DXの本質は利益を生み出すことにある。以降では、DXによって「売上げを上げて利益を生み出す」方法と「コストを下げて利益を生み出す」企業のそれぞれの取り組みを取材した。 IoT×特許で価値創造 繁閑の波が激しい中で、いかに…
日型工業 高機能シェル中子型
特殊断熱材で型ぞり防止
金型表面温度を均一に
日型工業(埼玉県川口市、048・283・6111)が開発した特殊な断熱材を用いたシェル中子型を採用するユーザーが増えている。消費電力の削減や型ぞりの防止につながることが評価されているためだ。
すでに特許出願も済ませた、このシェル中子型はシートタイプのヒーターと、保温効果の高い高機能断熱材が特長(写真)。シートタイプのヒーターは600℃までの高温に対応し、棒タイプのヒーターに比べ、金型表面の温度を均一に管理できる。
もう一つの肝の断熱材は、高炉の断熱材としても使われる高純度なジルコニアなどで作られたもので、「脆くて使いづらい材料」(技術開発チームの笠松士郎リーダー)を金型で使えるようにした。
熱伝導率は0.021W/mkと静止空気の理論値よりも低いため、空気の層を利用する断熱材と比べても圧倒的な効果を発揮する。
その効果の一つが電力量の削減だ。型温300℃にした金型では2割以上の消費電力削減に成功した。もう一つの大きな効果が型ぞりを防止できること。「具体的な事例はまだ数値化できていないが間違いなく型ぞりはおさえられている」(笠松氏)。さらに、この機構は既存の金型に組み込むこともできるという。
同社では、中子シェル型以外にも、超硬を用い長寿命を可能にする金型などの開発にも注力している。渡辺隆範社長は「価格や納期といった競争だけでなく、金型の機能を高めて価値を付けたい」としている。
金型新聞 平成29年(2017年)4月12日号
関連記事
研削盤など10億円投資 三菱電機は高精度ワイヤ放電加工機を増産する。名古屋製作所に大型平面研削盤など約10億円を投資し、高精度ワイヤ放電加工機「MXシリーズ」などの生産性を3割高める。モータコア用などの成長している分野…
レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡県駿河区)に入社したのは2年前。企業の販路開拓支援などに携わっていた前職時代、製造業とも多く関わる中で「世の中は製造業がなければ成立しないということを肌で感じ、自分…
技術と経営 両輪が必要 理念貫き外需開始 金型メーカー座談会 若手経営者が語るー業界の魅力高めるためには 第一部ー 新春座談会・第二部は「海外展開」、「金型経営に必要な要素」がテーマ。「外需を取り込む」「内需に絞る」と各…
前年同月比17.5%増の327億6,200万円 プレス型は21・4%増、プラ型は15・9%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成27年2月の金型生産実績をまとめた。それに…


