金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

07

新聞購読のお申込み

金型取引環境改善へ
自工会が自主行動計画

 取引環境の改善に向けた動きが本格化している。昨年末、中小企業庁と公正取引委員会が取引の現金化を促すなど下請法の運用の強化を通達。これに応じる形で、日本自動車工業会(自工会)は金型管理や代金支払法の適正化などを重点的に進める自主行動計画を策定した。すでに自動車関連の金型メーカーでは来春に向けた現金化も通達するなど効果が出始めている。今後は自動車メーカーだけでなく、部品や金型業界での浸透などが課題となる。

価格適正化や現金化

 世耕弘成経済産業大臣が昨夏に掲げた「未来志向型の取引慣行改善に向けて」(世耕プラン)を受けて、昨年末中小企業庁と公正取引委員会は、中小企業の取引改善を促すべく、下請中小企業振興法の振興基準の改正、下請代金支払遅延防止法の運用強化を通達した。買いたたきや不等な減額などの違反事例を追加したほか、可能な限り現金支払いで、将来的に手形の支払いサイトを60日以内とするように努めるなどと明記した。

 これを受け、自工会では自主行動計画を策定。重点的に取り組むのは次の3点。①価格決定方法の改善・適正化②型管理などのコスト負担の改善③支払い条件の改善などだ。①は記録を残さずに行う原価低減要請などを行わないことなどを盛り込んだ②は金型の無償保管要請を行わないなども徹底③は現金化を進め、下請代金の支払いサイトは将来的に60日以内を目標とするとした。

 すでに一部では効果も出始めている。自動車用のプレス金型メーカーでは、「来春に現金化するための同意書が来た」という。現在6割が現金取引という鋳造型メーカーは「(現金化が進めば)資金繰りも楽になり、成長への投資に振り向けられる」と期待する。日本金型工業会の牧野俊清会長も「金型の主要ユーザーである自工会などが自ら行動計画を発表してくれたのは大きな一歩で、ありがたい」と話す。

 400社超の会員を持つ、日本自動車部品工業会や、鋳物やプレスなど素形材に関する団体「素形材センター」も、自主行動計画の骨子を発表し、適正化を促す。年度内にはそれぞれの団体で、取引ガイドラインの改訂版も出す予定で、今後はこの動きを浸透させることが課題になる。

記者の目

 今回の政府の動きは、これまで以上に本気だ。自工会が即座に自主行動計画を発表し、自動車メーカーがフォローの動きを見せているのもその表れ。一方でこうした動きを中小同士の取引にも浸透させていけるかが課題だ。ある金型メーカーは「金型メーカーも外注を使うが、その取引にはひどいものもある」と話す。金型業界内での取引適正化も必要になる。

金型新聞 平成29年(2017年)2月10日号

関連記事

岩倉溶接工業所 金型補修の受託加工と技術支援を開始

ステンレスを主体に金属の溶接加工を手掛ける岩倉溶接工業所(静岡県島田市、0547・37・4585)は今年8月から、金型溶接の受託加工事業と金型溶接・仕上げの技術支援事業を開始した。金型補修における技術承継の課題解決に貢献…

自動車金型、2024年秋に需要回復か【特集:自動車金型の未来】

自動車の金型が試練の時を迎えている。半導体不足に端を発する新車開発の相次ぐ延期で受注が減少している。一方、電気自動車(EV)シフトが技術と産業構造に変革を迫る。生き残るカギは変化のうねりを見極め培ったノウハウや強みを生か…

3D Printing Corporation ワイヤーDEDで水管金型造形

速度求められるものや大型造形に最適 3D Printing Corporation(横浜市鶴見区、以下3DPC)が扱うMeltio社(スペイン)はこのほど、ワイヤーDED方式の金属3Dプリンタで冷却水管の金型の造形に成功…

精工技研 UV硬化樹脂で大口径レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

独自の成形、金型技術で実現 樹脂レンズの光学設計から金型、成形、組立までを手がける精工技研は、紫外線(UV)硬化樹脂を用いた大口径レンズを開発した。独自の成形技術や金型技術によって実現。熱可塑性樹脂やガラスでは要求が満た…

【金型生産実績】2020年8月 26.8%減の238億3,700万円

【金型生産実績】2020年8月 26.8%減の238億3,700万円

プレス型は28.9%減、プラ型は17.9%減  2020年8月の金型生産は、前年同月比26.8%減の238億3,700万円と大きく落ち込んだ。前年8月は17.6%増と前々年よりも大きく伸びており、変動幅が大きくなった。前…

トピックス

関連サイト