プレス金型から加工までを手掛ける昭芝製作所は「金型スマート棚卸・探索システム」を自社で開発し、2019年に導入。同システムは、無線自動識別(RFID)を活用し、簡単に金型の探索や棚卸ができる。 同社では約4000型を管理…
NEDO 今西大介氏に聞く
自動車部品の行方
ハイテン、アルミ、CFRP
マルチマテリアル化が加速
燃費規制が自動車の軽量化を加速させている。それに伴い、アルミやハイテン材(高張力鋼板)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など素材の開発も進む。金型づくりにどんな影響があるのか。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)で、「車体軽量化に係る構造技術、構造材料に関する課題と開発指針」を検討した材料・ナノテクノロジー部主任研究員の今西大介氏に軽量化の動向を聞いた。
―軽量化が求められる背景について教えて下さい。
「CO2排出量規制が大きな理由ですね。欧州では2020年に15年比で二酸化炭素(CO2)の排出量を3割近く減らさなければなりません。さらにこれまでの流れを見ていると、30年には15年の半分強の排出量まで減らす必要が出てくると思います。当然、CO2を減らすには自動車を軽くしなければなりません」。
―燃費規制に対しては電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の開発も進んでいます。
「その進歩は凄まじく、将来が見通しづらいため、我々の調査では従来のエンジン車の軽量化に絞りました。そこで分かったのは、エンジン車では、『軽量化』と『パワートレイン系の進化』の燃費への影響度は1対3程度だということです。つまり、エンジン車の燃費改善の25%は軽量化が担わなければならないのです」。
「軽量化が重視されるのは多くの利点があるからです。例えばEVでは軽量化できれば航続距離を伸ばすために電池を多く積むこともできます。つまりEVでもFCVでも、軽量化は自動車メーカーにとって常に必要な課題なのです」。
―素材はどう変わっていきますか。
「部位ごとに異なりますし、素材開発は日進月歩ですから見極めは難しいのです。我々のプロジェクトでは、現時点での構造部(フレーム系と外板系)で複数のシナリオを考えています。まず一つ目はハイテン材を限界まで使うケース。剛性が必要な部分では限界が来るため、フレームでつぶさなければならない部位や、外板部はアルミ化すると考えられます」。
―ほかのケースは。
「二つ目がハイテンに拘らず、適材適所の材料を採用するケースです。フレームのつぶさない部位ではCFRP、外板部などにアルミの採用が考えられます。三つ目は最も軽量化できるCFRPの実用化を前提とした場合。熱可塑性や熱硬化性のものの採用が想定されます。いずれの場合も、価格や技術の進化の速度もありますが、25年頃までに見極めがなされるように思います」。
―金型には何が求められるでしょう。
「まずアルミやCFRPなどの新素材向けの金型技術が必要になるでしょう。複数の材料を適材適所に採用する『マルチマテリアル化』も進むので、複数の材料を接合する技術が重要になります。素材ができて、それを自動車に採用するにしても、素材と自動車を結ぶ加工に係るプレーヤーは絶対に必要なので、金型技術はより重要になってきます。我々のプロジェクトも今後は加工の部分に入っていきますので、金型メーカーも参画して欲しいですね」。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
材料ナノテクノロジー部主任研究員
今西 大介氏
名古屋工業大学大学院卒業後、ソニー入社。同社中央研究所で半導体レーザーの開発を行う。2005年の愛知万博での2005インチプロジェクションディスプレイのレーザー光源の開発や、「プレイステーション2」に搭載された世界初の2波長半導体レーザーの開発などに従事。2013年NEDOに出向、主任研究員として、革新的新構造材料等研究開発に携わる。
金型新聞 平成29年(2017年)5月12日号
関連記事
モーターコア、電子部品好調 三井ハイテックが3月15日に発表した2021年1月期連結決算の売上高は、973億5100万円と前期比11.9%増となった。5Gや車載向けの半導体が堅調で電子部品が伸びたほか、電動車向けのモータ…
分解不要でスケール除去 ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)は、冷却水管内部のスケールや錆を除去できる洗浄液と専用装置を開発した。6月のインターモールド名古屋で発表する。高い洗浄効…
3ヵ年計画で生産性1.5倍に 継続的な設備投資で生産性向上 「3ヵ年計画で金型工場を2012年対比で生産性を1.5倍に引き上げる」と目標を語る海田社長。同社はインパネ、バンパーなど自動車の大型プラスチック成形用金型を得意…
自動車を中心に高精度かつ複雑形状な部品の開発、金型製造、量産まで手掛ける久野金属工業。EVなど次世代自動車の部品を生産する一方、ITを活用した改善活動など社内改革も積極的に行っている。その改革を推進してきたのが入社19年…


