平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…
武林製作所の技術者2人が受賞
八尾ものづくり達人・なにわの名工若葉賞
金型の耐久性や成形の品質を高めるためにする、最終工程の手仕上げと、鏡面磨き―。歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の工場長・角谷秀利さんと技術者・山中慎也さんが、それぞれが持つ金型づくりの高度な技術を評価され、2014年の「八尾ものづくり達人」(八尾商工会議所)と「なにわの名工若葉賞」(大阪府)に選ばれた。
金型の手仕上げで八尾ものづくり達人を受賞した角谷さんは、金型づくりの最終工程で微調整をする高度な技能を持つ。僅かなグイチを修正して歯ブラシで口の中に傷をつける原因のバリをなくし、熱膨張を計算に入れ摺動面に微かな隙間をつくることで黒ズミを抑えて成形のトラブルを減らす。さらには古い金型も長年の経験で使えるように修理する。
一方、金型の鏡面磨きでなにわの名工若葉賞に選ばれた山中さんは、金型に光沢のある表面をつくる優れた技能の持ち主。砥石を使ってツヤを出し、鏡のように輝くまで磨き上げる。金型の手磨きは、磨き過ぎがバリや成形不良の起因となるが、山中さんは金型の合わせ面を5μmの面粗さで仕上げるという。
角谷さんは、「嬉しいが、不本意な仕事をしてはいけないというプレッシャーを今まで以上に感じる。この技能を若い世代にも伝承していきたい」。山中さんは「失敗も沢山あった。仕事の時間以外にも練習を重ね、腕を磨いてきた。その成果が認められてとても嬉しい」。
武林製作所の技術者で、八尾ものづくり達人となにわの名工を受賞したのは、両賞を受賞した前工場長の山口勝彦さんを合わせて3人となる。武林美孝社長は「今回の受賞は2人の日々の研鑚に加えて、社員みんなの協力があったからこそ。次の賞にも挑戦して会社の力の底上げにもつながって欲しい」。
金型新聞 平成27年(2015年)1月10日号
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