金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

23

新聞購読のお申込み

金属3Dの新技術開発 大型部品の造形可能に
 三菱重工工作機械

加工条件を最適化

 三菱重工グループの三菱重工工作機械(滋賀県栗東市、077・553・7700)はこのほど、金属3Dプリンタに関する新技術を開発したと発表した。自動で最適な造形条件を最適化できるほか、チャンバー不要で大型部品の造形が可能になるなど、金属3Dプリンタの領域や市場拡大につなげる。

 同社が昨年発表した金属3Dプリンタ「LAMDA(ラムダ)」は粉末を照射し溶融凝固させて積層するパウダーデポジッション方式。粉末を敷き詰めて造形するパウダーベッド方式に比べ、速度が10倍早く、大型の部品の造形もできる利点がある。しかし、造形品質の安定化や、更なる大型対応が求められてきた。

 今回開発した「モニタリングフィードバック機能」と「ローカルシールド機能」はこうした課題に対応した。前者はカメラやセンサなどで造形状態を常に監視。その結果に基づき、レーザー出力などをリアルタイムに制御し、自動で造形条件を最適化する。造形品質の向上、安定化に役立つ。

 後者はノズル部に大気の巻き込みを防止するシールドガスを生成し、造形時の酸化を防ぐ。これまで装置内部を不活性化ガスで密閉化するチャンバーなどが必要だったが、大規模な装置が不要になり、造形物の制限がなくなるので、大型の部品の造形も可能になる。航空機などで課題となっている大型部品の適用を狙うという。

  2つの技術はラムダのオプション機能として提供する。

 同社では「金属積層造形という新たなアプローチで、これまでの技術では限界だった領域を広げていきたい」としている。

金型しんぶん 2019年6月7日

関連記事

NXにキャムツール搭載<br>C&Gシステムズ

NXにキャムツール搭載
C&Gシステムズ

 C&Gシステムズは4月1日、米シーメンスPLMソフトウェア社とパートナープログラムを結んだと発表した。シーメンスPLMソフトウェアの3次元CAD/CAM「NX」に、C&Gシステムズの金型向けCAM「キャ…

自動で5軸の干渉回避
C&Gシステムズ

キャムツールの新版  C&Gシステムズは4月、効率的な干渉回避を自動で算出するなど、同時5軸加工に対応する機能を盛り込んだ「CAM‐TOOL(キャムツール)」の新版「V15・1」を発売した。  今回追加した「同…

多彩な工具を使いこなす
三菱重工工作機械

精密加工機「μV5」 三菱重工工作機械の公式製品紹介は、こちらから 現場の課題  自動車部品で、小径工具の加工が必要な金型が大型化。幅広いサイズの工具やワークに対応できる高精度なマシニングセンタが求められている。 提案・…

工作機械の稼働状況を監視
双葉電子工業

IoTモニタリングシステム  双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)はこのほど、工作機械向けIoTモニタリングシステムを発売した。工作機械の稼働状況をクラウド上で管理し、モバイル機器から稼働実績を把握する…

七宝金型工業 焼き嵌め工具の自動交換装置を開発

人的ミス、作業時間を削減 ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は工作機械や研削機の設計製造を手掛けるサンテック(滋賀県草津市)と共同で、焼き嵌めホルダと切削工具の着脱を自動化する…

トピックス

関連サイト