JIMTOF出展機が一堂 金型設備総合商社の植田機械(大阪府東大阪市、06・6743・0110)は1月27・28日の2日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で、工作機械総合展示会「UMモールドフェア」を開催する。工作…
金型の知的財産権 日本金型工業会西部支部でセミナー
金型の知的財産権、いわゆる特許、著作権問題は10年以上前より日本金型工業会でも対応を検討してきた。背景には金型図面あるいは加工データの流出にある。金型発注企業からメンテナンスなどを理由に金型図面や加工データの提出を要求された結果、海外企業による二番型などの製作や類似の金型製造委託などの問題が起こり、国内の金型受注が減少したほか、日本の金型企業が持つ技術やノウハウが流出したからだ。金型業界では対応に乗り出すものの、著作権、特許権の効力には疑問の声もある。
そもそも著作権は、国の文部科学省管轄にあり、経済というより文化的要素が強く、建築や絵画、音楽などを想定しており、金型に適用された例がなく、対象も金型図面や加工データのみとなる。特許権は金型および技術で取得できるが、特許を侵害された場合、立証が難しく、特許侵害により裁判所へ提訴を行っても、金型ユーザー企業は企業秘密を理由に工場への立ち入りを許可せず、立証できない例が多々ある。また、特許出願時に金型図面などが公開され、そこからノウハウをコピーされる恐れもあり、敬遠傾向だ。それゆえ、特許や著作権の効力は妥当と言いにくい。
日本金型工業会西部支部(眞鍋道孝支部長・扶桑精工会長)は11月29日、大阪科学技術センター(大阪市西区)で「金型業界における知的財産権の法的、契約上の課題と対応案」をテーマに、日立ハイテクノロジーズの石塚利博弁理士を招きセミナーを行った。
石塚氏の提案は現実的対応と将来的対応の2つを提示。前者は金型図面を顧客に提出する際、ノウハウや材料など発注先を記載せず、重要部分は自社で管理すること。後者は、オンリーワンの技術、ノウハウを持つ、あるいは発注先と製品を共同開発し、共同ライセンスにすることである。後者の対応はすでに金型メーカーの中でも増えている。
日本金型工業会では「図面を安易に出さないように」と呼びかけるが、現時点で最良の対応策は個々の事情もあり、難しいとする。金型はあくまで道具であり、技術的な面がどれだけ部品の製造に関わっているかは判別できない。よって、対応策は図面などを正確に記載しない(交差などをぼやかす)などの対応が現実とするが、今後も金型の知的財産権に対する認知度を上げる活動に加え、公証制度を利用し、図面の認証を受けるなど先手を怠らないようにすることも重要だとしている。
関連記事
前年同月比3.5%増の281億7,700万円 プレス型は4.2%減、プラ型は15.5%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成25年11月の金型生産実績をまとめた。それによ…
自動車の骨格部品のプレス金型を手掛けるオオイテック。特に高張力鋼板(ハイテン材)向け金型を得意とし、豊富な実績を持つ。軽量化ニーズによってハイテン材の需要が増加する中、生産性のさらなる向上を図り、ビジネスの拡大を狙う。M…
アイユーキ技研は金型のロック、アンロック動作を安定して確実に行えるよう、機械式のプラスチック金型用の型開き制御装置を自社開発した。 従来のアンロック動作はスプリングに頼っており、スプリングが戻らずに爪部分が引っ掛かり、ア…
CAEを活用しているのは企業だけではない。岩手大学では、樹脂流動解析ソフト「3DTimon」(東レエンジニアリングDソリューションズ)を学生の教育で利用している。樹脂を流す際、最適なゲート位置などを自らの勘や経験から教え…


