金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

09

新聞購読のお申込み

この人に聞く
ツバメックス 山村福雄 社長

サンスターグループ傘下に

工業大学卒業後、富士テクニカ入社。99年同代表取締役社長、2000年ヒラマツ(現富士アセンブリシステム)代表取締役社長、13年ツバメックス入社、16年同代表取締役社長、現在に至る。

 プレスやプラスチック金型を手掛けるツバメックス(新潟県新潟市、025-375-4945)は今年2月、オートバイ用部品などを手掛けるサンスター技研(大阪府高槻市、072・681・0351)に全株式を譲渡し、サンスターグループの傘下に入った。「金型メーカーという範囲だけでなく、もっと広い視点で金型づくりを考え、事業を展開していく」と話す山村福雄社長にこれまでの経緯や今後の展開、方向性などを聞いた。

広い視点で金型づくり

なぜサンスターグループの傘下に入ったか。

 当社の株式は4年ほど前から投資ファンドが保有していた。出口戦略としてサンスター技研への株式譲渡を選択したのだと思う。譲渡先がどこになるか心配だったが、当社としては幸運だった。

そう言える理由とは。

 サンスターというと、一般的に歯ブラシやハミガキといったオーラルケア用品のイメージが強いが、祖業は自転車部品やパンク修理用ゴムのり。現在、自転車部品はディスクブレーキやスプロケットといった自動車やオートバイ用金属部品、ゴムのりは自動車・建築用の接着剤やシーリング材に発展している。当社が持つ技術との関連性が深く、共同開発や事業拡大など多くのシナジー効果が発揮できると考えている。

部品一式で受注

どんなシナジー効果が期待できるか。

 一つのシステムとして提案できるようになるはずだ。当社の金型技術とサンスターが持つ部品加工技術や接着技術を組み合わせることで、例えば、自動車のリアやサイド、フロント一式を丸ごと受注することが可能になる。

 また、自動車は近年、軽量化のため、金属と樹脂など異なる材料を組み合わせる「マルチマテリアル化」が進んでいる。異種材を接合する「異種接合」や「インサート成形」の需要は今後益々高まることが予測される。両社の技術を組み合わせることでこうしたニーズにも対応できるだろう。

その他に期待することは。

 グローバル展開の拡大だ。現状、インドやパキスタン、タイなどに金型を輸出しており、海外比率は4割ほど。今後海外需要は増加するとみており、サンスターグループのネットワークを活用し、グローバル展開を加速させていきたい。

 一方、そこで課題となるのが中国や韓国、台湾といった海外金型メーカーとの競争にどう勝っていくか。納期やコストに加え、日本の技術力を発揮して差別化を図っていきたい。

日本の技術力とは。

 現場で起こった現象を検証し、改善する力のことだ。この力は長年蓄積してきたノウハウや経験によって身に付く。ただ、今までこうした力は個人に依存することが多かった。今後はこうしたものづくりの本質的な部分をいかに整理し、自社技術として残していけるかが重要になる。当社では以前からITを活用し、過去履歴やノウハウの「見える化」に取り組んでいる。絶えずデータを蓄積し、競争力の強化につなげていきたい。

近年、金型メーカーのM&A事例が増えています。

 自動車業界で言えば、自動車メーカーの発注形態が大きく変化し、部品単体ではなく、一式で発注する傾向が強まっている。こうした案件の情報をいち早く捉え、需要に対応するには、今まで以上に自動車メーカーや部品メーカーと近い距離で事業を展開する必要がある。その一つの方法がM&Aだ。当社としても今後、金型という狭い範囲だけでなく、もっと広い視点で金型づくりを考えて事業を展開していく。

金型しんぶん 2019年12月10日

関連記事

2021年に売上高50億円
オネストン 鈴木 良博社長に聞く

 パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…

木村有貴さん 金属3D造形の困りごとを解決する【ひと】

金属3Dプリンタで造形した金型部品のトラブルを分析・解決する「診断士」のような業務を担当する。珍しいトラブルほどテンションが上がるそうで、「難しい問題を解明できた時の達成感が何よりも気持ちがいい」。 大学では金属材料を研…

日型工業 金型技術ライセンスを供与 知財戦略でビジネスモデル変える【金型の底力】

金型を売り切るだけでなく、金型技術を活かし、収益をどう安定化させるかー。金型メーカーにとって普遍的な課題だ。鋳造型を手掛ける日型工業は独自技術を他社にライセンス供与し、収益化につなげている。「多くの人に使ってもらうことで…

【この人に聞く】テクノア社長・山﨑耕治氏「システムにおける中小企業の専門医として導入検討時の不安を取り除く」

 一品一様の世界である金型産業は生産や技術面で人に頼ることが多く、デジタル化が喫緊の課題。そこで生産管理システムで生産性向上や経営のサポートに取り組んでいるのがテクノア(岐阜県岐阜市)だ。金型など中小企業向けで多品種少量…

企業と学生つなぎ交流の場をつくる 鳥飼祐介氏(経済産業省企画調整係長)【鳥瞰蟻瞰】

素形材産業の人手不足は、業界共通の課題です。製造業全体の平均から見ても、求人倍率が高い傾向にあります。中途採用や外国人労働者に頼り、人手を確保している企業が多い。 しかし、人手を確保できれば誰でも良いわけではありません。…

トピックス

関連サイト