金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

14

新聞購読のお申込み

【検証】変わる金型基金 新たな船出2
3つの大きな課題解決へ

 日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘理事長、以下金型基金)が今秋に制度移行を進める狙いは、現制度で抱える課題を解決するとともに、退職金の年金化など福利厚生の持続可能な制度の構築にある。以降2号にわたり、今の大きな3つの課題と制度移行によるそれぞれの解決策をみていく。

【前号:【検証】変わる金型基金 新たな船出 解散後、新制度に移行

 現制度では「定額加算」、「高い予定利率」、「終身年金」の3つが大きな課題となっている。まず、1つ目の「定額加算」とはどういうものか。金型基金では将来、支払われる年金のための掛け金は事業者が支払い、給付は各人が受け取る。定額加算は、掛け金は給与に比例するにもかかわらず、加入期間のみによって給付額が変わる仕組みだ。つまり、給与を多くもらっている役職者も、一般社員でも同じ期間働けば同じ額が給与される。 

 なぜこうなったかというと、業界特有の事情もある。基金設立時の1969年は右肩上がりで創業者も多い時代。「社員が辞めた時に多く年金を取ってほしい」という、経営者に比べ収入の低い社員に十分に加算があればいいという親心からだ。

 新制度では退職金を意識した給与に比例する形に変える。具体的には掛金率を8パターンから選べ、大きな掛金を払った企業にはその分給付も増やす。つまり多く給付している企業に勤める個人の給付も増える。

 2つ目が「高い予定利率」を安定的に運用できる水準に見直すこと。年金の給付額=掛金+予定利率に基づいた運用益でまかなわれる。予定利率が実際の運用利率を下回れば不足金が発生し、補うには掛け金を増やさなければならない。

 こうした背景から発足時に5.5%と非常に高く設定していた予定利率を2014年に4%に引き下げたが、それでも高い水準にある。今回の制度移行では、予定利率を2%程度に引き下げる計画だ。この数字の根拠は99年以降の平均運用利回りが2.24%だったため。実際の運用利回りより予定利率を低く見積もることで、不足金を出さずに、安定的に運用していくのが狙いだ。

 次号では、3つ目の「終身年金」が抱える課題とその解決策、制度移行するメリットなどについてみていく。

金型新聞 平成30年(2018年)2月10日号

関連記事

Sun Ai スモールスタートで自動化を促進 【特集:放電加工〜最新技術はこう使え〜】

電極・ワーク外段取り器プリセッター、1台で複数加工機に対応 昨今、国内の製造業は慢性的な人手不足に陥り、生産現場の自動化・省人化が不可欠になっている。しかし、高額な設備投資が課題となり、自動化が進んでいないのが現状だ。 …

進化への岐路
2020年 日本の金型

 2020年の金型業界はコロナ禍に翻弄された年になった。自動車産業を始めとしたユーザーの生産減や開発遅延などにより、金型需要は減少し、景況は悪化した。一方で、これまでと同じような活動ができないことで、ビデオ会議システムや…

日本鍛圧機械工業会 長利啓正会長(コマツ産機社長)インタビュー【特集:プレス加工の未来】

電動車による部品の変化や脱炭素対応などさまざまな変化に迫られている金型業界。見てきたように、こうした変化に対応すべく、プレス金型の製造現場ではいろんな取り組みを進めている。一方で、環境変化によってプレス機のニーズは変わる…

ソディック 情報伝達の自動化、ハードつなげる提案も【特集:金型づくりを自動化する】

自動化の仕組みづくりを支援 ソディックはハードだけでなく、工程間のさまざまなデータをつなぐ自動化の仕組みづくりを提案している。その肝となるのが、加工や計測プロググラムなどの「情報伝達を自動化する」(プロダクションイノベー…

金型メーカー座談会 若手経営者が語る
ー業界の魅力高めるためには 第一部ー

変貌する経営環境 順応の精神がカギ 座談会出席者(50音順) エムアイモルデ 宮城島 俊之社長  ヘッドライトなど自動車関連が主力のプラスチック金型メーカー。従業員は5人。本社は静岡県富士市だが工場は中国蘇州にあり、日本…

トピックス

関連サイト