金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

24

新聞購読のお申込み

TMW
〜金型の底力〜

ドイツ企業と業務提携
世界中で供給力を強化

立松  宏樹社長

 インパネなど大型のプラスチック金型を手掛けるTMWは海外展開を加速させている。9月には、ドイツの大手金型メーカーのメキシコ工場に資本出資し、北米地域での金型供給力とサポート体制を強化する。北米だけにとどまらず、世界中で互いに金型を供給し合ったり、メンテナンスしたりするなど包括的に業務提携した。独自のネットワーク網を構築し、世界中で金型の供給やサポートができる体制を目指す。

 TMWが提携したのはドイツのシーベンウエスト社。120年以上の歴史を持つ老舗の金型メーカーで、自動車用のプラスチックやダイカスト金型などを手掛ける。特に欧州の自動車メーカーとの関係が深い。「元々協力関係にあった」(立松宏樹社長)が、今回の提携でその関係を深化させる。

メキシコでも大型の金型を請け負う
海外展開の司令塔となる日本本社

 9月には、シーベンスウエスト社のメキシコ工場にTMWが4割強出資。社名も「シーベンウエストタテマツメキシコ」と改称した。同工場では大型から中小型までのプラスチックやダイカスト金型を製作するほか、金型の補修を請け負う。

 狙いの一つが北米市場の強化だ。同社は、アメリカに工場を持つが、メキシコにも拠点を構えることで、北米全体をカバーできる体制を整える。立松社長は「世界中の自動車メーカーがメキシコを重要拠点と位置付けており、北米全体での成長は続く」とみており、供給力やサポート体制の強化が不可欠と判断した。

 メキシコ進出について「今がベスト」と判断。その理由は「7~8年前に比べて、インフラが整ってきている。さらにローカル企業が受注する仕事と、そうでない仕事が明確になってきた状況」だからだ。

 協業は北米市場だけに留まらない。世界中での金型供給やサポート体制の確立を目指す。まず、メキシコで作りきれない金型はTMWのアジアや日本、中国などのネットワークから供給できるようにするという。

日本の工場では自動化や効率化を進める

 サポート体制でも協力し合う。例えばシーベンウエスト社がドイツで金型を受注し、韓国で発注した場合。必要に応じ、TMWの韓国法人が立ち合いや玉成、補修などを行う。「コロナで移動が制限される中、お互いの拠点を活用し、対応したほうがいい」とし、相互に協力し、世界中でサポートできる体制を目指す。

 TMWは87年に北米に進出して以降、中国、韓国、タイに工場を設けるなど海外展開を加速してきた。技術・文化交流を含めた「グローバルツーリングアライアンスパートナー」として、シーベンウエストとカナダにも協業先があるほか、欧州、アジアに多数のパートナー企業を持つ。

 立松社長は「海外展開自体は早かったが、ローコストカントリーへの対応などグローバル対応をしてきたのは、この10年ぐらいだと思う。今後も多様化するグローバル化に先手を打って対応していきたい」。

  • 本  社 : 愛知県稲沢市奥田大沢町27
  • 電  話 : 0587-32-6281
  • 代 表 者 : 立松宏樹社長
  • 創  業 : 1949年
  • 従 業 員 :184人(本社のみ)
  • 事業内容 : インパネなど大型樹脂金型設計製造。

Q.人材育成で何に取り組んでいますか

海外と事業部制で多様な活躍の場 

 海外拠点に送り出すことが育成になっています。海外では何でもしなければならない状況が多いので、育成の場としては最適です。また、成形や治具販売など事業部制を敷いたのも育成の一環です。機械加工の担当者が治具の営業をすることで、違う視点が得られ、成長の機会になります。多様な活躍する場を提供することが育成につながると思います(立松宏樹社長)。

金型新聞 2020年10月2日

関連記事

社名変更し、再出発 黒田克典氏(プロテリアル 特殊鋼事業部 工具鋼部長)【この人に聞く】

プロテリアル(東京都江東区)は今年、日立金属から社名を変更し、新たな歴史に向けて再出発した。4月には金属材料と機能部材の2事業本部から特殊鋼、電線、自動車部品など9事業部に移行し、組織体制を強化。意思決定の迅速化など組織…

11月の金型生産実績

11月の金型生産実績

前年同月比 5.1%増の347億7,100万円 プレス型は3.3%増、プラ型は8.9%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年10月の金型生産実績をまとめた。それによ…

日本精機、ベトナムに工場新設

大型のダイカスト金型増産 ダイカスト金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区、052・736・0611)はベトナム・ハノイ市近郊に金型工場を新設する。型締め力で2500tクラスのダイカスト金型を製造する計画で、2026年末…

収益改善へアクセル 金型生産、回復へ

収益改善へアクセル 金型生産、回復へ

車の復調、国内回帰が背景 増えた需要、勝ち抜いた金型メーカーに  金型業界にも明るさが戻ってきた。経済産業省の統計によると2014年1―9月の生産実績は2622億円と7・6%増加した。自動車業界がけん引役となったほか、円…

武林製作所、角谷工場長が「なにわの名工」

武林製作所、角谷工場長が「なにわの名工」

卓越した仕上げの技能  ▲「なにわの名工」に選ばれた角谷工場長  歯ブラシのプラスチック金型メーカー、武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)に、金型の耐久性や成形の品質を高める、仕上げの技能を持つ人がいる。…

トピックス

関連サイト