金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

30

新聞購読のお申込み

見せる工場で魅力発信
近畿経産局

オープンファクトリーシンポ

 近畿経済産業局はグランフロント大阪タワー(大阪市北区)で「関西オープンファクトリーシンポジウム~企業を見せれば人が育つ⁉︎」を開き、近年盛んになってきたオープンファクトリーについて基調講演とパネルディスカッションを行い、実際に工場をオープン化させた効果や課題など事例を紹介した。

 オープンファクトリーは様々な企業が趣向を凝らして取り組んでいる。これらの実態を調査している同局・2025NEXT関西企画室の津田哲史氏によれば、オープンファクトリーは昔の工場見学とは少し違うと指摘。「工場を見せることは1つのコンテンツ。オープン化した25社の企業にアンケートを行うと、売上の減少した企業はなく、人材育成や観光業との結びつき、製品・技術の可視化など、様々な方面で効果を発揮しており、今までお金にならなかったことがお金になっている」と話す。基調講演は日本一明るい経済新聞の編集長を務める竹原信夫氏は「うどんで有名な香川県で一番人気は製麺工場で食べるうどん。消費者の目線が変わり、工場は作るだけでなく売るところにもなっている」と語る。

 パネルディスカッションはオープンファクトリーに取り組む5社が登壇。自社ブランドで自動車用LEDライトの製造・販売を手掛ける日本ライティングは従来のOEM供給からの脱却を目指し、日本製をPRするために工場のオープン化を図った。「自社製品を作っても中々売れない。そこで工場見学を開き、商品や技術を紹介することで、車好きな一般消費者が多数訪れ、認知も広がった」と話す。工場見学では撮影OKを出し、見学者がSNSで広げてくれることもあるようだ。社内向けに始めたというのはインテリア商材の製造小売業を行う友安製作所。同社は社員と顧客が直接触れ合う「TOMOYASUフェスタ」を開催し、同社だけでなく地域の企業ともコラボしたものづくり体験や地元で人気のパン屋やケーキ屋も出店し、大勢の来場者で賑わうという。友安啓則社長は「社内の共通目的が売上しかなかったところ、イベント作りを通じて違った意識が芽生え、仕事の楽しみの1つになった。おかげで離職率は下がり、地域でも有名になって、イベントに来た子が入社することもある」と話す。同社は大阪・八尾のものづくり企業が連携する『みせるばやお』にも参画し、子供向けワークショップやコラボ製品も販売する。

 また、大阪の伝統工芸である注染手ぬぐいを手掛けるナカニは認知度を高めるために工場の見学会を始めた。中尾弘基専務は「大阪・堺の地場産業で日本一の生産量を誇りながら、誰にも知られておらず、専門店もなかった。それを変えるために、専門店を立ち上げ、100%OEMだったのを、自社ブランドも確立した。今は30代など若手も増え、美大出身の女性が現場の職人として活躍している」と喜ぶ。次はお店の中に注染を体験できる工房も併設するようで、観光業と結びついて、体験と宿泊を兼ねた施設の検討も始めている。オープンファクトリーは社内外とのつながりを深め、新たな展開を生み出すきっかけになり、1つのコンテンツとして役目を担っている。

金型しんぶん 2019年12月10日

関連記事

7月の金型生産実績

7月の金型生産実績

前年同月比 1.8%減の311億7,400万円 プレス型は16.7%減、プラ型は18.4%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年7月の金型生産実績をまとめた。それに…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

広州丸順 中国金型メーカーと提携

受注拡大、相互補完を目指す 丸順の連結子会社・広州丸順汽車配件が中国四川省の金型メーカー成都普什汽車摸具と中国市場における金型及び自動車部品に関する戦略的業務提携契約を締結する。 市場拡大が続く中国自動車市場において、金…

松井製作所 皮革と樹脂をコンパウンドした新素材の販売を開始

松井製作所(大阪市中央区、06・6942・9555)はこのほど、皮革と樹脂をコンパウドした新素材の販売を開始した。射出成形で本革同様の質感が再現可能で、単なる材料販売にとどまらず、成形技術のサポートを含めた包括的なソリュ…

元本田技研工業 田岡秀樹氏に聞く【特集:自動車金型の未来】

電動化に3つの方向性 電動化やギガキャストで変わる自動車づくり。元本田技研工業で型技術協会の会長も務めた田岡秀樹氏は「自動車業界はゲームチェンジの局面を迎えており、破壊的なイノベーションが起きている」とみる。一方で「中小…

トピックス

関連サイト