ダイヤモンドコーティングは工具寿命を向上させるために広く用いられている。一方でその表面粗さおよび高硬度ゆえに、モータコアやコネクタなどの製造用精密パンチが求める目的形状に加工するのが難しいという課題がある。本稿では極短パ…
冷間鍛造で新市場開拓
ニチダイ
電池ケースなど視野

冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは独自の鍛造技術を駆使して新たな市場の開拓に乗り出す。まずは、電気自動車などで脚光を浴びる電池ケースやバッテリー市場向けに鍛造技術を応用して、ケースの強度向上や生産性向上をアピールする。
近年、冷間鍛造金型の新たな市場を求め、社内に新規開発プロジェクトチームを立ち上げ、冷間鍛造技術を応用することで従来異なる工法で生産されていた電池ケースなど高度な部品への採用を目指す。担当者は「積み重ねた開発力で既存とは異なる業界に貢献できないか考えている。電池ケースは従来、絞り加工で成形されていたが、強度や素材のムダといった課題もあると聞く。当社の技術は円柱素材をムダなく使い、ケース形状に仕上げることができ、技術的な課題解決や生産性向上につながる」と話す。
1959年、大阪で田中合金製作所として創業。ボール盤を改造した自家製放電加工機を用いた異形線引用超硬ダイス加工から始まる。80年代後半には研究開発用に油圧式複動プレス機HED‐800を導入し、金型製作のみならず鍛造技術の開発に着手。パンタグラフ方式という金型機構を取り入れた『閉塞ダイセット』の開発に成功した。
当時、上下のパンチで円柱素材を押出して側方へ押出す閉塞鍛造技術が生み出されたが、特殊な設備による膨大な費用がかかるなど課題もあった。同ダイセットを活用すれば、通常の機械プレス機でも閉塞鍛造が可能で、従来切削加工で生産していたベベルギアやクロスジョイントなど自動車部品の冷間鍛造化に大きく寄与し、顧客の生産性向上やコストダウンを実現。現在も技術開発企業として新技術の開発に注力。また、2013年にタイで冷間鍛造金型の生産を始めるなどグローバル化も進めている。
金型新聞 2020年4月10日
関連記事
金属積層造形法により作製されるアルミダイカスト金型はその内部冷却の設計自由度の高さから注目され、実用展開されつつある。しかし、積層造形金型では内部冷却水路の腐食や表面粗さが課題となっている。本稿では積層造形金型の水路に防…
厚板・ハイテンに対応 三協オイルレス工業(東京都府中市、042-364-1471)はこのほど、最大加工力を同社従来品比約3.3倍の98.0kNに高めたカムユニット「SDCHL」を発売した。下置きタイプで、厚板材や高張力鋼…
岐阜大学が2018年に3カ年の研究開発である「スマート金型開発拠点事業」を始めた。労働人口減少時代を想定し、従来にはない高効率な生産システムの確立を目指し、金型を使った量産システムの不良率ゼロを目標に掲げる。同事業は文…
8枚刃エンドミル MOLDINO(東京都墨田区、03-6890-5101)はこのほど、立壁/底面仕上げ用 8枚刃エンドミル「ER(S)8WB‐ATH」を発売した。金型の立壁・底面仕上げ加工の修正を削減し、加工の省人化を実…