金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

02

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
ハルツ 近藤 大輔 社長

組織力で高品位な金型づくり
技術_R
図面に技術共有できる独自の工夫

金型メーカーが成形や部品加工に手を広げるケースが多いなか、ハルツは創業から40年以上にわたり、プレスの売り型専門で金型設計製作に取り組んできた。3代目の近藤大輔社長は「先代たちの口癖は“金型が営業する”だった」というように、高品位な金型が武器だ。実際に口コミで評判が広まり、仕事を増やしてきた。さらに現在では高い技術力に加え、展示会に出展するなど露出を増やすことで、「間口を広げてどことでも付き合うのがモットー」とし、「3.2㎜以下の薄物で、400㌧クラスの大物かつ精密な仕事であれば何でも引き受ける」と近藤社長は話す。
高い技術力が強みだが、金型づくりにおけるこだわりは、「技術に溺れず、初心者でも作れる金型づくり」。得意とするのは住宅設備関連の金型だが、意匠性が高く、面品位など金型に対する要求は厳しい。そのため高い技術が必要となるが、近藤社長はあえてそこにこだわりはないと言う。それは前社長からの「会社を継続させるため、技術にこだわりすぎるな」というアドバイスがあるからだ。「技術にこだわり過ぎれば、周りが見えなくなり、自己満足の世界に入ってしまう。そうなるとユーザーの本当のニーズも見えなくなる」。だからこそ分かりやすい金型づくりにこだわる。そのなかでも特長的なのは、独特な金型図面。設計者がペンで色づけしたり、注意書きやコメントを書き込むなど、オリジナリティあふれる分かりやすい図面で、誰でもできる金型づくりを実現している。

人_R
部門ごとにスペシャリストを育成

「初心者でもつくれる金型づくり」を求めるからこそ、プロフェッショナルな人材が必要で育成には注力している。生産体制を完全分業化し、マシニング担当や放電担当など、それぞれの部署ごとでスペシャリストを育成するという方針を取っている。一つの部門に特化させることで、覚えることが少なくて済み、早い時期から戦力として活躍できる。また教える側も一つの分野を専門的に教えるため、技術の教育や伝承が比較的容易に行える。
また、前職で金型とは関係のない人材も採用し、多様性を重視している。たとえば、機械メーカー出身の人間と工作機械を自社開発したり、大工出身者であれば、天井の修理や事務所の増築も自社で行えるなど、従業員ひとりひとりの個性を活かした企業づくりができるからだ。
近藤社長は17年前、学校を卒業後入社し、一から金型づくりを学び、4年前に32歳の若さで社長に就任した。金型づくりにおいて、「新しい金型を作り上げる際、図面との戦いと、時間と妥協したくないという自分とも戦わなくてはならない」と若い技術者としての苦悩もある。ただそうした状況のなかで「良き先輩や、同僚に揉まれ励まされ見守られてここまでやってきた」と周りへの感謝も忘れない。こうした経験をしてきたからこそ、従業員ひとりひとりの幸せを考え、10年、20年、さらに先の将来を見据えた企業づくり、人づくり、そして金型づくりを目指している。

近藤大輔社長
会社メモ

代表者=代表取締役・近藤大輔氏
創立=1973年
所在地=神奈川県横浜市金沢区福浦2丁目7番25号
TEL=045・783・8601
FAX=045・783・8302
URL=http://www.harz.jp
E-mail=info@harz.jp
資本金=1,000万円
従業員数=30人
事業内容=プレス金型の設計製作、試作品の設計製作、販売。
主な設備=マシニングセンタ4台(牧野フライス製作所、オークマ、三井精機など)、ジグボーラ1台(安田工業)、ワイヤ放電加工機9台(三菱電機、牧野フライス製作所)、平面研削盤6台(岡本工作機械)、トライプレス機3台(アイダ)、3次元測定機2台(ミツトヨ)、NC細穴放電加工機など自社開発設備、その他多数。

金型新聞 平成26年(2014年)8月10日号

関連記事

岐阜大 スマート金型開発拠点始動<br>量産の不良率ゼロに

岐阜大 スマート金型開発拠点始動
量産の不良率ゼロに

産学官連携で共同研究  岐阜大学は6月7日、スマート金型開発拠点事業をスタートさせた。労働人口減少社会を想定し、より高効率な生産システムが求められる中、金型を使った量産システムでの不良率ゼロを可能にするスマート生産システ…

【金型応援隊】KGM経営戦略製作所 勤怠管理・生産管理ツールの導入支援

金型企業にBPOサービス提供 KGM経営戦略製作所は、金型企業向けにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供する。 代表の古賀寿彦氏は機械商社から中小企業診断士に転身し、独立した。製造現場に精通する強みを…

小出製作所 SF社とギガ・メガで協業

国内でのメガ金型供給へ 小出製作所(静岡県磐田市、0538・37・1149)は11月15日、7月に業務提携したSF Tooling Group社(SF社)との協定調印式を開いた。ギガやメガキャスト向けの金型で協業し、再来…

寿原テクノス ガス抜きや冷却技術開発【特集:ダイカスト最前線】

エンジンやステアリング部品など鋳造800~1250tクラス(最大2500tまで)を得意とするダイカスト金型メーカーの寿原テクノスはダイカストの課題を解決する新たな金型技術を次々に発表し、ダイカスト製品の高品質化やサイクル…

がんばれ!日本の金型産業特集<br>宮澤精機 宮澤 幸弘 社長

がんばれ!日本の金型産業特集
宮澤精機 宮澤 幸弘 社長

変幻自在の絞り、曲げ 50年のノウハウで金型に独創のアイデア 「強みは設計です」と話すのは、丸・角・異形絞りの順送プレス金型を手掛ける宮澤精機の宮澤幸弘社長。弱電関連の製品をメーンに、絞りは最大15㍉角、曲げは最大30㍉…

トピックス

関連サイト