金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

13

新聞購読のお申込み

シグマ、金型技術活かしプレスも

深絞りや鍛造

シグマ つぎ目のない箱

 つなぎ目の無い箱、凸の形をした輪(写真)。箱はリチウムイオン電池のケース、輪は部品を結合する金具。これからはともに手のひらにのるほどの小ささ。プレス金型メーカーのシグマが製作した自動車のプレス部品だ。

 ケースと金具はそれぞれ厚みが均一。ケースは0.4㎜、金具は2㎜。どちらも一枚の金属の板から作るが、深絞りで加工したり、部品に大きな段差があるため、厚みを均一にするのが極めて難しい。

高度な分野に挑み続ける

シグマ 技術 山内幸康製造部長は「ケースは深絞り、金具はプレスと鍛造の技術を組み合せて完成させた。長年の間に培った金型のノウハウを生かし、試行錯誤の末、量産に成功した」と話す。
 シグマは創業(1969年)当時、建築材料の金型を製作。その後、自動車部品の金型にも製作分野を広げ、プレス部品は今から15年前に始めた。

 「建材、そして自動車部品で蓄積してきた絞りや鍛造の高度な金型技術を部品量産でも試してみたかった」と山内部長。量産部品はその後、取引を増やし、現在手掛けるのは約50種類。全事業の10%にも及ぶ。

 とはいえここ最近、量産部品の新規取引先を見つけるのが難しくなっているという。シグマは地元富山では金型メーカーというイメージがあり過ぎ、これ以上県の企業にPRが浸透しない。しかし愛知や岐阜の企業と取引すると大物部品の場合、輸送費が膨大になる。

シグマ

 そこでチャレンジしているのがリチウムイオン電池のケースや結合金具。これなら軽くて小さく輸送費を抑えることができる。今年4月のインターモールドにも出品。来場した部品メーカーから強く興味を持たれたという。

 軽くて小さい精密部品への挑戦は輸送費削減の一方で、技術競争力向上のためでもある。山内部長は「これから日本に残るのは、こうした日本にしかできない技術。挑戦し続け、未来を切り拓いていきたい」。


会社概要

本社:富山県高岡市辻228、0766・31・0910
創業:1969年
代表取締役社長 塚原昇氏
社員数:44人
事業内容:プレス金型設計・製作、プレス部品量産。


金型新聞 平成28年(2016年)10月10日号

関連記事

平岡工業 精密部品加工・調達代行【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

調達の効率化サポート 自動車のウェザーストリップのゴム金型や切断折曲機などを手掛ける平岡工業のもう一つの事業が、精密部品加工・調達代行サービスだ。金型や切断折曲機で培った技術や協力企業とのネットワークを活かし様々なニーズ…

澤越俊幸さん 3Dプリンタの普及にまい進する[ひと]

日本AM協会専務理事 澤越 俊幸さん 金型、航空機、自動車、電子部品—。日本のものづくりに3Dプリンタ(AM)を普及させる。それを目標とする一般社団法人の専務理事を務める。会員企業や研究機関とスクラムを組み、セミナーによ…

粉末冶金・プラ型メーカーを買収 F&Cホールディングス 藤巻秀平社長【この人に聞く】

プラットフォーマー目指す 鋼材商社の藤巻鋼材を中核とするF&Cホールディングス(名古屋市東区、052・972・611)は今年4月、粉末冶金や樹脂金型を手掛ける山崎TECH(大阪府枚方市)を買収した。さまざまな加工メーカー…

春日井精工 焼結〜被膜まで工具一貫生産【金型応援隊】

中国に工場を展開する春日井精工(愛知県春日井市)は靭性と硬度を備えたボールエンドミルや不等リート・不等分割のラフィングエンドミル、高硬度材向けの「MUシリーズ」を中心に高い付加価値の提供を目指す。 同社の強みは切削工具向…

【特集:新春金型座談会】広がる世界市場をどう開拓する(Part3)

日本の価値はどこにある 量産支える金型や知見 松岡 先ほど松野さんが安く作ると話されましたが、私は金型を安くしたくないですね。金型は本来高くなきゃいけないのに、どんどん下がっています。持続的に経営をしていくためにも、値段…

トピックス

関連サイト