オートフォームジャパン(東京都港区、03・6459・0881)はスイス・オートフォーム社の日本法人として2007年に設立された。シミュレーションソフトメーカーでは後発となる同社はプレス成形に特化し、圧倒的な計算速度を強み…
この人に聞く
パンチ工業 森久保 哲司 社長
ものづくりへの回帰
昨年11月、パンチ工業(東京都品川区、03-6893-8007)の社長に就任した。「ものづくりへの回帰」を掲げ、商品開発や加工技術のレベルアップなどに取り組み、今まで以上にユーザーの要求に応えていく考え。「当社は世の中に無いものを開発して成長してきた。この精神を受け継ぎ、これからもチャレンジを続けていきたい」と話す森久保哲司社長に注力する取り組みや今後の方向性などを聞いた。

加工技術より高度に
どんな会社を目指すか。
「ものづくりへの回帰」を目指す。当社は1982年に当時加工が難しいとされていたハイス鋼を活用したエジェクタピンの開発を進め、当社独自の規格で標準化。そして世界で初めて量産化に成功し、金型部品の寿命を飛躍的に向上させるなど、今まで世の中に無いものを開発して成長してきた。この精神を受け継ぎ、これからもチャンレジを続けていくことに変わりは無い。
一方で、今は加工機の性能が向上し、設備を導入すれば、ある程度の技術やノウハウはカバーできるようになっている。こうした状況に危機感を抱いており、改めてものづくりの力を高めていきたいと考えている。
具体的には。
材料や表面処理などの技術には設備の力だけではカバーできない部分がまだまだ多いとみている。お客様のニーズを捉え、材種やコーティングの種類など標準品のレパートリーを増やして差別化を図っていきたい。
製造面ではどうか。
サブミクロン台の加工精度や複雑な3次元形状など、より高度な加工技術が要求される分野にチャレンジしていく。例えば、医療や飲料向けの金型部品などだ。そのために現在、生産体制の再編を進めている。加工公差100分の1ほどの比較的簡単な標準品の生産は2016年に立ち上げたベトナム工場に移管し、日本や中国工場は特注品や新規分野の加工に特化させている。今後は製造技術のレベルアップを図り、お客様が求める品質に応えていく。
その他の取り組みは。
自動化・省人化にも注力している。昨年、北上工場(岩手県北上市)に協働ロボットを導入し、自分達でプログラムを組む事に挑戦した。自社で様々な使い方を試し、知識や経験、ノウハウを蓄積させている。人手不足への懸念や生産性向上の期待から取り組み始めており、将来的には夜間自動運転を目指す。
デジタルエンジニアリング事業はどうか。
図面の無い部品をデータ化し製造するというのが目的だったが、今後は新しい展開も検討している。例えば、金型を現物ではなくデータで保管することで金型保管の負担を減らすことができないかなど。現在はどんなニーズがあるか情報収集をしている段階だ。将来的には事業規模を大きく拡大させていきたい。
欧米市場開拓に力
海外展開は。
欧米市場の開拓に力を入れる。現在の海外比率は約60%で中国や東南アジアが中心。一方、欧米は日本より大きな市場であるにも関わらず、上手く開拓できていなかった。そこで昨年、欧米戦略室を設立し欧米市場への営業を強化している。効果的に営業活動し、売上を伸ばしていく。今後も世界中に安心した製品を届け、選ばれる企業であり続けたい。
金型しんぶん 2020年1月10日
関連記事
新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…
比重計の製作やスチームクリーナーなど各種機器・器材の販売を手掛けるアルファーミラージュ(大阪市都島区、06-6924-2631)はこのたび低価格工業用内視鏡「MRA‐28W」と「MRT‐40TH」の販売を開始した。 「M…
設計から検査まで一貫対応 三重県桑名市の伊藤英男鉄工所はダイセットなど大型金型部品の精密加工を強みとする技術者集団だ。手掛けるのは、2500×4000×1300㎜クラスのダイセットの全加工から航空機部品まで幅広い。マシ…
事業継続のために始めた3S人を変え、行動体質にカギはブレない姿勢とビジョン 当社は冷間鍛造金型や文書・図面管理ソフト『デジタルドルフィンズ』、教育事業を手掛け、従業員数は23名です。社内のフリーアドレス化、リモートワー…