正稔氏
  • 創業:1920年
  • 従業員:62人
  • 事業内容:ダイカスト金型の設計製作、金属AM部品製造など。

金型新聞 2024年9月10日

関連記事

ギガキャストや電動化、競争力のコアは内製【特集:自動車メーカーの金型づくり】

トヨタ自動車の豊田章男社長(現会長)が「自動車業界が百年に一度の変革期にある」と指摘して早5年。ここにきて、自動車メーカーの変化が加速してきた。トヨタは、大型アルミ部品を一体成形する「ギガキャスト」に参入すると発表。全個…

ツバメックス 多田羅氏が社長に就任

ツバメックス(新潟市西区、025-375-4945)はこのほど、4日1日付けで多田羅晋由氏が社長に就任する人事を発表した。山村福雄前社長は3月31日付けで辞任した。 多田羅氏は、1959年生まれ、大阪府出身。82年サンス…

5軸加工機の活用を推進する金型メーカーの工場長が語る ”工場長”に必要なものとは?【特集:工場長の条件】

時には経営者、時には教え諭す教育者—。工場長には多様な役割が必要だ。こうしたマルチタスクをこなすために、どのようなことを意識しながら、責務を果たしているのか。現役工場長に、工場長としての哲学を聞いた。 改善へ、尽きぬ探求…

榛名モールド 金型、試作、量産に対応 【金型の底力】

人材育成で競争力強化 50tから1300tまでの大小さまざまなプラスチック金型を手掛ける榛名モールド。金型の設計製作から試作、量産までを自社で行い、一貫生産体制を実現している。2023年にプラスチックトレイやケースなどを…

黒田製作所 工程管理支援システム『Grow』 工程を見える化・情報共有

全てが一品物の自動車用プラスチック金型は、工程管理の最難関と言われる。最新鋭のCAD/CAMシステム、多種多様な工作機械など豊富な設備に加え、それを操作する若き金型エンジニア、腕の立つ職人が不可欠で、さらなる生産性向上を…

トピックス

関連サイト