トーヨーエイテック(広島県南区、082-252-5212)が今年2月に発表したアルミのプレス金型用DLCコーティング「TOYO Arc‐DLC」。高硬度で強固に密着するため、軟質で融点の低いアルミをプレス加工しても金型に…
久野金属工業 取締役副社長 久野 功雄氏 〜鳥瞰蟻瞰〜

我が社しか実現できないモノを少し高くても選んで頂ける
それがブランド力
それがブランド力
従来のお客様と金型メーカーには阿吽の呼吸のようにお互いを必要とする関係があり、スムーズに仕事を進める上で大切です。ですが、新規開拓となると簡単ではありません。昨今の自動車業界は部品の共通化で、金型の仕事量は減っています。その中で新規開拓するには、「既存の金型メーカーには出来ないこと」でなくてはなりません。そこで効果を発揮するのがブランドだと思います。
ブランドとは他社より少し高くても選んで頂けること。当社も技術開発力を武器に、ものづくり日本大賞など各賞を受賞し、ブランド作りに努めています。金型業界はコスト競争も激しいため、そうした状況に陥らない企業はブランドがあるといえます。
金型メーカーのブランド力の源は技術開発です。実際それだけではありませんが、当社(プレス金型と量産)も既存メーカーでは困難で、お客様が苦労している、または、初めて取り組む仕事を積極的に受注し実績を重ねています。そして、お客様の手間をかけず、短納期対応すると、「こんなにスムーズに立ち上がったことはなかった、製品がきれいだ」と好評価を頂いています。「価格は高いが、助かっているから今後も宜しく」と言ってもらうのが最大の誉め言葉で、そのために時間と労力とお金をかけています。
まず取り組むべきことは、高精度かつ高速で加工できる工作機械など先行設備投資が必須です。機械で完結できることは機械で行わなければ、納期、精度、コスト面で勝負することができません。当社では量産用生産設備もメーカーと共同開発し、自社開発のIoTサービスである「IoT GO」による生産性向上に加え、設計力、現場力を掛け合わせ、大きな力とにしています。
続いて、昨今のテーマとなるIT投資です。HP戦略はもちろん、IT活用によるスピード感を重視して、2年前から社内SNSに取り組み、開発業務を含む全部門との情報の共有化を図っています。これまで金型の打ち合わせは情報が伝わるのが遅く、正確でないことが課題でしたが、IT活用で良質な情報を素早く伝えることができます。直近は新型コロナウイルスの影響で顧客訪問できない状況ですが、Web会議を積極的に使い、従来2週間に1回の顧客訪問が、Web活用で週に1回と頻度を上げることができ、スピードや信頼はさらに高まりました。
最後は『受けた仕事をやりきる』を肝に銘じています。難しい仕事を早く、お客様の要求通り行うのは難しいですが、続けることで実績と信頼が構築できます。そうすることで、少々高くても仕事を出してくれる状況が作れると思います。当社のブランドは『久野金属工業しか実現できないモノがある』。これが1番のブランドです。自社の強みや特色をさらに磨き、現状をベストだと思わず、どんどん変化させて良い環境を作るように励んでいます。
金型新聞 2020年7月1日
関連記事
要望に合わせ創造と変革 「色々と教えると新しい経営はできないだろうから、あなたには多くは教えない」―。工作機械業界のカリスマ、牧野二郎前社長がそう伝えるほど、全幅の信頼を置く。 顧客重視をより進化 入社時に「機械もソ…
くまがい・ゆうすけ1985年大東文化大学経済学部卒、同年共和工業入社。2013年海外営業部長、20年常務執行役員社長補佐、新潟県三条市出身、58歳。 大型の樹脂型を手掛ける地元三条市の共和工業に入社したのは1985年。以…
ものづくりのお役に立ちたい 未来を拓く新技術 来場者の技術革新に貢献 JIMTOFで展示された工作機械や機器、ソフトなど金型や部品加工における最新技術を一堂に集めて披露するUMモールドフェア。今回は新型の5軸加工機や…
トライ後の改修減らし生産性アップ 自動車の骨格部品などのプレス金型を手掛ける南工は昨年、解析速度の速いプレスシミュレーションソフトを導入した。短期間で高精度の塑性変形予測を割り出し、設計品質を高め、トライ後の改修時間も短…
