鋳造金型メーカーの日型工業(埼玉県川口市、渡辺隆範社長)は、超硬合金製の金型実用化に向けて技術開発に着手した。直彫切削加工技術を高め、長寿命化が求められる鋳造金型での採用を目指す。将来的には鍛造金型なども視野に入れている…
金型の未来に活路<日本金型工業会 通常総会>
日本金型工業会(牧野俊清会長・長津製作所会長)は6月6日、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで第2回の定時総会を開催する。同工業会は5月20日、新金型産業ビジョン(1面参照)を作成し、営業力や連携など6つのキーワードを提示した。そのビジョンに基づき、今年度の事業計画や予算などが議論される見通し。また、役員改選も行われる。牧野俊清会長も金型産業ビジョンについて「お客様や関係産業界の人にも読んで頂き、金型業界の取組みについて理解頂けることを望みたい」としており、総会を機に金型業界の方向性を各方面に発信していく。
金型業界の景況感も改善しつつある。機械統計の2014年3月の金型受注は大半の型種で前月比を大幅に上回った。全体では345億円と5か月ぶりに300億円を突破。個別の型種でみても、鍛造金型は平均的に25億円前後の水準を維持し、既にリーマンショック前の水準を超えている。いまだその水準には届かないものの、プレス型は前月比26%増の347億円、プラスチック金型は09年以降で最高となる同24%増の119億円を記録した。
足元の景況は回復傾向を示しているが、ユーザー企業のグローバル展開、海外企業の成長など対応すべき課題は山積している。その指針となるのがこのほど策定した新金型産業ビジョンだ。その中で「営業力(提案力)」、「海外展開」、「周辺分野への事業展開」、「人材確保・人材育成」、「技術研究開発」、「連携・提携の推進」など6つを提示した。
今年の日本金型工業会の事業計画もこれに基づいた形で3支部の会員企業らが集まり、議論される予定で、事業の骨子や予算が決定する。また、恒例の講演会では、防衛省陸上自衛隊の大阪地方協力本部長の大塚裕治陸将補が「自衛隊と防衛産業は車の両輪」をテーマに話す。
今年は役員改選期にあたる。既に各支部では総会を開き、東部支部は加藤忠郎支部長(日進精機相談役)の続投が決まり、中部支部は小出悟氏(小出製作所社長)、西部支部は堀口展男氏(野田金型社長)が新支部長に就任している。
牧野会長は「ユーザー企業や各産業界にも、新ビジョンを読んで頂き、金型産業の理解を望みたい」とするように、本総会を機に、新ビジョンに基づき、日本の金型業界の方向性を世界に発信していく。
日 時:6月6日(金)
会 場:インターコンチネンタルホテル東京ベイ
総 会:13:00~15:00
講演会:15:10~16:50
テーマ「自衛隊と防衛産業は車の両輪」
防衛省陸上自衛隊大阪地方協力本部長 陸将補 大塚裕治氏
懇親会:17:00~18:40

金型新聞 平成26年(2014年)6月6日号
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