金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

01

新聞購読のお申込み

金型企業の代弁者として情報を発信
日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

 人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かっていくか。新しく日本金型工業会の会長に就任した小出悟氏(小出製作所社長)に業界団体として取り組むべきことや今後の方向性などを聞いた。

組織として存在感高める

ー日本の金型産業が抱える最大の課題とは。
 時代が大きく変わろうとしている中で、その変化にどう対応するかが最大の課題だ。金型の需要の大半を占める自動車産業では電動化や自動化などによって100年に1度の変革期にあると言われ、既存の大手メーカーでも主導権をとれるとは限らない。新興メーカーの台頭によって今まで顧客だったところが変わる可能性も大いにあり得る。こうした変化を乗り越えるには、“チームジャパン”で世界と対峙しないといけない。

ーそのためには。
 金型メーカーはもっと量産を意識するべきではないか。金型を量産の道具と捉えると、ユーザーのことを考えなければ本当の意味で良い金型はつくれない。一方で、ユーザーも新しい素材や形状を量産するとなれば、それに対応した金型が不可欠。川下から川上産業までが一体となり、今まで以上に強い協力関係を結ぶことで、競争力の高いものづくりができると考えている。

ー人材も課題と言われている。
 やはり産業を維持、発展させていくには人が欠かせない。外部環境の変化に対応できても、人手不足によって産業が瓦解しかねない。当工業会としては、海外人材の活用事例の発信や、金型の広報用DVDを作成して学生や一般向けの広報活動を積極的に進めたい。

ー昨年は次世代のリーダーを育てるための「金型マスター認定制度」を立ち上げた。
 これからの時代、今までのように腕が良いだけで良い人材とは言えなくなっている。特に中核を担っていく人材にはマーケティングやマネジメントといった能力が求められるし、海外の商習慣なども把握しておかないといけない。「金型マスター認定制度」は、今後も継続的にアカデミーを開催し、まずは昨年認定した71人をグレードアップさせていく。そして来年には第2回の募集をするつもりだ。

ーそのほかに取り組みたいことは。
 地域の活動を重視したい。全国の集まりなので、今までの型種別の活動だけでは全ての会員が参加するには限界がある。すでに静岡の浜松部会や北陸部会、九州地区会などがあるので、今後は中国や四国地区などにも活動を広げたい。

ー業界団体として今後の方向性は。
 会員が満足する活動を進めるのはもちろんだが、それだけではなく日本の全ての金型メーカーの代弁者として情報を発信していく。それには会員増強が不可欠。当工業会の組織率は全国の金型メーカー6535社(2015年工業統計)に対して、会員数は407社(8月現在)とまだ5%強だ。これを20~30%に引き上げることで、国や政府に対しても存在感を高めていきたい。

金型新聞 平成30年(2018年)8月10日号

関連記事

久野功雄氏

【プレス型特集】
久野金属工業 久野 功雄専務に聞く
飽き性を夢中にさせたプレス金型の魅力

自動車を中心に高精度かつ複雑形状な部品の開発、金型製造、量産まで手掛ける久野金属工業。EVなど次世代自動車の部品を生産する一方、ITを活用した改善活動など社内改革も積極的に行っている。その改革を推進してきたのが入社19年…

【鳥瞰蟻瞰】碌々産業社長・海藤満氏「優れた人材の発掘と育成が新たな世界の創出につながる」

重要なのは加工技術者 優れた人材の発掘・育成が、新たな世界の創出につながる  いまや我々の日常生活に不可欠なものとなったスマートフォンや極小な電子機器。これらは微細加工技術があったからこそ生まれました。ミクロンやナノとい…

5年で売上高30億円
ジェービーエム 小谷 幸次社長に聞く

 Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省…

【新社長に聞く】シー・アイ・エム総合研究所  富田 英史社長「現場と経営つなぐ司令塔に 」

とみた・ひでし1999年慶応義塾大卒。システム会社での開発経験を始め、日本ヒューレットパッカードや日本オラクルでコンサルティング部門の部門長を歴任。直近では政府系ファンド出資のランドデータバンクの立ち上げに専務執行役員と…

この人に聞く
パンチ工業 森久保 哲司 社長

ものづくりへの回帰 昨年11月、パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)の社長に就任した。「ものづくりへの回帰」を掲げ、商品開発や加工技術のレベルアップなどに取り組み、今まで以上にユーザーの要求に応えていく考…

トピックス

関連サイト