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JUNE

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アイジーエヴァース
〜金型の底力〜

航空機や医療部品も視野

稲垣徹也社長

 「いらっしゃいませ」。社員が立ち上がり大きな声で挨拶する。工場も同じく丁寧な対応で迎えた。来訪者へのおもてなしを大事にする、それがアイジーエヴァースだ。ギアなど自動車部品向けの冷間鍛造からダイカスト、プレス、プラスチックなど多様な金型を製作。特に5軸加工や複合加工といった最先端加工技術を研究し、顧客に高精度かつ短納期な金型を提供するのが強み。昨年はDMG森精機主催のドリームコンテストに初出品(ブルジュ・ハリファ)し、見事銀賞に輝くなど、今注目の金型メーカーだ。

 今年4月、創業60周年を機に稲垣鉄工からアイジーエヴァースに社名変更。アイジーはIとGで、Iはイノベーション、Gはジェネシス、併せて「技術革新の創世記」を表す。「革新や進化などの言葉が好き」と話すのは稲垣徹也社長。エヴァースは造語で「地球を進化させる」を意味し、新社名のもと全社員一丸で乗り切る構えだ。

DMG森精機の5軸加工機

 特色は最先端設備を活かした切削加工技術。長年取り組む同時5軸の加工精度は±5μを保証。「5軸加工では他社に負けない」と、10数年前から加工プログラム、工具姿勢、治具製作などトライ&エラーを繰り返し、ギアの深い部分も高面品位な加工を実現。現在も研究を重ね、さらに3μの精度を目指す。また、その加工技術を用いて工程短縮も図り、従来放電加工を必要とする冷間鍛造金型の加工工程を5軸加工機に集約。直彫り加工で高品質かつ短納期化を実現したことで「顧客からの信頼を得た」と、稲垣社長は自信を見せる。その研鑽された加工技術で次のステージにのぼる。

 まずは、トランスミッションやドライブシャフト、ブレーキシステムなど試作部品の総切削加工。さらにHV用モータジェネレーター(MG)のセグメントコイル成形用治具の製作だ。「詳しくは言えないが、MGは特殊な5軸加工法とアッセンブリ製作している」という。しかし、稲垣社長はそこで満足しない。「自動車分野への依存度が高く、CASE時代では自動車だけで売上拡大は難しい。コロナウィルスの影響もあり、無駄な在庫や工具、人の動きを見直し、テスト加工など技術を高める」。

冷間鍛造5軸直彫り型のワーク

 加工テーマの1つが微細加工だ。恒温工場を作り、最小R5μの超硬エンドミルを使い、凹R5μのリフレクターといったプラスチック金型の加工に挑戦。さらに、工場環境改善のため切削油も検討し、ブラザー・スイスルーブ製を採用。「異臭防止だけでなく、適切な管理でコスト低減と生産性も向上した」と話す。目指すは他社にない切削加工技術のブランド企業。その視線の先には金型分野のみならず、航空機や医療向けの樹脂やチタン、CFRPといった材料の1品加工も視野に入れ、現状の売上高21億円から2030年には30億円を目標に加工技術の強化を図る。

 

本社工場
  • 住  所: 愛知県刈谷市小垣江本郷下55-1
  • 電  話:0566-21-3287
  • 代表者: 稲垣徹也社長
  • 創  業: 1960年
  • 従業員数: 90人
  • 事業内容: 冷間鍛造など多様な金型の設計製作

Q.人材育成で何に取り組んでいますか

A.多能工を育成、女性活躍も

 各部署にOJTプログラムを設定、ローテーションで教育を行う仕組みを構築しています。また、ジョブローテーションによるキャリアアップや多能工化
を積極的に推進しているほか、女性も採用し、精密加工工場で活躍しています。女性は手際も良く、精密加工に向いていて男性も刺激を受けています。女性活躍を促すため明るい職場や環境作りも力を入れています。(稲垣徹也社長)

金型新聞 2020年5月14日

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