Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省…
日本金型工業会 会長 小出 悟氏 (小出製作所社長)
〜鳥瞰蟻瞰〜

金型は量産の道具理解するマスターが必要
人材発掘が経営者の仕事
人材発掘が経営者の仕事
「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率的に作った部品を求めているわけですから。
こうした考えに至ったのは、僕が根っからの技術者じゃないからだと思います。大学卒業後、愛知県のプラスチック型メーカーで組付けなどを担当しました。わずか3年。「金型はこんな理屈でできているんだ」と分かった程度です。その後、小出製作所に入ってからは、基本ずっと営業畑。だから、技術に固執することなく、金型を客観視できると感じています。
冒頭の考えは今後より重要になると思っています。金型に求められていることが高度化しているからです。というのも、昔はお客様に言われた通りの金型を作るだけでよかった。だから、早く削るとか、精度を出すことに執着してきたし、仕事をもらう上で、それらは重要なスキルでした。今はそれだけではダメです。「新素材を成形するのにどんな型が必要か」、「この型でどれだけ生産性が上がるのか」などと問われることが増えています。
つまり「金型は量産の道具」という理解を深め、金型技術だけでなく、量産までマネジメントできる人材が求められているわけです。当工業会が4年前に始めた「金型マスター認定制度」はまさにそうした人づくりと目指しています。
マスターに望む人物像ですか。言うならば、一人で海外に渡って、営業し、トラブルを解決できて、会社に利益をもたらすような人でしょうか。それをするには、金型技術だけでなく、営業スキルや生産管理まであらゆることを身に着けなくてはいけない。
世の中の変化が激しいので、マスターが習得すべきことは増えています。その一つがIoTやAIでしょう。ロボットや自動化技術が進化する中で、これらのスキルは避けて通れません。だから、今後はマスターの教育プランに、IoTやAIのプログラムを入れていこうと考えています。
ただ、IoTやAIは金型と同じく、あくまで道具です。だから、技術だけでなく、本質を理解する必要がある。IoTやAIを使って何をするのか。金型でどう生かし、どういう成果を出すのか。マスターには自分なりの考えを持って新しいことに挑戦して欲しいですね。
マスターのような人材の育成には時間はかかります。だからマスター制度は継続が大事だと思っています。そして、10年後に会社や業界を支えていける人材になって欲しい。人材不足を嘆く声は多い。けれど、各社にマスターになれる人材は必ずいるはずです。経営者はこうした人材を発掘し、育成することも重要な仕事だと思います。
金型新聞 2020年5月14日
関連記事
自動車部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは設立50周年を迎えた昨年度、新たな中期経営計画をスタートした。その3カ年のプロジェクトは金型製作期間を半減するなど競争力の再強化を目指す。EV化が加速するなど取り巻く経営環境…
牧野フライス製作所は今年4月、6年ぶりに社長交代を発表した。6月に新社長に就いた宮崎正太郎氏は、就任後わずか3か月で増産体制の強化や開発テーマの絞り込みなどを相次いで発表。さらに、顧客の課題を聞くための部署を新設するなど…
精密金型部品 キャビティやコア、スライドコアなどの金型部品を専門に手掛ける会社がある。富山県南砺市のリバン・イシカワ。金型づくりで培った経験を生かし、独自の工夫や細やかな心配りで自動車関連メーカーの金型部門や金型メーカー…
とみた・ひでし1999年慶応義塾大卒。システム会社での開発経験を始め、日本ヒューレットパッカードや日本オラクルでコンサルティング部門の部門長を歴任。直近では政府系ファンド出資のランドデータバンクの立ち上げに専務執行役員と…


