3年に1度開催のIPF Japan2020(国際プラスチックフェア)の出展募集が始まった。前回(2017年開催)の展示規模は、2438小間、778社・団体が出展し、約4万4千人が詰めかけた。今回は、5万人を見込み、年々…
メキシコに金型長屋<池上金型工業>
プラスチック金型メーカーの池上金型工業(埼玉県加須市、0480・44・8686、池上正信社長)はメキシコでの事業を強化している。昨年末、現地法人の池上メキシコが自動車メーカーの拠点が多いバヒオ地区に金型の補修を中心とする工場を稼働させた。また、プレス型メーカーやシボ加工メーカーとも提携し、補修できる金型の種類を増やしている。池上メキシコでは将来、補修だけでなく金型メーカーらが集積し、最高品質の金型を提供できる「金型長屋」にしたい考えだ。
バヒオ地区はメキシコ中南部に位置し、マツダやホンダ、フォルクスワーゲンなど自動車メーカーや一次部品メーカーの新工場が相次いで稼働しており、金型の需要が増える可能性が高い。ただ「現地で金型を作れるインフラがなく、まだユーザー側も金型を現地調達する環境にない」(池上社長)ため、まずは補修を中心に事業を強化した。
1500㎡の敷地を確保し、日本製のマシニングセンタなど約1億2000万円を投資。8人で始め、年内には13人に増員する計画だ。月30~50型程度の金型の補修や調達、組立などができる体制とする。金型の調達は池上金型の日本や中国、韓国、台湾の金型メーカーなどを活用する。
既にプレス金型メーカーの昭和精工(木田成人社長)とシボ加工メーカーの棚沢八光社(棚沢肇社長)とも提携し、補修できる範囲と金型の種類を増やした。棚沢八光社は敷地内の一部を間借りする形で進出し、シボの補修を行う。昭和精工は工場内の設備などを借りながら、自社製の金型の補修などを行う。
池上金型は1998年にイケガミモールドメキシコを設立。アメリカに近いティファナに工場を設け、月35型近くの金型補修などをできる能力を持つ。バヒオ工場と合わせ月65~85型の能力まで引き上げる考えだ。
池上メキシコの古賀良幸バヒオ工場長は「バヒオは金型製造のインフラが整うまで時間は掛かるが、自動車産業の集積地になる。今回はプレス金型とシボメーカーだけだが、池上メキシコを中心に、他種の金型メーカーや熱処理メーカーなどと協業し、将来的にはバヒオで最高品質の金型が製造できる『金型長屋』を作りたい」としている。
金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号
関連記事
レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡県駿河区)に入社したのは2年前。企業の販路開拓支援などに携わっていた前職時代、製造業とも多く関わる中で「世の中は製造業がなければ成立しないということを肌で感じ、自分…
樹脂成型品の工程管理・不具合解析 樹脂成型品の工程管理や不具合解析の現場では、実際の製品や試作品と設計図との差異把握や、製品や金型の工程ごとの変化量把握、不具合解析や要因分析など、実寸把握や複数の部署間での情報共有など、…
前年同月比12.9%増の313億2,100万円 プレス型は15・3%増、プラ型は18・8%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成26年12月の金型生産実績をまとめた。それ…
静岡理工科大学(静岡県袋井市、0538・45・0111)は今年2月、金型技術力の向上や人材育成などを目的とした研究会「金型技術研究会」を設立した。金型メーカーなど約30社が加盟。講演会や見学会などを通じ、企業間や学生と…