金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

17

新聞購読のお申込み

金型取引環境改善へ
自工会が自主行動計画

 取引環境の改善に向けた動きが本格化している。昨年末、中小企業庁と公正取引委員会が取引の現金化を促すなど下請法の運用の強化を通達。これに応じる形で、日本自動車工業会(自工会)は金型管理や代金支払法の適正化などを重点的に進める自主行動計画を策定した。すでに自動車関連の金型メーカーでは来春に向けた現金化も通達するなど効果が出始めている。今後は自動車メーカーだけでなく、部品や金型業界での浸透などが課題となる。

価格適正化や現金化

 世耕弘成経済産業大臣が昨夏に掲げた「未来志向型の取引慣行改善に向けて」(世耕プラン)を受けて、昨年末中小企業庁と公正取引委員会は、中小企業の取引改善を促すべく、下請中小企業振興法の振興基準の改正、下請代金支払遅延防止法の運用強化を通達した。買いたたきや不等な減額などの違反事例を追加したほか、可能な限り現金支払いで、将来的に手形の支払いサイトを60日以内とするように努めるなどと明記した。

 これを受け、自工会では自主行動計画を策定。重点的に取り組むのは次の3点。①価格決定方法の改善・適正化②型管理などのコスト負担の改善③支払い条件の改善などだ。①は記録を残さずに行う原価低減要請などを行わないことなどを盛り込んだ②は金型の無償保管要請を行わないなども徹底③は現金化を進め、下請代金の支払いサイトは将来的に60日以内を目標とするとした。

 すでに一部では効果も出始めている。自動車用のプレス金型メーカーでは、「来春に現金化するための同意書が来た」という。現在6割が現金取引という鋳造型メーカーは「(現金化が進めば)資金繰りも楽になり、成長への投資に振り向けられる」と期待する。日本金型工業会の牧野俊清会長も「金型の主要ユーザーである自工会などが自ら行動計画を発表してくれたのは大きな一歩で、ありがたい」と話す。

 400社超の会員を持つ、日本自動車部品工業会や、鋳物やプレスなど素形材に関する団体「素形材センター」も、自主行動計画の骨子を発表し、適正化を促す。年度内にはそれぞれの団体で、取引ガイドラインの改訂版も出す予定で、今後はこの動きを浸透させることが課題になる。

記者の目

 今回の政府の動きは、これまで以上に本気だ。自工会が即座に自主行動計画を発表し、自動車メーカーがフォローの動きを見せているのもその表れ。一方でこうした動きを中小同士の取引にも浸透させていけるかが課題だ。ある金型メーカーは「金型メーカーも外注を使うが、その取引にはひどいものもある」と話す。金型業界内での取引適正化も必要になる。

金型新聞 平成29年(2017年)2月10日号

関連記事

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

【特集】金型企業年金新制度へ 3氏に聞く、新制度の背景とメリット〜「経営」と「社員の人生」支える仕組み〜

掛け金率選択制に 税控除など利点大きく 社員の第2の人生豊かに 日本金型工業厚生年金基金は昨年11月2日、いったん解散し「日本金型工業企業年金基金」として生まれ変わった。高い予定利率などの旧制度の課題を解決するとともに、…

サンワ金型 様々な仲間が集まる工場に【特集:かっこいい工場】

金型メーカーからエンジニアリング企業へ 「金型メーカー単体では生きるのが難しい時代だからこそ、新しいモノを作りたい人や企業がシーズを持ち寄り、一緒に花を咲かせられるガーデンとしての開発工場を目指す」と鈴木大輔社長は202…

寺方社長が旭日単光章
寺方工作所

 令和2年春の叙勲で、精密プレス金型を手掛ける寺方工作所(鳥取県北栄町、0858-36-4311)の寺方泰夫社長が旭日単光章を受章した。  1948年生まれ、大阪市鶴見区出身。70年金沢工業大学卒、寺方工作所入社。200…

C&Gシステムズ 工程管理システムを刷新<br>IoT活用で生産性向上

C&Gシステムズ 工程管理システムを刷新
IoT活用で生産性向上

機械の加工時間を予測  C&Gシステムズはこのほど、IoT技術を活用した工程管理システム「AIQ(アイク)」を14年ぶりに全面刷新した(写真)。図面データと連動し、機械の加工時間を予想する機能を盛り込むなど、工…

進化する技能伝承【特集:技能伝承最前線】

金型メーカーやプレス部品メーカーがデジタル技術や暗黙知の定量化による技能伝承にチャレンジしている。MR(複合現実)によるマニュアルで新人が経験者並みの作業をできたり、トライ結果を蓄積し改善方法を導きやすくしたり。熟練技能…

トピックス

関連サイト