付加価値を生む工場づくり、デザイン面から魅力伝える 映画「となりのトトロ」のモデルの一つと言われる埼玉県西部に位置する狭山丘陵。その一角に精密プラスチック金型メーカー・狭山金型製作所の工場はある。入り口には大きな桜が植え…
次世代の匠の技を考える 記者の目
PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」
PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァース
PART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエム
PART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成
PART5:「現代の名工に聞く、次世代の匠に必要なもの」三井ハイテック
記者の目
匠とは高度な技術を持つ人のことを指す。「特集:次世代の匠の技を考える」のアンケートや取材で感じたのは、匠自身がその優れた技能を持つことそのものにそれほど頓着が無いことだ。
金型の性能や品質、生産効率、コスト競争力を高めるために知恵を絞り、腕を磨く。金型づくりは難しく、だからこそ面白く、やりがいを感じ、四六時中考え、挑戦してしまう。
そうするうちにノウハウを蓄積し、感覚が磨かれ、いつしか周りの人に匠を意味する愛称で呼ばれるようになった。匠になろうとしてなったわけではなく匠はその結果、という感じだ。
それより匠の関心はそのプロセスの中で何を身につけてきたかということにあるのではないか。失敗と成功の中で何を学び、感性を養い、技能を自らのものにしてきたか。
次世代の匠の技術として注目される「デジタル技術や自動化」。これらもそうした長年の間に培った金型づくりの知恵や経験、ノウハウが乏しければ使いこなせない。
匠が次代の技術者に求めるのは金型づくりの根源的な技能である「五感による能力や感性を磨くこと」。基礎の技能習得を怠らないこと、そして基礎の技能から多くの技術が発展することは時代を越えて変わらないというメッセージだ。
ただ、案じていたのが技能を身につける環境。スマートワークや効率化の動きが広がる中、以前のように「背中を見て、時間をかけて」指導を受けることができない。分業でそのセクションしか経験できない。生産材の技術革新が早すぎる。
企業が生産性向上や働き方改革を推進する中で今の指導環境は変わりそうにない。となると、次世代には時間や組織に制限がある中で指導できる「教育の匠」が必要かもしれない(中)。
金型新聞 2022年2月10日
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