オートフォームジャパン(東京都港区、03・6459・0881)はスイス・オートフォーム社の日本法人として2007年に設立された。シミュレーションソフトメーカーでは後発となる同社はプレス成形に特化し、圧倒的な計算速度を強み…
金型磨きロボット開発
近畿大学・理工学部 原田 孝教授
パラレルで力制御、高速・高精度
金型を自動で磨くロボットはかねてから望まれ、機械メーカーや研究機関が開発に挑んできた。近畿大学理工学部の原田孝教授もそのひとり。昨年、パラレルリンクやDDモータにより微妙な力加減を緻密に制御し、高速・高精度に磨けるロボットを開発した。今なお研究を続け、滑らかな動きで曲面や角も加工もできるよう追究するという。その性能は、そして今後の展開は―。
原田教授は昨年、パラレルリンク構造の金型磨きロボットを独自開発した。4本のアームで保持具と砥石を支持し、砥石を前後させて金型の表面を磨く。往復を繰り返しその面が磨けると、横方向にスライドし再び前後運動で加工していく。
このロボットの特長は、駆動の仕組みにパラレルリンクを、動力源にトルクむらが極めて小さい特殊仕様のDDモータを用いたこと。4本のアームはDDモータの動力と機械的な仕組みだけで動く。このため複数のモータ制御などで起きる動きの誤差が極めて少なく、砥石にかけるトルクの制御もし易い。自重も軽くなり、振動が僅かで素早い動きもできる。
これまでの多関節式磨きロボットなどは動作の精度やスピード、砥石が金型にかける圧力の制御が課題だった。だがこのロボットは精密、高速な動きと圧力の強弱を制御して磨ける。原田教授は「開発したロボットは、職人の3倍以上の速さで磨き動作が可能、高速磨き動作を制御できれば、精密な磨きを大幅に効率化できる」と話す。
原田教授は、学会で論文賞も受賞するパラレルメカニズムの第一人者。金型磨きロボットは、同大が2012年に始めた「近大金型プロジェクト」の一環として、これまで培った技術を金型の技術開発に生かせないかと取り組み始めた。
現在も研究は進行中。今のロボットでは平面は磨けるが、3次元曲面や角の磨きで形状に合わせた砥石の動きや金型への圧力に課題が残る。原田教授は「高速磨きの時にも研磨面を鏡面並みの高品位に加工する条件を探索し、ロボットの動きや制御に取り込んでいきたい。しなやかで滑らかに磨けるように研究を重ねていく」と意欲的だ。
プロフィール
1962年生まれ、京都市出身。1987年大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了、神戸製鋼所入社。2000年三菱マテリアル神戸ツールズ(現三菱マテリアル)、06年近畿大学助教授、12年同大教授。博士(工学)。専門はパラレルメカニズム、精密機械など。
金型新聞 平成28年(2016年)4月18日号
関連記事
売れるものをつくる 物価の高い国で勝負 境地まで突き詰めることが大事 〜海外展開〜 1964年生まれ、茨城県出身。大学卒業後、87年大貫工業所に入社。営業で新規得意先を次々と開拓する一方で、得意先とのやり取りを通じて金…
人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かって…
プレス加工メーカー3社を傘下に持つ新栄ホールディングス(東京都中央区、03・5843・6096)は昨年8月、傘下のアポロ工業(埼玉県吉川市)の金型部門を切り離し、アポロ技研(同)を設立した。金型の設計、製作に加え、メンテ…
金型溶接などを手掛ける愛知溶業(愛知県一宮市、0586・75・3112)は今年4月、溶接機メーカーや金型メーカーなどを傘下に収める持株会社「GALAXYホールディングス(HD)」を設立した。金型の溶接や製作だけでなく、レ…


