この人に聞く2018 今年4月に樫山金型工業から社名を変更した「コガネイモールド」。携帯電話を中心としたプラスチック金型で一時代を築いた同社だったが、スマートフォンの登場によって需要が激減。しかし、一昨年に空圧機器メー…
田口型範、ハース社のMCで加工を効率化
NKワークス(東京都千代田区、03・3864・5411)が販売する米国製工作機械のハース・オートメーション(以下ハース)は、海外メーカーながら短納期で費用対効果の高い機械性能を強みにユーザーを拡大している。
サービス体制も充実しており、ほぼすべての部品を在庫し、迅速な対応ができる。金型業界でもユーザーが増えつつあり、3年前から設備しているという鋳造金型などを手掛ける田口型範を訪問した。
田口型範は、試作用木型から量産用金型までを製作し、トラックのエンジン向けなどを得意としている。そのほか、試作品の機械加工や5軸加工機を使ったターボチャージャー向けインペラの製作なども手掛ける。
ハースの機械を導入したのは2012年。設備が老朽化し、田口順社長は「すぐに新しい機械が欲しかった」と約1・5カ月という納期の短さが導入するきっかけだった。また、スケールフィードバックを搭載した高精度な位置決めや高剛性など機械の性能の高さも決め手のひとつとなった。
導入したのは、スピンドルが12000回転の金型加工向けマシニングセンタ「VMシリーズ」。14年には、大物加工に対応するため、50番テーパの「VF-6/50」を金型加工向けに仕様変更した機械を導入し、現在では6台を設備している。
主に、金型の形状加工や金型部品の加工に使っており、荒から仕上げまでと国内メーカーと遜色ない品質で加工ができるという。とくに、製造課の生駒隆司課長は「(国産の機械に比べ)過度な加減速制御がないため、工具長の短い加工では加工スピードが約10%向上した」と利点を話す。
また、「メンテナンスのサービス体制が良い」と田口社長。ハースでは、機械の部品を共通化しており、ほぼすべての部品を4日~1週間で納品できるほか、生産を終了した機種の部品も常に揃えているなどトラブルに迅速に対応できるサービス体制を整えている。
田口社長は「鋳物の出来が良く、剛性が高いため安定した加工ができる」とし、「今後、5軸加工機の導入も検討したい」とさらに投資する考えだ。また、「コストパフォーマンスに優れた機械。荒から仕上げまで何でもできるので、たくさんの設備を持てない企業では特に重宝する」と金型メーカーに導入を勧める。
▽社名:田口型範
▽所在地:埼玉県川口市中青木2‐20‐15
▽代表取締役:田口順▽創業:1947年
▽従業員数:140人
▽事業内容:鋳造用金型・木型、5軸加工、試作、解析、計測
▽保有するハース社製設備:「VM-3」3台、「VM-6」1台、「VF-6/50」1台、「TL-1」1台。
金型新聞 平成27年(2015年)5月14日号
関連記事
コロナウイルスによる影響が広がる中で、金型メーカーはどう考え、どのような対策をとっているのか。新規開拓、他分野に進出、資金確保、働き方の見直しなど様々な手を打ち始めている。受注、生産面でそれぞれの対策と、今回のコロナ禍…
三菱マテリアル加工事業カンパニー加工技術センター(さいたま市、http://carbide.mmc.co.jp)は、12月2・3日の2日間、中部テクニカルセンター(岐阜県安八郡神戸町横井1528‐1、0584・27・4…
売上約85%増382億円 旺盛な半導体需要が牽引 TOWAは2022年3月期第3四半期の連結決算を発表し、売上高は382億円(前年同期比84.8%増)、営業利益は90億円(同288.9%増)、経常利益は90億円(同274…
ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…




