金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

21

新聞購読のお申込み

5年で売上高30億円
ジェービーエム 小谷 幸次社長に聞く

 Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省人化や金属積層など新しい技術開発にも取り組む。そこで、昨年社長に就任した小谷幸次氏に、同社の今後の方向性について伺った。

トータル提案を強化
技術者教育も視野に

50年という節目を迎え、今後どのような方向性を描いていますか?

 今まではソフトウェアを中心とするモノ売りがメインだった。これからはコト売りで差別化しないといけない。顧客の課題に合わせて、CAD/CAMではMastercam、ロボットではOCTOPUZ、計測ではVERISURF、積層ではLUNAなど、顧客が実現したいことをトータルで提案できる体制を強化したい。人手不足による自動化ニーズは高く、ロボットの導入ではSlerとの関係強化を進めており、最適なシステムをより早く提案できる体制を整えている。

金属加工現場ではどのような課題があると見ていますか?

 技術者の後継者が不足していると感じる。この流れは日本だけでなく、アメリカなど世界で共通だ。今までの現場教育は「先輩の背中を見て学べ」だったかもしれないが、今後はロボティクスが必要で、AIを駆使して、磨きやバリ取りなどをロボットで行うようになる。また、現場は忙しいので、機械を動かすオペレーターの教育も進んでいない。

教育は大きな課題ですね。

 当社もCAD/CAMの講習会を定期的に開いていて、教育ニーズは高いと感じている。ロボットなど様々なソフトウェアを取り揃えているので、今後は教育事業も強化したいと考えている。

ほかに注目する市場は?

 ロボットのほか、積層技術の進化は止まらないと思う。航空機産業では従来、複数の部品を製造していたのを積層で一体化にする技術が進んでいるものの、ソフトウェアが追いついていない。当社のレーザー積層向けアプリであるLUNAやレーザー焼き入れ用SOLの開発を進めれば、提案の幅が広がる。

10年後には?

 昨年の経営方針で発表しているが、まずは5年後に現状の売上高の倍にあたる30億円を目指す。今までの考え方や方法では市場が縮小してしまう。方向性を明確にし、ユーザーニーズに応えられる会社にしていきたい。

金型しんぶん 2019年8月10日

関連記事

シミズプレス 金型工場を新設し高精度化と外販の強化【金型の底力】

プレス加工メーカーのシミズプレス(群馬県倉賀野市、027-320-2880)は今年10月、金型工場を新設した。これまでプレス量産工場内にあった金型加工設備を移設。金型加工の高精度化を図り、モータコア用金型など新規分野の開…

匠ソリューションズ 金型や湯の温度を見える化【金型応援隊】

ベテランの勘・コツに頼らない部品工場を目指し、生産現場への型温・湯温の見える化の要求は高まっている。 匠ソリューションズが開発した生産中の型温・湯温見える化システム「TWINDS‐T」は、①作業を邪魔しない温度データワイ…

電動化3種の神器に挑む
〜生産現場を訪ねて〜 ニシムラ(愛知県豊田市)

特集  次世代車で変わる駆動部品の金型(バッテリー、モータ、電子部品)  「自動車向けの金型を手掛ける企業は今後、バッテリー、モータ、電子部品、この3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」と話すのはプレ…

金型企業の代弁者として情報を発信<br>日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

金型企業の代弁者として情報を発信
日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

 人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かって…

明輝 岩手・一関工場で挑む金型加工の効率化、高精度化【Innovation〜革新に挑む〜vol.2】

バンパーやグリルなどの自動車部品を中心に、家電製品、一般産業用品といった幅広い産業分野のプラスチック射出成形用金型を手掛ける明輝(神奈川県厚木市、046-224-2251)。同社は20年以上に渡ってMOLDINOの切削工…

トピックス

関連サイト