精密プレス金型やプレス加工を手掛ける寺方工作所(鳥取県北栄町、0858・36・4311)は、口から抜けるときにスッと滑るような口当たりのデザートスプーン(ステンレス製)を発売した。 底の曲面が緩やかで、楕円の半球状のスプ…
冷間鍛造で新市場開拓
ニチダイ
電池ケースなど視野

冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは独自の鍛造技術を駆使して新たな市場の開拓に乗り出す。まずは、電気自動車などで脚光を浴びる電池ケースやバッテリー市場向けに鍛造技術を応用して、ケースの強度向上や生産性向上をアピールする。
近年、冷間鍛造金型の新たな市場を求め、社内に新規開発プロジェクトチームを立ち上げ、冷間鍛造技術を応用することで従来異なる工法で生産されていた電池ケースなど高度な部品への採用を目指す。担当者は「積み重ねた開発力で既存とは異なる業界に貢献できないか考えている。電池ケースは従来、絞り加工で成形されていたが、強度や素材のムダといった課題もあると聞く。当社の技術は円柱素材をムダなく使い、ケース形状に仕上げることができ、技術的な課題解決や生産性向上につながる」と話す。
1959年、大阪で田中合金製作所として創業。ボール盤を改造した自家製放電加工機を用いた異形線引用超硬ダイス加工から始まる。80年代後半には研究開発用に油圧式複動プレス機HED‐800を導入し、金型製作のみならず鍛造技術の開発に着手。パンタグラフ方式という金型機構を取り入れた『閉塞ダイセット』の開発に成功した。
当時、上下のパンチで円柱素材を押出して側方へ押出す閉塞鍛造技術が生み出されたが、特殊な設備による膨大な費用がかかるなど課題もあった。同ダイセットを活用すれば、通常の機械プレス機でも閉塞鍛造が可能で、従来切削加工で生産していたベベルギアやクロスジョイントなど自動車部品の冷間鍛造化に大きく寄与し、顧客の生産性向上やコストダウンを実現。現在も技術開発企業として新技術の開発に注力。また、2013年にタイで冷間鍛造金型の生産を始めるなどグローバル化も進めている。
金型新聞 2020年4月10日
関連記事
専任管理者が不要 シー・アイ・エム総合研究所(東京都目黒区、03・5745・1181)はこのほど、個別受注生産向けプロジェクト管理システム「Dr.工程Navi」をリリースした。同製品は、大日程とイベントのみで計画の立案が…
レーザー溶接・金型補修機器メーカーのテラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)はこのほど、光産業創成大学院大学(浜松市西区)主催の光技術を使った事業計画を競うビジネスコンテスト「フォトニクスチャレンジ202…
室温±0.2度の恒温室 岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)はこのほど、本社工場内に室温22度±0.2度で管理された「ウルトラ恒温室」を設置した。鏡面金型プレートやスマホレンズ金型など超精密加工の…
精密金型の製造では、エンドミルでの切削やワイヤー放電加工の後に成型研削を行うのが一般的。しかし、研削量が少なく加工に時間がかかるのが課題だった。本稿では、ワンパスでミリ単位の材料除去を可能とする「クリープフィード研削技術…


